C_妖怪

2018/01/29

水上悟志 「二本松兄妹と木造渓谷の冒険」 全1巻 ヤングキングコミックス 少年画報社

 何というか、たった1冊の単行本に、先の全く読めない物語を1本の映画のように押し込めた、一人の少女を巡る退魔師と拝み屋の次元を超えた戦い(?)を描く、冒険活劇作品です。

 全1巻に、よくもまあこれだけ色々と詰め込んだみたいな感じがします。けどそれが破綻なく構成され、様々な場所に散りばめられた伏線が、物語の流れの中で回収され、見事にまとまっているんですね。

 何というか、2クールのアニメを総集編的に映画化してギュッとまとめたみたいな、ある意味でそんなテンポの良さと、次々と現れてはきちんと回収されていく伏線の巧妙さを楽しめる感じがします。

 とにかく何というか、まずはスピード感です。それでいて実は世界観のベース設定は複雑ながら細かいんですね。退魔師と拝み屋って、そもそも似たようなもんじゃんと思われそうですが、実は(この作品の中では)明確に区別されており、そして本来は退魔師の方が偉いようなんですが(という設定)、ある”少女”を巡って彼らが敵対することになると。

 出てくる妖怪といっても、どちらかというと「神様」に近い位置付けですね。タイトルにある「木造渓谷」は、彼らの住み処とする別次元の世界といったところです。というか、退魔師の使いで大量に出てくる”スズメ”がよーわからんですが(笑)、、あ、あれは式神か。

 基本的にドタバタ・アクション・コメディーといったところですが、何というかこのスピード感とまとまり感で、ちょっと読後がすっきりな作品ではあります。

 まあ、続きは出ても出なくてもいいんですけど(けど、こんだけ贅沢に設定した世界を、単作品で終わらすのは少々勿体ない気も?大盤振る舞い?)、とりあえず「単品」で楽しめる事は間違いないかなあと。
 

続きを読む "水上悟志 「二本松兄妹と木造渓谷の冒険」 全1巻 ヤングキングコミックス 少年画報社"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/09/29

佐藤さつき 「妖怪ギガ」 1巻 少年サンデーコミックス 小学館

 色々な時代の様々な妖怪についてオムニバス形式で描いた作品ですが、切り口は結構明確です。

 江戸時代もあれば明治時代、そして現代も含めて棲息している各種妖怪について、ちょっとコミカルに、しかしある時は少々怖い展開も含めて描かれていますが、この作品の中であえて「怖い存在」として描かれているのは、<人間>の方です。

 ある時代では妖怪と称せられるものは迫害、駆除されたり。。妖怪達は勿論、人を喰うものもいますが、「自分達の与えられた仕事(?)」を、ある意味ではとても純粋にこなしている、そういう存在として描かれています。

 そんな純粋な彼らに対して、人間は平気で裏切り、そして妖怪を退治しようとするわけですね。

 ある意味では、妖怪側の視点で全てが描かれている訳です。そこからある意味では”妖怪愛”というような評価もあるようですが、あくまで<視点>、<立ち位置>の問題のような気もします。人間の視点もある程度は入って来る部分はありますが、その<妖怪からの視点>を徹底しているところが、この作品の特徴とも言えます。

 妖怪の側の視点から描けば、どう転んでもこの作品のように<人間は酷い>という描写にはなってくるかなあと。まあそもそも根本として、「なぜ妖怪が存在するのか?」という根源までは触れてはいませんけど、別にそれが判らなくても、そこらの小動物のように存在していて構わないわけです。

 そこらの小動物の視点から描けば、やはり同じように「人間って酷い生き物」ということになっちゃうでしょうね。。ただ、まあ妖怪の方がある程度、考えることが出来るというか、知能のようなものはありますので(人間型の妖怪なんかは、人間そのものですし)、物語としてはこちらの方が色々な事ができると思います。

 ある意味、、真面目で純粋な妖怪達に対して、人間って本当に身勝手で恐ろしい存在なのかもなあ、と改めて考えさせられます。。
 

続きを読む "佐藤さつき 「妖怪ギガ」 1巻 少年サンデーコミックス 小学館"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/09/19

