C_スポーツ

2017/09/12

西餅 「僕はまだ野球を知らない」 1巻 モーニングKC 講談社

 実は野球をほとんどやったことがない(やろうと思ったけど自分は競技に向いていないから諦めた)、けど何故か野球への情熱は人一倍、そして論理や科学などを駆使して「頭脳野球」をやろうとする、、、けど、スポーツを実際しているからは相手にされない、ある高校教師。

 そんな中、希望してコーチをしていた(けど監督からは疎まれ、選手からも半ば無視?)高校野球部で、ひょんなことから監督になることに。。

 やり始めたことは、ただの理論野球ではなく、工業高校であることを活かして各種センサーや機器を他の先生に作って貰ったり、3Dスキャナでの解析等も駆使しながら、選手の欠点や癖を矯正していくという、ある意味ではプロのスポーツ選手も取り込んでいる<科学スポーツ>の世界。

 単なるスポ根、身体が動かせればいい、けど思い通りに成績が伸ばせなかった選手達が、少しずつ「変わっていく」自分達の能力を実感し、そして対外試合に挑むことになるわけですが。。

 ある意味、スポーツに「科学”だけ”で」アプローチするという、ありそうですけどちょっと無かったジャンルの作品かなと。いわゆるスポーツ科学などに基づいた合理的な解析、そして修正点が判り易いという利点を、弱小な高校野球チームのレベルで行おうという訳ですから、おいそれと上手くいくかどうかは別です。

 しかし、相手のチームの選手や監督までを徹底的にリサーチ(という名のストーキング)をして、データに基づいた戦略を打ち出す、という辺りは、1巻のここまでは順当に当たっているといった感じですね。

 けど、スポーツというのもメンタルな部分もやはり大きいです。。また戦略と言っても勝負所では賭けに近い部分もある。勿論、そういうものをカンだけでやっているスポーツ選手や監督も多い訳ですけど、そこに「科学」という客観的な視点からの確認が加わることで、また少し変わっていくわけです。

 センスの問題もありますし、科学もカンもどちらも重要ですが、そこにどんな折り合いを今後付けていくのか(主人公は本当に野球を”知らない”んで、必ずまた挫折というのも津波のように押し寄せて来ると思います)、今後の展開がちょっと手に汗握る感がある、そんな作品です。

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2017/06/05

坂崎ふれでぃ 「サバゲっぱなし」 1巻 サンデーGXコミックス 小学館

 少し欲求不満ながらハイテンションなOLが、とあるバーに入り込んだことがキッカケで、「サバイバルゲーム沼」に堕ちていく、、、そんなサバゲー入門的な作品です。

 一般のOLをいかにサバゲ沼に引き入れるか、、、というような技もありながらも、自らズボズボと填まりまくって、廻りまでサバゲ熱に改めて感染させていくという、何か読んでいても楽しい。。。と思うのは、私も「サバゲ」に片足突っ込んでるからでしょうかね(爆)。

 基本的には、バーのマスターまで含めて女性社会人のサバゲチームというかグループによる、野外戦やインドア戦など、ざっと「サバイバルゲームとはどういうものか」という部分は、詳しく解説はしています。

 が、いわゆるチーム同士の戦いであるとかテクニックとか、そういうベクトルで昨今の”サバゲ漫画”は構成されがちですが、この作品の場合、<ガチでサバゲという”宴会”を楽しむ>ことに主眼を置かれています。なので、途中のテクニックとかそういう部分は勿論紹介はされていますが、必要最低限。戦いの描写も最低限。
 その<戦いの前後>の、それぞれテンションMAXな状態を描画しながら、いかに<やってみたら楽しいか!>ということを紹介することがメインなんだと思うんですね。

