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2018年5月

2018/05/18

島崎無印 「放課後コラージュノート」 全1巻 角川書店

 高校生からちょっと大人までの”青い春”について、オムニバスに綴った短編集ですが、それぞれの物語は、少しずつ登場人物が関連して繋がりがある、という形式を取っています。

 ストーリー自体はそれぞれ奥ゆかしいというか、ちょっと気恥ずかしくなるような青春ものですが(笑)、サラッと爽やかというか、婉曲的な駆け引きの末に大団円となり、その先は想像にお任せ、といった作りになっています。

 普通に短編集としても読めつつ、それぞれの登場人物の脇役がその先の主人公となっていたりと、1冊の本としての構成も楽しめるといった感じで、そこに一捻りがあると。そういう異なる物語をそれぞれ紡いで構成されていることが、本のタイトルである「コラージュ」という言葉で表されている訳ですね。

 強いインパクトよりは、描いていない部分で読者の想像を掻き立てるという感じの作品なので(それぞれの物語の間も含めて、行間を楽しむというか)、何というかサラッと甘酸っぱさを楽しませてくれるという感じの作品かなあと思います。

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2018/05/16

泉ウラタ/吉田真侑子 「死神にだって、愛はある。」 1巻 ノース・スターズ・ピクチャーズ 徳間書店

 死者の魂を天国に導く”死神”が、権限を過剰に駆使して人々に時間を与える。その時間は「30分30秒」。  決められた死にはあがなえませんが、人々は突然与えられた「30分30秒」で、何をしようとするのか。。  オムニバス形式で、「30分30秒の使い方」とその与えられた時間で考え、得られた何かについてを綴った、そんな作品です。

 この「30分30秒」は、必ず誰にでも与えられるべきものではなく、「特別な場合」に限って与える事が出来るもの。それをとある死神が、全体に対してどのくらいの頻度かは判りませんが「連発」するわけですね。

 彼らは死に行く者の側に”産まれた時から”つきまとい、それぞれの人生を共に眺め、そして一緒に過ごして行きます(そういう意味で、時空は超越した存在ではありますが、そこはサラッといった感じ(笑))。

 それぞれの物語に登場する人々は、必ずしも未練が残るというニュアンスとはまた違うのかもしれません。けどやり残したこと、自分が付けたかった落とし前について、その「30分30秒」という非常に短い時間の中で、それぞれやり遂げていく事になります。

 物語のパターンは、ある意味で無限にあると思いますが、その「30分30秒」までに至るプロセスが、そしてそれを使ってやり遂げる何かが、一つずつ丁寧に綴られている、そんな感じのお話でしょうか。

 まあ、ちょっと過剰に権限行使しているだけに、すでに1巻目から「お目付」が付いちゃったりして目を付けられている死神くんが、あとはいかに上司も納得のいく「理屈」を作り出していくのか。。

 ネタもそうですが、物語の構成力や説得力、そして読者が納得できるようなシチュエーションが準備できるのか、、結構縛りのキツイ作品な気がとてもしますが(汗)、少なくとも1巻については、それぞれが上手に構成されているなあ、と思いました。

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2018/05/11

コミックス(漫画)新刊単行本の発売日チェック方法など

■新刊発売日のチェックってどうしてます?

 日々発売される新刊単行本をどうチェックするか、これは多くの人が抱える悩み・・・・でもないか?
 私は日々、真剣に悩んでいるわけですが(汗)。

 非常にざっくりと考え得る対処方法を書けば、以下のようになるかと思います。

 ①毎日、本屋さんを覗いて新刊コーナーをチェック

 ②発売日リストを本屋さんの店頭またはネットでチェック

 ①は毎日行けるか、という大問題もあるわけですが、毎日行けても駄目、という問題が浮上しているのが昨今なんですね。
 つまり発売日に行っても、該当の新刊本が並んでいないケースが多発しているからです。

 ・・・というか、普通に卸問屋から1~数冊しか配本されない本などは、誰かが買ってしまったら補充はまずされないため、発売日の翌日、、、いや当日に行っても出会えない可能性が非常に高くなっています。それで見落とした新刊本が一体何十冊あったことか・・・。

 上記をさらに面倒にしているのが、「最終巻問題」です。最終巻は、その前の巻の売れ行きが判っていることから、それと同じかより少ない最小限の数しか印刷・配本されません(マーケティング上は当然のお話です。前の巻が1万部しか売れてないのに、2万部も最終巻を刷る印刷会社はないでしょう)。そのため、最終巻が出ているはずなのに見つからない、あっても1冊か2冊、という案件が多発します。今年だけで、最終巻が見つからずに彷徨ったものは、4~5冊くらいあります。