おとうさん 「美味しい妖」 1巻 ガンガンコミックスONLINE スクウェア・エニックス

 気になっていた同級生をつけていったら、小料理店が実家だった訳ですが、その小料理屋で扱っている食材は、実は「妖怪」、、つまり「妖(あやかし)」であったという。。

 妖怪料理をこよなく愛する女子高生と、いつの間にやら色々な妖怪を”まかない”で食べまくる事になってしまった、そんな高校生の日々を描く、グルメというのか妖怪ものというのか、なんだかちょっと変なベクトルの作品です。

 妖怪を食べるといっても、妖怪同士で喰い合うような漫画はあまたありますが、この作品の場合には、妖怪は完全に「小動物」というか「ジビエ」に近いような食材であり、煮る、焼く、揚げると調理をして食べるとゆー主旨です。

 食材となる妖怪は、普通には眼に見えないものですが、実際にはそこら中に浮遊していたりします。まかないを食べ続ける主人公も、やがて”見える”ようにはなってきますが、設定は色々と細かいながら、破綻せずにいけるのかな?という老婆心もあったり。。

 まず「人型」の妖怪は食べない、ということになっています。倫理的に・・・という事になってますけど、この線引きってどこまで通用するのかな?
 これから先、そういう「人型」の妖怪との軋轢が生じる可能性がありますが、まあその辺りも折り込んでの作品設定というか構成になってるんでしょうかね。妖怪だって現在では絶滅危惧種みたいなものも居るでしょうし、食べる事に反対する団体だって出てくる・・・のかな?

 とまあ、料理にされる妖怪の設定は、結構練ってあって面白かったりもするので、設定負けしないような物語になっていくといいなあ、と思ったりしました。
  

続きを読む "おとうさん 「美味しい妖」 1巻 ガンガンコミックスONLINE スクウェア・エニックス"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/21

藤栄道彦 「妖怪の飼育員さん」 2巻 BUNCH COMICS 新潮社

 様々な妖怪を集めた動物園ならぬ「妖怪園」のようなものがあったとしたら。。

 そんな妖怪園の一つである「西東京妖怪公園」に就職した新人飼育員の奮闘を描いた作品です。

 妖怪物も色々とありますが、切り口が結構面白いんですね。妖怪といっても知能が高い、低いという区別は存在します。それについては切り分け、知能の低い、本能に従ってしか動かない小さな妖怪などは動物扱いで、生息に適した環境を再現して「飼育」となり、知能が高い妖怪については、展示に協力して貰うということで「契約」して居てもらう、というスタンスでのお付き合いとなっています。

 まあ、性質からして気難しい所も多々ある妖怪も多いですが、そこはそれに応じて対応し(時に失敗しまくり)、そんな感じで色々な妖怪が、色々なトーンで描かれて行きます。

 現在の生活風習には合わない妖怪などは「絶滅危惧種」扱いとなり、生活様式を園内に再現することで保全したり、生理的要求(?)を満たすために、あれやこれやと工夫をしてあげるという、そんな感じですね。

 ちなみに当然ですが海外の妖怪、怪物等も登場します。この2巻ではケンタウロスが登場していますが、海外にも同様の施設があるという設定で、自分の意志で引っ越してきたことになっています。

 妖怪が大暴れして大災害、というような描き方ではなく、ある種の<生物>、または<特殊な趣味趣向を持っている人>というような形で描かれていますので、なかなかホノボノとしたコント&落語的な趣のあるコメディー作品になっています。

 こういう妖怪の描き方も、面白いですねえ。

続きを読む "藤栄道彦 「妖怪の飼育員さん」 2巻 BUNCH COMICS 新潮社"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/09/13

ツナミノユウ 「つまさきおとしと私」 全2巻 KCx ITAN 講談社

 なんと・・・。全1巻かと思いきや、続刊がでました!
 けど、新刊案内に出ているのに、延べ5軒くらい本屋を探してしまいました。。 KCxなら青年コミックかと思ったら、ITANだからジャンル的にはレディース系なのですね(汗)。そりゃ見つからんわ。

 靴のつまさきを切り落とす妖怪「つまさきおとし」と、唯一、その小さな妖怪が見える女子中学生、長妻 咲の、、、熱愛・・・??