 お店の協力などもいただきながら、武器である銃を選ぶあたりにも重点が置かれています。

 というか、実際に趣味としてやってみると、私なんかは年間数回しか行けないながら(・・・それもここ2年ほど御無沙汰)、銃を改造したりカタログ見たり、新製品が発売されたらなんか色々と調べちゃったり、そういうことに費やしている時間の方が、数十倍~数百倍であり、またそれも本当に楽しいんですよね。「旅行は行く前が一番楽しい」「行ったあとの想い出も楽しい」というのに通じるところがあるかもしれません。

 恐らく、実際に楽しんでいるOLの方々などにも色々とインタビューしたりして、<リアルで楽しんでいる人達は、どういう気持ちで、楽しさを見いだしているのか>というところに、かなり重点を置いていると思うんです。

 それでいて、何かだたのハウツーもののような説明べたりな感じもなく、主人公のヒロインのハイテンションぶりを眺めているだけで、なんだかお腹いっぱい楽しめてしまうんですね。。

 本来は先輩として色々と教えてあげようと思っていた方々も、その豪快な買いっぷりや突っ走りぶりに呆れながらも、どんどん影響されて楽しくなって来ちゃうという(・・・買い物熱が感染するとも言う・・・)、いろんな意味で何だかこういう人がいたら、本当に楽しいだろうなあ、という集まりになっているわけです。

 しかし、、、カスタマイズされたM16派生銃って(←多分古い人間なので、こういう表現になる(汗))、本格的なロードサイクル並みの値段するのですね、、(大汗)。私はスナイパーなので、VSR-10をカスタマイズする程度で(この辺のスナイパー銃も本格的ショップカスタムだと10万円超えるのはザラでしたが)、サブにスコーピオンを極悪改造(謎)してただけですけど、やはり上には上があるんだなあ。。

 入門書というのとはまた違う部分もある気がしますが(それでも基本的な情報は満載されていますよ。勿論)、特に社会人になって填まる人達にとっての「サバイバルゲームの魅力ってどんなとこ?」という部分については、盛り沢山になっている上に、なんだか読んでて楽しくなる、そういう作品だなあと思います。

 ・・・なんかまたちょっとやりに行きたくなってきてしまった(汗)。
 2年も放置してると、マトモに動かない気がしますが(汗)。

 

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2016/12/06

高橋しん 「かなたかける」 3巻 ビッグコミックス 小学館

 都会から駅伝のメッカ、箱根近くの小学校に越してきた女の子。人の背中を追い越すのが好きという、おかしな性癖を持ちながら、実は足はそんなに速くはない。転校生の宿命を受けつつも、持ち前の”天然”ではね除け、鬼ごっこで培った仲間意識と、遅いけれど綺麗なフォルムと異常に近い持久力を携え、地区の小学生も含めた男女混合の駅伝大会に出場することになります。。

 「駅伝」を扱いながら、何といっても「小学生」から描写するというのが面白いですね。ジュブナイル的な雰囲気もさることながら(まあ、絵柄からして一番合ってますね)ある意味では体力や、精神力的な面でも未熟である彼ら。それが駅伝という競技をどう戦えばいいのか、、、そういった<制約のある中>での戦略的な面白さが描かれて行きます。

 「少女ファイト」もそうですが、スーパー選手が活躍するだけではチームは勝てない、というドラマ仕立ての楽しさがありますね。

 一人一人は万能ではなく、距離や順番に応じてその組み合わせや作戦で、それぞれの個性や特技を活かし、そして半ばプロを目指す遠征チームと互角以上の戦いをしていく。。ある意味では爽快でもあり、そして現実的な部分も描写しながらなので、とてもリアルな雰囲気を楽しめます。

 監督である小学校の女教師も、どうやら経験のある曲者ですから、かなりいい加減な作戦を練りながらも、それぞれの子供達の個性を見抜き、それに合った適切なアドバイスを与え、小学生の本質を見抜いた策略を巡らすもんですから、さらに面白い。まあこれも、作者自身が駅伝経験者であることも活かされているんでしょう(取材先には困りませんし、話が通じやすいですよね)。

