C_学園もの

2018/05/18

島崎無印 「放課後コラージュノート」 全1巻 角川書店

 高校生からちょっと大人までの”青い春”について、オムニバスに綴った短編集ですが、それぞれの物語は、少しずつ登場人物が関連して繋がりがある、という形式を取っています。

 ストーリー自体はそれぞれ奥ゆかしいというか、ちょっと気恥ずかしくなるような青春ものですが(笑)、サラッと爽やかというか、婉曲的な駆け引きの末に大団円となり、その先は想像にお任せ、といった作りになっています。

 普通に短編集としても読めつつ、それぞれの登場人物の脇役がその先の主人公となっていたりと、1冊の本としての構成も楽しめるといった感じで、そこに一捻りがあると。そういう異なる物語をそれぞれ紡いで構成されていることが、本のタイトルである「コラージュ」という言葉で表されている訳ですね。

 強いインパクトよりは、描いていない部分で読者の想像を掻き立てるという感じの作品なので(それぞれの物語の間も含めて、行間を楽しむというか)、何というかサラッと甘酸っぱさを楽しませてくれるという感じの作品かなあと思います。

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2018/04/16

小坂泰之 「放課後ていぼう日誌」 2巻 ヤングチャンピオン烈コミックス 秋田書店

 海辺のとある高校に転校してきたばかりの手芸大好き女子高生が、何の因果か釣りや磯遊びを楽しむ「ていぼう部」に巻き込まれ(?)、苦手だった生きものたちと戯れる日々に投げ込まれ、、、、そんな阿鼻叫喚な状況から、徐々に楽しみを見いだしていく、そんな作品です。

 まったくの釣り素人、いやそういう事をやろうなどと一度も考えたこともなかった少女が、個性的で半ば強引な「ていぼう部」の面々に騙され(違)、けどやってみたら、結構奥が深くて徐々に填まっていく(堕ちていく、、とも言う)、そんなシチュエーションを楽しむ作品です。

 釣りは私は多分、不得手な方です。全く嫌いではなく、幼少の頃は田舎で叔父に釣りに行かされまくりましたが(川釣り、磯釣り、船釣りからアユの友釣りまで経験させてもらいました)、仕掛けから何から叔父任せで、自分で工夫しようとか憶えようとか、そういう気分にならなかったんですね。行けば楽しいし、釣れれば面白かったので、嫌いではないものの、何かのめり込めなかったというところでしょうか。

 なので、釣り漫画をあれこれ批評なんぞ出来る立場ではありませんが、この作品の場合は、主人公の立ち位置が私に近いというか、、、けど2巻辺りからは積極的に動き始めたりもするので、私より前向きカモですが(汗)、そういう「初めてやる人が、どういう風に楽しみを見いだしていくか(そして泥沼に填まるか(違))、そういう視点でよく描けているなあと思います。

 釣りを教えてくれる人にも色々あって、私の叔父などは、仕掛けとかに私が興味を示さなければ、何も教えずにさささっと竿と仕掛けを準備して、ほいっと渡してくれるだけでした。
 無理強いもしないし道具も全部用意してくれるので、あとは餌付けて釣って、釣れたら外してまた餌付けて(それは自力で一通り出来ます)、というのの繰り返し。小学生くらいでしたから、そうなるのも仕方ないし、釣れた時には楽しいものの、釣れるまでの準備の楽しさとか、仕掛けの理屈だとか、そういう部分を完全に端折ってしまっていたから、興味がそれ以上伸びなかったのかもなあ、と思いました。

 素人が釣りに填まっていくという漫画は、実はそういう意味で興味があって、ちょくちょく読んでいたりします。だいたいは、何かのきっかけに釣りに填まっていく人を描いている訳ですが。。。

 その中でこの作品、ここまで「釣りとは無縁で興味のかけらもない」人間を(笑)、どのような手順やイベント、その他の言葉や行動でだんだん洗脳していくのかという辺り(こらこら)、なんか鉄壁の城壁をいかに攻略するかみたいに置き換えてみると、なかなか面白いなあと思うんです。