 ぶっちゃけ、神出鬼没な妖怪を、それを上回るストーキング能力によって追い続け、つまさきを切る行為を”愛のまなざし”で解説し、そして”愛によって”追い詰めていく、、、妖怪の「とし君」は日々、その精神攻撃に耐えながら自問自答するという戦いを強いられる、、、、という、サイコホラー作品です(違

 その果てには互いに存在しなければ生きていけなくなる、という<大いなる勘違い>というより、<精神的に追い詰められた者の末路>に行き着く、、、のか?? な、ある意味では凄い漫画だったりします。

 まあ、1巻からそうな訳ですけど、何か気まずいけど口に出せないもどかしさを感じている、あるいは他の人に感じさせる行動をする人のつま先を、意味もなく切り落とす不条理な妖怪が主人公だった・・・筈ですが(数話くらいまでは)、話数が二桁もいかないうちに、完全に超能力でもあるんか!というくらいなストーカー少女に追われ続け、精神的な駆け引きを常に強いられる妖怪を描くことになるという、本当に”サイコホラー”に近い作品になり、2巻ではある意味、その<総仕上げ>とでも言うべき「追い詰められた人間(妖怪)の思考を完全に崩壊させ、洗脳した結果は・・・・?」に至るという感じです。。

 けど、ある意味では純愛というか、全てを捧げる愛を体現し、それに感化されていく葛藤の過程を描いている、とも言えそう・・・ですけど(どこかこう、思いやりや気遣いも芽生えていくという)、やっぱ何か根本的な部分で間違ってると思います(笑)。

 ラストはある意味、”きょとん”としたオチとも言えるかもしれません。人によって評価は分かれるかもなあとも思いますが、そこまでの積み重ねてきた流れを踏まえれば、互いに<永遠の愛>を手に入れた、、、のかも? という意味なのでしょう。

 やっぱ何か大きく間違っている気がしますけど(笑)、本人達がよければそれでいいんでしょう、とゆーことですね。

 巻末には、「蝉丸残日録」とのコラボも”自虐的”に掲載されています。

 いずれにせよ、次回作に期待ですです。

 

続きを読む "ツナミノユウ 「つまさきおとしと私」 全2巻 KCx ITAN 講談社"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/07/13

メイジメロウ 「お客様は神様です。」 2巻 シリウスKC 講談社

 とあるコンビニに勤める”訳あり”の酒呑童子の娘しゅららと、彼女に振り回される同僚、ダメダメ店長、不良(?)兄貴と共に、コンビニに訪れる迷惑な神々(?)との絡みを綴った、ドタバタコメディーです。

 まあ、出入りするものが皆さん神がかっていたり妖怪じみてるわけですけど、どれもこれもモンスターでクレーマーな迷惑な客ばかり。神通力やら何やらを駆使してコンビニ相手に無理難題やら迷惑行為を繰り返す訳です。

 だがしかし!それに「お客様は神さまです!」という信念の元、客の期待に応えようとするヒロインが無意識のうちに神通力を発動し、期待以上のおもてなしをする、、、、つもりが、いわゆるモンクレへの<神対応>といった内容もあるものの、最悪は<破壊行為>にしか至らないという、そんなドタバタな日常を描いています。

 1巻辺りは、神がかった(?)トンデモ客が毎回訪れ、コンビニがてんやわんやという日常を描くだけのコメディーという雰囲気でしたが、やはりヒロインの神通力の関わり方が半端ないんですね。客も客で嫌がらせっぽい行動ばかりするんですが、その行為に対しても<お客様のお望みに応える><お客様の御迷惑にならないように>をモットーとして、生真面目に対応しようとするヒロインが、結局はトラブルを増長させて解決したりしなかったり、という感じの繰り返しになるわけですが、この「お客様の望みを(無意識に)叶える」という神通力が曲者で(笑)、1巻あたりではコンビニ群像コメディー的な雰囲気だったのが、2巻では完全に<物語の主役>として進化した、という感じになってきました。

 何というか迷惑行為と彼女の神通力の相乗効果で、迷惑な行為がさらに”大迷惑”になっていくという、その流れが結構工夫されていて面白いなあと思いまして。借金のために働き続ける(何百年も)というあたりがいいなあと。
 あと、迷惑行為を行わせるために、色々と解釈を曲解させた神々のキャラ設定センスも、若干罰当たり感もあるものの、「あくまでソレっぽい方なだけで、本物じゃないですよ~」的な雰囲気で逃げ道を作りつつ(笑)、上手にアレンジしてるなあと。2巻から登場する”金太郎”のアレンジも、なんかまあ普通思いつかない設定アレンジだよなあと思います(笑)。