 小学校駅伝編は、4巻までとなっています。そしてそれは12月28日発売。

 もう箱根駅伝に向けて、戦略的な販売計画ですねっっ!(☆∀☆)

 いやでも、これを読んでから駅伝見たら、本当に今までと見方が変わるかもしれないなあ、と思ったりしました。。

 駅伝ファンの人達には当たり前な戦略や駆け引きなのかもしれませんが、スタートとゴールしか興味ない人でも、なんか駅伝が見たくなってしまうかもしれない、、、そんな作品になっています。

  

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2016/08/19

上山道郎 「ツマヌダ格闘街」 全20巻 ヤングキングコミックス 少年画報社

 街全体で公式な<ストリート・ファイト>を行わせるという格闘イベントで街興しをしよう、という妻沼田市で、突然やってきたロシア系メイドさんの教えを受けながら、イラストレーター志望の青年が登録選手として戦うという、そんな物語が完結しました。

 上の説明だけだと、ゲーム系のストリートファイターを想像してしまうかもしれませんけど、中身は全く違います。というか、恐らく未読の人が想像している内容からは掛け離れているかも、と思います。

 武術指南のために突然現れたメイド姿のドラエさんは(ドラえもんじゃないよ!)、いわゆる古流武術の達人。それは日本人の祖父(拾われて彼に育てられた)から受け継いだものですが、それを運動すらマトモにできない、素人の主人公に、一つ一つ丁寧に、理屈もわかるように指南していきます。

 一見ヒヨワな主人公も、一つだけ特技があります。それはイラストレーターを目指す過程で培った<見たものを記憶する>ことと、それをトレースできる想像力。それを踏まえて、小さな事からコツコツと、少しずつのステップアップをしていくことになります。

 物語自体も第二次世界大戦後の、彼らの関係者の過去の紆余屈折やドラマが盛り込まれ、ストリートファイトも様々なタイプの相手が出てきますので、10年という連載でしたけど本当に飽きずに楽しめました。
 また、なんというかコメディー要素や何かも上手に入れてくれるので、堅苦しくなくウンチクを楽しめるというか、そんなところもあります。

 まあ、この連載が長く続いたのも、何というか古流武術やその他の格闘技の解説や、その指南を通じる中での<人体の不思議>と<人間はどこまで強くなれるか>を、非常に現実的かつ判り易く、そしてなんか普通じゃできない飛び技ではなく(・・といっても達人の繰り出す技は凡人には無理でしょうけど)、地に足の付いた”本物の格闘技”として魅せてくれたことじゃないかなあと。勿論、心理的な駆け引きまでも含めてです。

 そしてそれを支えているのは、実に破綻のない、正確な人物の姿勢や動きの描写じゃないかと思います。

 人が立っているだけの姿が、普通に立っているのと、”達人が立っている”のとでは、明らかに絵で見てわかるくらい、きっちりと描き分けられているんですね。かなり色々と取材したり、資料を穴が開くまで見て描かれているんだろうなと。。

 といっても、いくら写真や動画を見ても、人体デッサンや筋肉の付き方、関節の動きまでをよく理解してキッチリ頭に入っていないと、見ただけや想像、理屈だけじゃこうは描けないと思うんです。絵柄も劇画ではなくデフォルメされているわけですが、基礎としての人体デッサンの大事さをまざまざと見せつけられた気もします。

 そういう意味で、何というか武術・格闘技をされている人が読んだら、本当に面白いんじゃないかなあと思う次第です。

 格闘技のそれぞれの特徴や技の解説、人体のウンチク等々も実に楽しかったのですけど、この辺りを踏まえた新連載は、退魔モノでまた面白そうなので、そちらも楽しみにしております。