 そもそも①は近所や行動範囲内に本屋さんがあることも前提になっていますが、地域内に本屋さんが一軒もない地方自治体も増えているのも実態ですよね。

 そうすると自ずと②を併用するしかなくなるわけですね。

 その昔、太陽出版というところが、毎月の発売日リストを公表していましたので、それをチェックするのが毎月中頃の行事でした(エクセルに貼り付けて興味のある本だけに編集し、それを日付順でソートして持ち歩いていた)。が、御存じのように太陽出版はもう公表はしていません。
 似たようなリストを公表しているサイトは複数ありますが、WEB上で読むのに特化していて、画像が重い、リストも複雑で使い勝手が悪く、、、、さらに言えば、毎月800冊分を総チェックするのは、時間的にも労力的にもなんか面倒になってきまして。。

 じゃあどうするか?


■コミックス単行本の新刊発売日を漏れなく把握する方法(暫定版)

 そこで今はどうやってチェックしているか、私の方法を書いておこうかと思います。

ナタリーの「本日発売の単行本リスト」を確認

 ナタリーでは発売日に、「本日発売の単行本」のリストを掲載しています(毎日9:00頃)。
 私は「本日発売の単行本リスト」で検索した結果をスマホでブックマークして、本屋に寄れる日にチェックしています(何日か行けなかった場合には、数日分をまとめてチェック)。
 
 余所に掲載されている月別の全発売リストは、毎月800冊以上分と膨大すぎて確認も編集も手間ですが、これは1日分に切り取ってくれているので、発行されるコミックス単行本全てが掲載されていても、チェックがとても楽です。
 そして何より、テキストベースのリストなので、表示も重くないと。

 欠点としては、翌日発売の単行本は確認できない、ということで、明日発売するコミックスのチェックには使えません。また角川書店などは「書籍扱い」のため、発売日の1~数日前に新刊が店頭に並ぶことになるので、そことのタイムラグは生じます(発売日前に並んでいたはずなのに見落とし、数日後に気がついて探し回ることも多々)。

 そういう欠点はあるものの、総じて役に立っています。

ベルアラートに作者or作品タイトルを登録しまくり

 ベルアラートは、登録制のコミック等の発売日をお知らせするサイトで、スマホ用のアプリも提供されています。

 細かなところはサイトの説明を読んで戴いた方がいいですが、ここでは作者又は作品をボタンでアラート登録ができます(トップページにボタンが並んでいるはず)。検索条件でアラート登録するには、プレミアムユーザー登録(有料)が必要ですが、作者名、作品名別の登録は無料アカウントでも登録が可能です。
 私は無料会員のままで使っていますが(ベルアラートさんには不本意と思いますが(汗))、登録できる作者&作品数に制限がないので(多分)、数えていませんが恐らく数百人分の作者名を登録しています。

 他のサイトでも似たような登録ができるところが以前あったのですが、そこは登録できる数が100個までと限定されていたため、作者名を登録していったら「ア行」だけで終わってしまいました(汗)。(「お」までも行かなかった気がします。。)

 ちなみに無料登録を推奨しているのではなく(大汗)、プレミアムユーザー登録をすれば、Googleカレンダーとの連携や除外条件の設定、広告の非表示など、メリットも色々とありますので、サービス内容は各自で御確認ください。

 登録が面倒という部分は多少はあるんですが、最初にざっと登録しておきます。私はパソコン用のWEB上で、それでちまちまざっくりと登録していきました。
 結局、数百人分なので、私は数日以上掛かりましたが、、、

 登録された作者(or作品)の発売日又は予約可能な日になると、メールやスマホアプリで、「発売開始」や「予約開始」について通知が届くことになります(案外、予約開始なども「あ、これ出るのか」という感じで意識できるので便利です。発売日だけでいいなら、登録時の設定で選択が出来るようになっています)。

 欠点としては、ナタリーと同様に角川書店などの書籍扱い本の通知が遅れることと(まあ大した問題ではありませんが)、登録された作者なり作品しか表示されない&通知されない、ということです。そのため、登録漏れの作者の作品などに、店頭に行って初めて気がつくという事も結構ありました。

 ただこれは、①の「ナタリー」のリストも併用してカバーが出来る問題ですし、PCサイトには月別の発売日リストも掲載されています。カレンダーと連動して、日別のリストとしても使えます(こちらはナタリーと異なり、翌日以降もチェック可。画像も出てくるので少し重いし一覧性が悪いですが)。