 1巻ではそうでもなかったんですけど、2巻になってヒロインをより全面に押し出すようになったことで、俄然面白くなってきた感じもします。何より相乗効果によるドタバタ感が増した、というところもあるんでしょうかね。ちょっと続きが楽しみになってきました。

  

続きを読む "メイジメロウ 「お客様は神様です。」 2巻 シリウスKC 講談社"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/06/28

倉野ユーイチ 「オネェ吸血鬼と笑わないメイド」 1巻 Ruelle COMICS 実業之日本社

 なんかもう改めて説明をしなくても、タイトルが全て表しているような、、、そんなコメディ作品ですね。

 1ヶ月という期限付きながら”吸血鬼の館”への住み込みメイドとなった鉄仮面のように無表情な少女と、オネエ風で異様に女子力が高いわ、血は吸わないわ、十字架ニンニクなんでも平気、けどコウモリは苦手という、吸血鬼としてのアイデンティティーが犬歯(牙)くらいという、不可思議な主(あるじ)との共同生活が、広い屋敷の中で始まるわけですが、、、

 吸血鬼の主ですら、常識から逸脱している状況ですが、怪力でもないのにヒロインであるメイドの破壊力(意味深)は輪をかけて半端なく(言い過ぎ)、そんな彼の秘密をつけ狙う魔女や、やたら落とし物が多いフランケンなどなど、いろんな意味でへっぽこな脇役達も絡めて、四六時中ドタバタが絶えない、そんな感じであります。

 けどまあ、吸血鬼である彼が”なぜ”血を吸わないのか、その辺りの深い謎は、後半の若干シリアスな展開の中で明かされていきます。コメディーといいながら、結構設定がしっかりしていて深いなあという感じもあり。

 というか、登場人物すべてがどう考えても「訳あり」で、メイドな彼女にも当然の如く秘密があるわけですね。。

 というわけで、ドタバタと楽しく展開しつつ、ちょっと訳ありなシリアスな設定も混ぜ込みながら楽しめる作品かなあと。

 各々のキャラ設定が、そういう裏設定に基づいているので、なかなか展開は読めないながらも安定感もあり。なかなか先が読めないながらも、・・・といいつつ、まあ、数十年前の出来事のあたりは、読んでいけば想像できる展開ではありましたが(笑)、ちょっとした謎解きも絡めて楽しめるかなあと思います。

 しかし。。。彼女の”血”はなぜあそこまで激マズなんでしょうねえ、、、

 まあ、それもそのうち解き明かされる伏線のうちの一つなんでしょう。

  

続きを読む "倉野ユーイチ 「オネェ吸血鬼と笑わないメイド」 1巻 Ruelle COMICS 実業之日本社"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/04/21

OTOSAMA 「西遊筋」 1巻 モーニングKC 講談社

 説明するまでもなく、「西遊記」のパロディ系ギャグ四コマになります。

 表紙の勇壮な姿の筋肉マッチョな三蔵法師が、なぜか性別が女性になってるエロエロな孫悟空、猪八戒、生真面目故に振り回される沙悟浄その他を従えて、天竺を目指すという物語であります。

 若干、エロ・下品方向に振られたアレンジがされていますけど(・・・若干かなあ?)、物語の順序やベースについては原典にかなり忠実に描いている(つもり)とのこと。けど、いろんな意味で、筋肉&読経の合わせ技で破戒僧と化した無敵の三蔵法師に、積み上げたストーリーをことごとく破壊されまくりですけど(笑)。

 三国志自体、まあベースとなるキャラの性格付けがしっかりし、大体のストーリーも大方の人が(各種アレンジされた作品やパロディなども通じて)知っているので、いろいろと料理のしがいがあるタイトルではあります。