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2016/08/16

手原和憲 「夕空のクライフイズム」 全10巻 ビッグコミックス 小学館

 究極にマニアックな「美しく敗れる」サッカー漫画がこれにて終了です。

 ある意味、究極の<美しい>サッカーをしたんじゃないでしょうかね。。何かこう、泥臭くて汗臭いんですけど、どこか清涼感があるような、そんなスポーツ漫画でした。

 しかしまあ、、私はサッカーの知識は全くありませんし(試合をテレビで見る程度で、ルールはまあ判る程度)、登場する実在の海外選手やエピソードが本当にあったのかどうかも全く判りませんでしたが、なんでか面白かったんですね。

 これはそう、、「タモリ倶楽部」的な面白さというか何というか(笑)。超マニアが究極の内輪受けで、他の人の興味の範疇を超えて熱く語る、という手法はまさにそれでしょう。ある意味では、マニアック過ぎて視聴者おいてけぼりにもなりかねない究極の技ではあるんですが、けど素人が見ていても何で楽しめるかといえば、「語り合っている人達がとても楽しそう」という、極当たり前の景色を楽しむことが出来るから、じゃないかなあと。。(しかしまあ、どんなにマニアックな内容でも、きちんとノリを合わせてついていけるタモリさんの底力が勿論あるからこそ成立する番組、でもあるわけですが)。

 とにかくこの作品も、クライフに限らず読者おいてけぼりにマニアックな解説と、一般的な常識からはかけ離れた戦略や練習を通じて、いわゆる<サッカーの常識>を破壊しに掛かっているんですけど、飄々として掴み所のないカントクやコーチの雨ちゃんに翻弄され、今までの価値観をぶち壊されて右往左往する生徒達が、ある意味では何かを感じ、掴み取り、そして必死だけど楽しくサッカーをしている姿を見て、「ああ、彼らは楽しんでいるんだな」という妙な共感を感じたりするんですよね。

 まあ、世の中10mもジャンプしてボールを蹴ったり、ボールから炎が出たり電撃が出たりと何でもアリな競技の漫画・アニメもありますが(違)、そういうものも演出として楽しめるのであれば、この究極の<常識を壊しながら美しく敗れるサッカー>漫画も、楽しめるんじゃないかなあと。

 「美しく敗れる」のはいいんですが、じゃあ美しく敗れた先に何があるのか? 最後までそこは疑問符でしたが(逆にマニアな人は判っている結論だったんでしょうけど)、ちゃんと答えは用意されていました。

 ある意味、最初から最後まで徹底的にマニアックなサッカー談義に終始する漫画でしたけど、逆にスポーツ漫画をここまでマニアックに解説しつつ組み立てて、最後の最後までそのスタイルを貫き通している漫画も多くはないかなと(あるにはありますけどね)。

 何だか不思議なスポーツ漫画を楽しませていただきました。

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2016/07/19

天野こずえ 「あまんちゅ!」 10巻 BLADE COMICS マックガーデン

 一体、いつダイビングするねん!という感じで、メルヘンでファンタジーな世界の方が若干多い感じでストーリーが進んでいたんですけど(「アリア」の雰囲気的な)、こと「アドバンスド オープンウオーター」の資格を取ることになったこの巻あたりで、一気にスキューバダイビング尽くしというかダイビングまみれになってきてくれましたね。
 なによりヒロインの変化が良く描けているなあと。

 読んでいる人の中には経験者もいると思いますが、・・・実は私もアドバンスドを持っている「なんちゃってダイバー」です。とは言っても、取得したのが学生時代、社会人になってからは数年に1~数回程度、島に旅行したときに潜る程度なので、ちと経験という面では浅いですが。。
 ※毎度、初回は普通のオープン扱いにして貰い、インストラクターに付いて貰って思い出してます(汗)。

 当然、教本もよく読まれて、アドバイザーもいらっしゃると思うので、ダイビングの注意事項や危険も含めてほぼ完璧です。まあ、機材担いで地上を歩くのだけは、超重量級の機材をズタ袋で背負ったような感じになるんで、あんなに後ろ姿もシルエットも美しくはありませんが(まあ、マンガですから(笑))、そこを無理矢理差し引いても、ダイビングの楽しさや感覚は、うまく伝えているなあと思います。