 この作品は、特にその<攻略>の仕方がよく描けているなあと思いました。勿論、キャラの個性や設定も絶妙だからこその面白さですけど。

 それと、いきなり大物を釣るとかのダイナミックな楽しさではなく、2巻になって、やっと小アジを初めて釣ったことに歓喜するという、本当に地に足の付いた、現実的な小さいながらも大事な”楽しさ”を描いているな、と思ったりもします。

 子供相手に、生きものの観察会みたいなこともやっているので、そこでも参考になるかもなあ、と思いながら読ませていただいております。。

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2018/03/19

とよ田みのる 「金剛寺さんは面倒臭い」 1巻 ゲッサン少年サンデーコミックス 小学館

 とある穴で地獄と繋がってしまい、当たり前のように「鬼」がのんびりと人間世界に溶け込んで生活している、そんなどこか設定が”面倒臭い”世界(※ただし、そこは本編には大きく関わりのないことらしい)。

 そんな中、正論を振りかざすして「正しいと考えた行動しかしない」”面倒臭い”少女(金剛寺さん)と、思ったことは素直に言葉にしてしまう心優しいけど別の意味で”面倒臭い”鬼の青年が出会ったことで、”大きく関わりのないこと”ですけど、周囲に大いに影響を撒き散らしながらアオハルが暴走していく、、、、そんなドタバタ純愛(?)コメディーです(笑)。

 文武両道でスーパー高校生なヒロインは、あらゆる意味でとにかく面倒臭い訳ですが(笑)、その行動原理にもちゃんと理由があります(ここはある意味で核心ですから、読んで確認しましょー)。それを踏まえて、その「面倒臭そうなところが好き」と公言してしまう、悪く言えば優しいけど考えすぎでストレートな鬼の青年も、心の中にはある種の何かを抑え込んでいたりもしますが、、、、

 この作品の場合、「大きく関わりのないこと」にウェイトが掛かりすぎというか、、、(笑)。

 衝撃的な心理描写もなかなか”面倒臭い”描写ながら、その一瞬に平行してザッピングのように進行する周囲のドタバタが、半分以上を占めているというか(笑)。
 なんかもう人生がそこで転換してしまうような、そんな事件が彼らの周囲のあずかり知らぬところで進行していようとも、本編である二人の”アオハル”は暴走し続けるのです。

 一瞬が交錯する”大きく関わりのない”物語や、大袈裟に輪を掛けたような心理描写(笑)に目を奪われちゃいますけど、やはり根底にあるのは、恋愛に至る心理というか、「ラブロマ」(全5巻)の頃から秀逸だった心と言葉と”行動”の駆け引きの部分だろうと思います。

 読者の誰もが「そうそう、こういう風に感じたり考えたりするよね」という前提の心理部分がしっかりとあった上で、その斜め上を行く行動に走るから、ラブコメとして面白いんですよね。どこかこう、ドタバタの中にまさにどちらの心理も上手に描き出し、”駆け引き”のような部分の綱引きというか、両方の視点を上手に作中に描き込めているなあ、と思ったりもします。

 ある意味、どっちも面倒そうな性格の二人ですが(笑)、アオハルを暴走させて周囲を巻き込みまくりながら、きっとそうした”大して関わりのない”人々が少しずつ集まって、大きく関わっていくんだろうなあ、という気がします。

 しかしまあ、よく考えたら1巻丸々使ってここまでしか進行しないって、本当に面倒臭いカップルですよね(笑)。

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2018/01/26

仲川麻子 「飼育少女」 1巻 モーニングKC 講談社

 タイトルからも、表紙からしてももう狙う気満々という体裁ですが(笑)、担任でもない生物教師に呼び出され、「生きものの飼育」をいきなり勧められる女子高生と、そんな彼女を<観察>する意図不明な生物教師の交流を斜め上から描く、「生きもの飼育するんだけどなんかかなり変」な作品です(笑)。

