グレゴリウス山田 「三丁目雑兵物語」 上巻 ソノラマコミックス 朝日新聞出版社
物語は、平和な街にぽつんとあるアパートを引き継いだ青年(大家)の元に、ナゼか足軽(女子)が現れ、、、、、戦国時代からのトリップモノかと思いきや、、、、
あとからゾロゾロと集まってくるのは(湧いてくるという表現の方が適切)、ヨーロッパの騎士団からアサシンからスパルタからアステカの戦士から傭兵の詰め合わせから、世界中の歴史上の「雑兵」(なぜか全部女子)がアパートに集い、家賃を滞納しながら棲み着き、アパートを壊したり街中で不貞な輩を追い回したり、、、それぞれの信条の赴くままに暴れ回る、、、という、なんかもう書いていてもカオスなお話です(笑)。
新キャラについては、毎話ごとに追加されているという贅沢仕様。しかも1人ではなく複数現れる事もなので、無駄に溢れかえる登場人物だけでもカオス感満載です(笑)。
さらにそこに歴女である妹君も参戦し、歴女の群れに囲まれてのマニアックな質問攻めに翻弄されてたりと、途中のそれぞれの解説(作者のフィルターが掛かってます)もさることながら、歴史もの、しかも「戦士」だけに特化したコメディーとしては、「無駄撃ち」しまくりな作品ですね(笑)。
まあそんなカオスな状況ながら、大家である主人公が案外のほほんとした性格なので、ドタバタとのんびりのバランスが取れた、ほのぼのとした雰囲気にまとまっています。
歴史上で名高い”戦士”と言われていた人達が、どんな装備と信条、歴史的背景を背負っていたか、楽しく学べる訳ですが(学校のテストや試験には何の役にも立たないと思いますけど(笑))、なんか足軽のくせにおにぎりよりハンバーガーが好きとか、戸籍もないのに何で学校行けるねんとか(笑)、歴史的な思い込みへの皮肉と、不条理がごった煮になっている感も満載です。
この作品自体、単行本になるとは思っても見なかったようで、悪く言えばその場のノリで描いていた部分も多いようですが、それはそれで材料をとにかく混ぜたら何か食べれそうな料理が出来ました感が出ていて、楽しく偏った歴史的トリビアが学べるという楽しさがあります。
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