 まあ、スキューバダイビングの一番のネックは、やっぱり価格でしょうかね。。
 ライセンスを取るだけでも、10万円弱(安いところはもっと安いですけど)はします。
 機材については、基本的にはレンタルでいいと思いますけど、やはり水中眼鏡だけは顔にフィットしていないと浸水しちゃいますので、そこそこ良いものを購入するといいと思います(シュノーケリングなら安物でもいいですけど、水深5~10m以下は水圧も掛かるので、水没すると不快です)。
 セットでシュノーケルも購入しておけば(排水弁付きの良いものでも2~5千円です)、シュノーケリングも快適にできます。
 そこに付け足すなら、脚ヒレ(フィン)ですね。スキューバダイビングをするなら、シューズと一緒に購入した方がよいです(岩場を歩くときにもシューズは便利。裸足の場合とサイズが異なるので、シューズに合わせる必要あり)。
 あとはどこまで填まって、お金掛けられるだけの魅力を感じるか、ですね。。
 フィンまで揃うと、次のコースは「ウェットスーツ」、そして「BC(浮力調整用のベスト)」、あとは「レギュレーター」。。と。
 ダイビング沼へようこそ!(・∀・)

 なお、、、危険なところへ行かない事が大前提ですけど、離岸流などに流されると、フィンを付けていても陸に戻るのが四苦八苦です。その時、フィン無しでは体力的に限界にきます。シュノーケルだけあれば溺れないというのは間違いで、海水に長時間浸かっていれば想像以上に体力を消耗しますので、力尽きて亡くなる方は沢山います(私の知人にも、ダイビングではなくシュノーケリング中に沖に流され、命を落とした方がいます)。

 けどまあ、、山でも遭難しますし、街中でも車に跳ねられますし、注意事項をよく頭に入れて行動していれば、仮に不測の事態が起きたとしても、対処して生還できますので御安心下さい(特にアドバンストでは、半分以上は緊急時や事故が起きたときにどう行動するか、というのを叩き込まれます。安全に楽しむためには、自動車の運転同様、危険を予知して、そしていざ何かあればどうすればいいか、頭の中で反復してシミュレーションしておくことが大事)。

 最近は、シルバーな世代のダイバーも増えています。ある意味では、体力は使わず、水中をプカプカ浮くだけですからね。陸へ上がる時だけヒーヒー言ってますが(笑)、まあ老若男女、誰でも楽しめるレジャーです。

 ちょっと脅し文句も書きましたが、危険と言われているところには近づかないなど、約束事を守って行動すれば本当に楽しく、感動できる場面にも出会えるスポーツですので、こういう教本的ではなくとも、きちんとした知識と楽しさを紹介してくれる漫画って、やっぱり有り難いなあと思います。

 アニメまで始まってしまいましたが(汗)、どこまでスキューバダイビングの楽しみ方を、危険な行為も含めて正しく伝えてくれるのか、それが楽しみです。

 ・・・実際には、インストラクター付きが前提のオープンウォーターより、アドバンスドを取得したての方が、ちょっと自信も付いて油断することもあり、危険な行動をしちゃう事があるらしいです。その辺りは、恐らく次の巻以降で扱ってくれるんじゃないかなあと。。

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2016/06/13

藍井彬 「DUEL」 3巻 ヤングガンガンコミックス スクウェア・エニックス

 そもそもド素人がフェンシングに通用するのか?という問題が初っぱなからありましたが、「天性の動体視力と反射神経」を見いだされ、一応最初のとっかかりはクリアしたというところ。