 筋肉野郎な三蔵法師というのも、そんなあまたある西遊記パロディの中には恐らくあるとは思いますけど、ある意味では純真で、それゆえに真面目バカで、お供なんて要らんやろというくらい<無敵な>三蔵法師の設定はないんじゃないかしら?
 そこに異様なくらいエロエロな悟空や八戒が、原典を踏まえたり踏まえなかったりしながら、色ものの限りを尽くすという、ある意味では破壊的な展開になっています。沙悟浄は本来の原典に近い記憶を持っているという真面目君な位置付けですが、いろいろと異様に違うこの平行世界で、逆に電波扱いされることになるという。。

 まあけど、全てが規格外の三蔵法師の存在が、この作品の全てでしょうかねえ。。
 まあ、そんな感じで色んな意味でアレンジを楽しめる作品かと。

 如意棒は一体何に使われているのかとか(お

続きを読む "OTOSAMA 「西遊筋」 1巻 モーニングKC 講談社"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/08/13

ツナミノユウ 「つまさきおとしと私」 全1巻 KCx 講談社

 なぜか靴のつま先を切り取るという、小さな妖怪「つまさきおとし」と「私」、こと”ストーカー”の戦いと敗北を描く、シュールな小作品、、、、、です。

 1話が2~4ページ程度の読み切りになっています。コマ割が少々小さいのでB6版では若干読みにくいですが、本来はA5版くらいの方が良かったんじゃないかしら?

 普通の人には見えない小さな妖怪「つまさきおとし」は、彼を見ることができる少女のつま先を第1話で切り落とします。その時、見えていることに慌てて、捨て台詞のように「○○してたから切ったんだからな!」と言って去ったのが、この物語の全ての始まり。

 それ以降、その「つまさきおとし」の行く先々に少女は現れ、なぜその人のつま先を切ったのか、禅問答のように問い続けることになるわけです。。

 もうどっちが妖怪だか、、、2話目以降、すでにもう本来の主旨(って、そんな大したものないですが(汗))から脱線し、そして暴走を始め、しまいには妖怪の精神崩壊にまで至るという感じで、、、


 すとーかーおそるべしっっ

 という漫画です。多分。  (←かなり違う)


 しかしまあ、日常の”あるある”な事象を取り上げながら、どんどん追い詰められて「いくつまさきおとし」と、どんどん妖怪化していく少女、、
 しまいには”しゃがんでる少女につま先に話しかけられると、つま先が切れている”という都市伝説まで生まれ、この徹底的な暴走ぶりは半端ないですなあ。。

 追い詰められていく「つまさきおとし」を見ていると、なんだか普通に可愛くて可哀想な生き物、という感情しか出てきません。

 がんばれ「つまさきおとし」!


続きを読む "ツナミノユウ 「つまさきおとしと私」 全1巻 KCx 講談社"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/06/29

柴田ヨクサル 「妖怪番長」 1巻 イブニングKC 講談社

 冒頭から説明を吹っ飛ばし、いきなり新任先生の口から出てきたのは「では、クラスの番長を決めます」という発言。

 実はそのクラスに集められたのは、色々な特殊能力(かなり役に立たないものも含む)を持った小学生達。
 なんだか妖怪ウォッチよろしく、しょーもない能力を持った少年少女の中に、実際に妖怪とすら戦うことも可能な、そんな能力を持った少女達がいました。。

 初っぱなから説明抜きで暴走を始める感じで、物語は走り始めます。
 読者を引き込む技というか、演出が凄いなあ。。

 校長先生を狙って現れる、本当の妖怪の襲撃され、1巻後半からはもう能力戦の様相に。

 3頭身で頭でっかちの子供キャラ達も、妙に全体の異様さを助長している感じです。

 能力バトル戦ではあるんですが、一部を除けば強烈な破壊力を持った攻撃ではないので、「いかに上手に能力を使いこなすか」が勝負の分かれ目であり、演出の活かされるところ。
 そういう意味で、この作者の作品は、とにかく魅せ場に持っていくまでの演出や仕掛けが本当に上手いですよね。

 突っ走る状況の中で、徐々に学校が置かれた状況は説明されていきますが、まだ始発駅から電車が発車したところ、くらいな感じで、まだまだ謎だらけ。

 けど2巻以降も読みたくなっちゃうんですよね。。不思議不思議。

続きを読む "柴田ヨクサル 「妖怪番長」 1巻 イブニングKC 講談社"

| | コメント (0) | トラックバック (0)