 いきなり勧められるのは「ヒドラ」。ドゴラとかヘドラとかいう怪獣ではなく、クラゲやイソギンチャクと同じ仲間の淡水性の刺胞動物です。インスタントコーヒーの瓶に入れたそれに、シーモンキーを与えながら、彼女は生物飼育と観察の世界にドップリと填まっていくのです。それが罠とも(ry

 ※ちなみに表紙で持っているのは、同じ刺胞動物のイソギンチャク。他にも様々な「身近だけど変な生きもの」が出てきます。

 まあ、狙っていると言い過ぎるのもアレですが(笑)、別に少女を飼育するという漫画では少なくともありません。ただ、、、語弊はありますけど、”少女を観察する”ということはしっかりやってます。

 というより、この世間ズレ(爆)した教師が、主人公である少女のどこに、何に興味を持ち、魅力を感じたのかという部分が、生物が好きな人から見ると<とてもわかる>というか、共感を感じる部分があります(えぇえぇ。私も世間ズレした変(ry )。

 生物を見て「かわいい」という感想は子供でも言いますが、ボキャブラリーや知識がないと、それ以上の発展はありません。色々な事を感じても、「かわいい」という形容でおしまい、ということも多いです(中には少ない単語を駆使して、素晴らしい感想を述べてくれる子もいますけどね)。

 それが中学生以上になってくると、「どこが可愛い?」という部分を、他の事象等で形容ができるようになってきます。これは知識も含めて様々な刺激の記憶を紐解き、「○○みたい」という風に置き換えて表現するわけですね。ただ、実際には興味があまりない、深く観察しようとしない場合には、少々おざなりな「かわいい」という形容詞だけで終わってしまう事の方が多い、、、とも言えます。

 こういう複雑な表現というのは、本当に好きで、そして何故そうするのかなど、色々と考えながらよーく生きものを観察してみないと、なかなか出てこないんですね。時にそういう能力を「感受性」という単語で表現する場合もありますけど、あまりに独創的な表現をしてしまうと、こんどは周りの人が引いてしまう、、、と。

 なんかあまり深く考えずにただ「かわいい」としか言わない人の方が多いと思いますが(あるいは何か思っても口にしないとか?)、生物屋さんはそれでは完全に満足はできないのです(※個人の感想です)。

 このヒロインは、狙ってちょっと斜めな表現をする事が多いですが(笑)、実に巧みに自分が見た現象について、「○○みたい」と、するっと素直に独創的な表現をするんですね。狙っているとはいえ、生物以外の色々なジャンルの単語が飛び交いながらも、ある意味で「はっ」とさせられる表現が散りばめられています。そこがとても面白いんですね。

 随所にある友人や先輩との「言葉遊び(略しまくり)」も絶妙ですが、生物の魅力もあまり強く主張せずにベースとしてしっかり構成されていながら、生物の知識がない人にも楽しめるよう丁寧に解説がされ、そして多くの謎(主に謎教師)を秘めながら物語が構成されています。色々な意味で、なかなかの意欲作ではないかなあ、と思ったりします。

 何かどこかで聞いた名前だなと思ったら、「ハケンの麻生さん」の方じゃあないですか。なる程、生物の飼育等に関する描写や”生物愛”が深いわけだと思ったりしました。

 未完となっている「ハケンの麻生さん」も、この作品で勢いをつけてちゃんと続きを描いてもらえるといいなあ、と思ったりしました。。
 

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2017/09/15

ツナミノユウ 「ふたりモノローグ」 1巻 CygameComics 講談社

 偶然となりの席になった女子高生ふたり。ある日、大人しそうな彼女は、隣に座っているのが小学生の頃に友達になった、そして行き違いで別れ別れになった、そんな幼なじみだったことに気がつきます。そしてもう一人の金髪女子高生の方は、実はとうの昔にそれに気がついていたわけですが。。

 自分の想っていること、考えていることを素直に相手に伝えられない、タイプはまったく違うけど、そんな二人がすれ違いながらも必死にキャッチボールを繰り返し、それを各々のモノローグで綴っていくという、そんなコメディー作品です。