 傍目からだと非常に地味で、電光掲示板のポイントが追加されることでしか外野からは勝敗が判らない、テレビ中継だと本当に迫力とかそういうものが伝わりにくい競技な気がしますが、この作品の中では、フェンシングの基本的な技から、それを使いこなすだけではない、迫力と駆け引きを上手に描いているなあと思います。

 高校生ですから、みんなインターハイを目指すわけですけど、いきなり「日本一」とか「世界に通用する」とか、まだ関東だけなのに強豪だらけ(笑)。結構急激にライバルが量産されておりますが、それぞれ問題を抱えながら、強烈な個性を放っています。

 ちょいムチムチ感とお色気的な部分は強調されていますが(まあ女子高生のフェンシング部ですし、雑誌の色もありますし)、そこは若干アレな人もいるかもしれませんけど、そこを気にしなければフェンシング漫画としては、結構真面目に楽しめるんじゃないかなあと思います。

 本来の作品の書評とは別になりますが、、、まあ、、、印刷部数が少なすぎるのがとても困るんですよね。
 実は2巻の発版を完全に見落としていました(汗)。今回の3巻も、最後の”1冊”が、某大型書店の新刊書棚に1冊だけ置いてあるのに気がつき(発売が5/25だから2週間も経って(汗))、あと数日気付かなかったら、そのまま返本されて4巻発売まで気がつかなかったかもしれない。(勿論、誰かに買われるということもありますしね)。
 偶然、その書店には2巻が1冊だけ残っていたので、合わせて購入はできましたけど、余程大型の漫画専門店でも、この感じだとこの作品は置いていないでしょうね。。

 フェンシング自体もオリンピックで注目が集まるようになってきましたし、「目に触れない」ということで、こういう作品が埋もれて消えていくのが、とても残念な気がします。やんちゃな登場人物が多いですけど、結構真面目にフェンシングを描いていると思うので。

 というか、本気で危惧しています。あと何巻出させてくれるんでしょうね。エニックスさんは。。

 

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2015/10/29

こやまけいこ 「かわうその自転車屋さん」 2巻 芳文社コミックス 芳文社

 擬人化した動物が活躍する自転車まんがです。
 ・・・ってクオリティじゃないんですよね。自転車に対する入れ込み様が(笑)。

 4コマまんがではなく、1話完結のストーリー漫画になります。
 かわうそさんは自転車屋さんですが、ヒマだから(?)併設している喫茶コーナーの方が繁盛してしまい、常連客には完全に「喫茶店」と勘違いされています。一見さんもまず間違いなく喫茶店と思って入ってきます。
 そんな喫茶店・・じゃない自転車屋さんに、喫茶店だと勘違いして訪れるお客さん達に、マニアックな自転車談義をして嫌われ・・・ないけど、日々水浴びをしながら自転車談義をしたくてたまらない、かわうその店長さんのお話です。店員はヒツジのお嬢さん(脚力は半端なし)。

 動物ごとのスケールについては、一部は実態に近い感じで、かわうそ店長も小さく、お客さんの中にもリスなど小さなものは小さいままです(中~大の動物は、まあまあ同じくらいのスケールで描かれていますけどね)。それに合わせて、自転車も小さいものなども用意されています。
 
 基本はコメディーではありますが(だからあまり細かいところはツッコミナシで(笑))、出てくる自転車のうんちくは本物で、結構入れ込んでます。自転車の楽しさだけではなく、ある意味では辛さもあり、それをどうやって工夫すれば快適になるか、そして自転車ツーリングの楽しみ方など、常連さんや偶然やってくるお客さんなどとの交流のエピソードの中に盛り込まれていきます。

 ほのぼの系の皮を被っていながら、結構マニアックな部分もありますが、そこはかわうそ店長を虐げることで(違)、上手にお話の中に組み込まれていますので、それなりに自転車の知識や楽しみ方が読みやすくなっていますね。そして各エピソードやドラマも、結構よく練られているなあと思ったり。多少重めの内容でも、かわうそ店長の脳天気な明るい性格で、なんだか解決してしまうという(勿論、それ以外の脇役キャラも沢山活躍してくれますし)。

 そんな感じで、自転車が好きな人にも、自転車自体が特に好きではなくとも、誰にでもほのぼのと楽しめる作品になっているなあと思います。

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2015/07/14

珈琲 「のぼる小寺さん」 1巻 アフタヌーンKC 講談社

 なんだか表紙も気になりますけど、中身の方がもう凄い角度からグイグイと来ます(何が?)。

 特に1話目はもう血走った男子高校生の視点から、凄いことになっていますけど(何が?)、とりあえず掴みはOK!ということで、それ以降のお話の流れは、一人の女子高生の日常的なお話になってきます。

 ボルダリングはCMでも出てきますし、そこら中に室内にカラフルな取っ手を付けた練習場が出来てきているので、名前は知らずとも見かけたことはありますよね。大型ショッピングモールに入っているスポーツ用品店なんかの中にも施設が設けてあったりします。

 そんなボルダリングに真剣に取り組む、金髪女子高生の小寺(こてら)さんの日々を、第三者の視点から描いていく、そんなお話です。

 金髪で尋常じゃない集中力で壁に取り組む姿を見ると、なんか他人を寄せ付けないような雰囲気のキャラ?とか思ってしまいますが、話が進むにつれて、そんな見た目とは違い、とてもいい子(いろんな意味で)であるということが、周囲の人々の視点から描き出されていきます。

 練習前には必ず早く来てマットを清掃していたり、物静かだけど、他人と関わり合いになれば、言葉少ないながらも嬉しそうに対応するし、そしてラーメン好きだし(違)。

 ボルダリング自体は、誰もがほぼ知っているけど、実際にやったことがある人はまだ少ないスポーツ。そんなスポーツを、細くて柔らかい体と関節を駆使して、凄いこと(だから何だ!)になりながら教えてくれる、そんな雰囲気のよい作品です。

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2015/07/11

藍井彬 「DUEL!」 1巻 ヤングガンガンコミックス スクエア・エニックス


 若干、表紙でヤラレました。。

 虐められながらも学校に通う一人の女子高生が、ある日、フェンシング+とある女性に出会います。そしてそれをきっかけに、ド素人の彼女がフェンシング部の門を叩くという、そんな流れのお話です。

 スポーツが特に出来るわけでもなく、虐められていることも親にも誰にも言えず、一人で抱え込んでいた少女が、美しいフェンシングの動きに惚れ込む訳ですが、、

 いや何というか、表紙も引き込まれるような美しさがありますけど、中身も美しく描かれているなあと。。

 ある意味では、端から見ても一瞬で勝負がついてしまい、しかも動ける範囲が直線上で紐がくっついてる(判定用のセンサーのコードですね)、パッと見た感じは派手とも言い切れないスポーツじゃないかなと思います。日本人選手の活躍で、かなり脚光は浴びつつありますが、試合を中継されても、遠目でカメラ越しに見ていたら盛り上がりにくいなあ、、と。

 それを漫画で美しく描けるって、ある意味凄いなと思ったり。。
 まあ、女性ヒロインをメインにしているという部分もありますが、それ以上に直線的な動きも多く(という先入観かも?)、勝敗も判りにくい競技について、その競技の内容などの説明も含め、魅力的に描かれているなあ、、と思いまして。

 フェンシングの剣も、思っていた以上に重いんだなあ、、とか、グネっと曲がるから衝撃はさほどでも、と思っていましたが、相当の衝撃があるんだなぁとか、あまり知らなかった競技だけに、結構カルチャーショックもあったり。

 ド素人で雑巾がけを頑張る主人公は、負けず嫌いの根性だけはあり、そしてそれなりの才能も秘めているかも?という感じで1巻は終わります。

 というか、練習試合とはいえ、、、、2巻はまだ先のようですが、どんな展開になるやらです。

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