 やはりこの「心の中で思っていること」を、判り易く書き文字にするセンスは抜群かもしれません(笑)。この辺りは「つまさきおとしと私」で、そのセンスを発揮しまくっていましたが。そしていざ、心の中で思っていることを口に出したり態度に出そうとする時、人は本当に不器用で、相手に自分の意図を正しく伝えることは難しいと(笑)。

 ある意味、退いては押してという感じで、二人の距離感はすれ違いながらも伸びたり縮んだり忙しないんですが、いわゆる「あるある感」を醸し出し、笑わせてくれるんですけど、結構考えさせられるところも散りばめてあったりします。

 友達と喧嘩別れしたり、些細なことで言い合いになったり。そんな経験は誰にでもあるわけですが、相手の意図は実は違うところにあるけど、それが相手も下手だから伝わらない、、そして自分もそれを汲み取れず、または大きく誤解しながら受け取ったり。。

 本当に日常的に、こんな事を繰り返して学生時代を過ごしたかもなあ、と思ったりします。そう思いながら、彼女たちのギクシャクしたやり取りを読んでいると、誤解もしながら、そして意図も実は分かってないながらも(笑)、それぞれの考えで一生懸命、相手の考えていそうなことを想像し、まあ結果的にかなりすれ違っちゃうんですが(笑)、その努力は諦めない。そういう辺り、ちょっと健気でいいなあ、と思ったりもしました。

 まあ、吉本新喜劇ではありませんが、妄想を膨らませながらお約束のようにすれ違い続ける二人を、生暖かく見守りながら笑わせて貰う、そんな作品じゃないかなあと思います。

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2017/09/12

西餅 「僕はまだ野球を知らない」 1巻 モーニングKC 講談社

 実は野球をほとんどやったことがない(やろうと思ったけど自分は競技に向いていないから諦めた)、けど何故か野球への情熱は人一倍、そして論理や科学などを駆使して「頭脳野球」をやろうとする、、、けど、スポーツを実際しているからは相手にされない、ある高校教師。

 そんな中、希望してコーチをしていた(けど監督からは疎まれ、選手からも半ば無視?)高校野球部で、ひょんなことから監督になることに。。

 やり始めたことは、ただの理論野球ではなく、工業高校であることを活かして各種センサーや機器を他の先生に作って貰ったり、3Dスキャナでの解析等も駆使しながら、選手の欠点や癖を矯正していくという、ある意味ではプロのスポーツ選手も取り込んでいる<科学スポーツ>の世界。

 単なるスポ根、身体が動かせればいい、けど思い通りに成績が伸ばせなかった選手達が、少しずつ「変わっていく」自分達の能力を実感し、そして対外試合に挑むことになるわけですが。。

 ある意味、スポーツに「科学”だけ”で」アプローチするという、ありそうですけどちょっと無かったジャンルの作品かなと。いわゆるスポーツ科学などに基づいた合理的な解析、そして修正点が判り易いという利点を、弱小な高校野球チームのレベルで行おうという訳ですから、おいそれと上手くいくかどうかは別です。

 しかし、相手のチームの選手や監督までを徹底的にリサーチ(という名のストーキング)をして、データに基づいた戦略を打ち出す、という辺りは、1巻のここまでは順当に当たっているといった感じですね。

 けど、スポーツというのもメンタルな部分もやはり大きいです。。また戦略と言っても勝負所では賭けに近い部分もある。勿論、そういうものをカンだけでやっているスポーツ選手や監督も多い訳ですけど、そこに「科学」という客観的な視点からの確認が加わることで、また少し変わっていくわけです。

 センスの問題もありますし、科学もカンもどちらも重要ですが、そこにどんな折り合いを今後付けていくのか(主人公は本当に野球を”知らない”んで、必ずまた挫折というのも津波のように押し寄せて来ると思います)、今後の展開がちょっと手に汗握る感がある、そんな作品です。

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2017/07/04

吉田丸悠 「大上さん、だだ漏れです。」 1巻 アフタヌーンKC 講談社

 男子の「構造」が気になって気になってエロい事ばかり考えてしまうけど、他人になかなかそれが明かせずに孤独に悶々としている、思春期が暴走している女子高生と、なぜか人との接触を極端に避ける、見た目はイケメンだけど無表情で淡々とした男子高生。

 そんな二人がトイレを通じて(?)出会ったわけですが、彼が人を極端に避ける理由は、その体質にありました。。

 彼の特異体質の犠牲となって、次々と<本音>を口走ってしまう犠牲者が続出しますが、そんなシチュエーションを通じて、ある意味、互いにコミュ症であった二人の、ちょっとぎくしゃくした”青春”が綴られていく、そんな作品です。

 ある意味、設定がとてもシンプルなんですね。「本音を口走る」というのも、勿論本人の意図を超えているわけで、混乱も生じてしまいますが、いい方向に転ぶこともあるわけです。

 そしてヒロインの大上さんも、エロいと言っても、なんだか国語辞典でヒワイな単語を検索して、なんだかドキドキしてしまうような、お前は小学生かっっというくらい可愛いものです(・・・まあ、けど高校生ですからね。お互いに。うんうん)。 

 あ、いや。。。けどコンビニの角のコーナーでアレな本をつい読んじゃったりしてるので、、、暴走してますね。やっぱり(笑)。

 もう一人の主人公の方は、あまりに淡々として感情がないのかよっ という能面キャラですが、基本は生真面目で、超が3つくらい不器用。

 そんな二人が、クラスメートとも徐々に交流を増やし、青春していくわけですね。

 なんだか妙に心配で見守りたくなる、そんな二人を描いた作品です。

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2017/06/27

井上知之 「はなまる魔法教室」 1巻 裏少年サンデーコミックス 小学館

 ある日、小学校に魔女の先生がやってきた。その先生の目的は、クラスの生徒の中から優秀な能力を持つ子をスカウトし、魔法使いにすること。そんな先生を巡って、空想好きの主人公や、色々な個性を持つクラスメイト達が、魔法先生の不思議に少しずつ触れていく、そんな物語です。

 魔法は契約すると共に、”種”が手の甲に印として現れ、数ヶ月もすれば孵化するということ。想像力のたくましい少年は、予想よりも早く効果が発揮されたわけですが、、、

 ある意味では、児童文学というか学校の課題図書に出てくるような内容という気もします。が、いわゆる「魔法使いの先生」は、かなりザックリとした性格で、魔女の国でも学生を教えていた(といっても2~3人程度の生徒)、生徒を教えた経験はある先生なわけですが、沢山の生徒のいる教室に憧れていて、授業することそのものが楽しくて仕方ない、そんな感じの明るい、、、、けれど何かしら秘密も秘めた人です。

 ジュブナイル系な作風と絵柄ですが、いがみ合いながらも冒険のようなものにも憧れる小学生らしい子供達と、小学生を教えるのは初めてながら、実に細かく生徒を観察している魔法先生。。

 魔法とはどういうものなのか、その実態はまだまだ謎だらけですが、それを少しずつ紐解きつつ、子供達と楽しく戯れ、普通の”先生”とは違う発想で考えて行動する、そんな個性的な”先生”を描いていく、そんな感じです。

 なんかこう、ちょっとしたワクワク感も感じられ、懐かしさもどこか感じる、そんな作品だなあと思います。

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2017/06/13

からあげたろう 「コーヒーカンタータ」 1巻 電撃コミックスNEXT 角川書店

 幻のコーヒーを巡って、とある街にやってきた少女のスタートを描く、「コーヒー漫画の皮を被ったガッツリSF」な作品です(笑)。 まあ、SFというかはファンタジーという設定の方が馴染み易いかもですね。

 とあるコーヒーの品種である”カンタータ”で街興しをしている地方都市に、ある”目的”の為にやってきた少女が、ある意味では偶然を重ねながら”一緒に学ぶ友人”を得ていく、というところが1巻目です(その目的地に辿り着くまでに紆余屈折がありまくりなので、まだ”入り口”のところまでしか進んでいませんが(笑))。

 基本的なコーヒーの淹れ方など、そういう”うんちく”も結構満載されています。そういう視点で見れば、グルメ漫画とも言えるかもしれません。が、そこに、「カンタータ」という、ある意味では圧倒的な味を以て君臨する”究極の珈琲豆”の存在があるわけですね。

 少女が辿り着いた喫茶店では、他の沢山の観光客向け喫茶店で出す、”カンタータ”は出さず、マスターが極普通の豆(勿論、厳選されています)を使って丁寧に淹れたコーヒーを出してくれます。ある意味では、それなりに美味しいコーヒーを入れる技術は持っていた少女ですが、同じ豆を使っている筈なのに、その味の違いに圧倒されます。。

 コーヒーって本当に難しいですよね。。

 私も一時、安物の挽いた豆で、ドリップで淹れてみた時期がありましたけど、何ヶ月かやっても、何というかマトモに同じ味で淹れることすら出来ませんでした。同じ豆なのに、毎回なんだか違う味がするんですよね(ただヘタなだけですが(爆))。

 布のネルを使うとか、それで味が変わるのはある意味当たり前としても、湯の温度や注ぎ方ひとつで、千差万別の味になってしまうのがコーヒー。。

 どちらかというと紅茶派(特にミルクティー派)な私ですが、ほんと紅茶って手順とか時間とか守れば、ある程度は誰でも同じ味に持って行けると思うんです。が、コーヒーは本当に淹れる人によって全く味が変わってしまうので、ある意味ではいつも同じ味を提供できるっていうのは、プロだなあ。。。って当たり前の話ですが(汗)、凄いなあと思う次第です。

 まだまだ1巻では入口だけなのですが、これから懇切丁寧に彼女達は、コーヒーを美味しく淹れる技術を学んでいくことになります。

 ただのコーヒーを巡るウンチクだけではなく、ヒロインを取り巻く少女達の性格の違いなど、物語としても中々楽しんで行けそうな、そんな作品です。
 

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2017/05/22

双龍 「間違った子を魔法少女にしてしまった」 1巻 BUNCH COMICS 新潮社

 地球で魔法少女のなり手を捜していた謎生物は(定番設定ですが(笑))、偶然であった”清楚な雰囲気”の少女に、魔法少女になって貰うようお願いします。しかし、彼女の”真の姿”とは。。。

 表紙のおどろおどろしさが全てを物語っているとも言えますが、実は引っかけが一つあります。けっして「不良少女」を選んだというわけではありません。ある意味では、不良少年・不良少女よりも恐ろしい思考回路で行動する、破壊的な少女かもしれませんが。。

 行動は破壊的ですが、行動原理はいたってシンプル。「気にくわない奴は徹底的に潰す」です(別に正義がどうこうとか、そんなのは関係ありません(笑))。

 って書くと結局アレですが、その性格を別に隠している訳でもなく、学校では成績優秀ながらすぐバックれてしまい、授業中も教師無視。気にくわない奴が例え札付きの不良であっても、完膚無きまで粉砕し、破壊してしまうような身体能力を兼ね備え、<筋は通すが沸点が異様に低い、歩く最終破壊兵器>と言っても過言ではない、、、というのが、あくまで変身もしていない少女の素性です。

 敵に追われて傷ついていたとはいえ、潜在能力だけをスキャンしてその場で彼女を<魔法少女>にしてしまった謎生物は、いろんな意味で後悔することになっていくわけですが。。

 けどまあ、変身もせずに敵を撃退してしまうその潜在能力。まさに変身してないのに全身からほとばしる”殺意”は、戦闘能力としては申し分なし。魔法のステッキも彼女にかかれば「物理兵器」でしかない訳ですが(笑)、生来の破壊力が倍増どころの話じゃありません。

 そんな彼女の潜在能力に呼応して、敵のレベルも勝手にアップ。地球にどんどん吸い寄せられるという事態に陥るという、、、結果的には、今のところ全ての敵は粉砕されているものの、いろんな意味で何か間違っているというか、、、、

 タイトルがシンプルながらも、それを踏まえた上でどんでん返しというか、想像を超えたストーリーが展開する、結構奥が深い設定に凝った作品だったりします。

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