 そして、ナタリーで気がついたり、店頭で気がつく度に、漏れていた作者名等を登録していくと、当然ですが次巻はちゃんと通知が届くようになります。

 まあこれは、「通知リストを育てる」ってイメージでしょうかね。

 その作者の全ての作品の情報は不要と思えば、「作品別」の登録にしておけばよいということになります。その辺りは各個人の使いようですね。

 初めて店頭で出会った作品なども、同様に気になれば登録していきます。そうすると「最終巻が出たのに気がつかなかった」問題など、販売部数が少ないコミックスのチェック漏れ対策については、ほぼ完全に解決ができます。


■コミックス新刊の発売日は判っても、、、

 あとは通知等を頼りに、発売された「はず」の新刊本を探して彷徨うだけ(爆)。
 まあ、それが大変なんですけどね。。

 1件の本屋で済めばいいんですが、大抵の場合は何かしらの本が「無い」ということになります。
 なので、行きやすい本屋を数軒まわって、それでも駄目な場合には、「ここなら絶対あるだろう」というコミックス売場の充実した大型書店や漫画専門店などに脚を伸ばすことになります(それが近場にあれば問題はないわけですが)。

 ただ、それで2週間くらい探し回っても見つからないものもあり、そうすると年に1~数回くらいは、ネット販売で購入という形になります。
 まあ、、、、最初からネットで買えば話は早いと言われそうですが(汗)、何とか本屋で買いたいという気持ちがあるもので(本屋さんを応援したいという意味も込めて)。
 だったら注文すりゃいいんですが、何日も探し回って結局そこからさらに1週間以上、出会うのに掛かるとなると、「早く読みたい!」欲求的に難しいというか(←苦しい言い訳)。


 なお、知らなかった新たな作品や作者との出会いについては、やはり店頭で表紙や帯の説明を見て、ということにはなりますので、本屋での出会いは欠かせません。本を探し回るのも、そういう出会いも求めている部分もあったりはします。

 いつかは電子書籍に移行はしていくと意識もしていますが、もう暫くは、こんな感じで新刊本を日々チェックしつつ、生き残った書店にて印刷された書籍を探して彷徨いたいな、、、と思います。
  

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2018/05/09

武月睦 「やおろちの巫女さん」 全4巻 ヤンマガKCスペシャル 講談社

.  魔王の心臓を取り戻そうと、やおろちが憑いた巫女に日夜アタックする3匹の怪物達の、緊迫もありつつ、どこかのほほんとしたやり取りを綴ったコメディー作品です。

 やられてもやられても、まるで日課のようにそれを当たり前に受け入れ、そしてまた性懲りもなく巫女に挑む怪物3匹は、高校生である巫女の先祖の代から数百年、延々とそれを繰り返しています。
 まあ、そこまで長いと色々とユルユルでもありますが、どちらかというと問題なのは”やおろち”を宿す巫女の方。どっちが邪神やねんというくらい”やおろち”は禍々しく、様々な術で抑えながらも、巫女の体を徐々に蝕んでいきます。代々”やおろち”を卸せるのは血筋の決まった家系の女性のみ。そしてそれぞれが短命に終わる宿命を背負っています。

 所々でその”やおろち”の禍々しさの方が強調されてきましたが、4巻では過去にやおろちを降ろした歴代の巫女達について、そしてそれを”見守る”怪物達の今と変わらぬ行動までを描いています。

 完全に地域の日常に溶け込んでしまい、戦っている時以外は「ウルトラファイト」の怪獣よろしく(笑)、公園やら川辺やらでのんびり時間を潰す怪物達は、長寿命であるが故に、様々な人々を看取ってきた訳ですが、、、はたしてそもそも”悪”なのかどうかも微妙な立ち位置といったところ。そもそも、宿っている”やおろち”は何としても倒して心臓を取り返したいものの、”巫女自身”を倒したいかといえば、実はそれも少し違っていると、、その辺りの雰囲気が、4巻全体を通じて直接的ではなく、長い歴史を踏まえて間接的に語られていく、という感じでしょうかね。

 最初のうちは吉本喜劇よろしく、繰り返しネタの中に、ちょっと人情的なエピソードが入って来るといった感じで、弱冠間延び感もありましたが、4巻までのエピソード全体によって、なんか彼らのその行動原理が、ストレートではなく”何となく察することができる”という感じでまとまったかなと。

 大団円といえば大団円なのかもしれませんが、けど何か全てが解決した感じもしない、少し寂しい叙情感も感じる幕引きなのかな、という気もします。
 彼らは彼らで、巫女も含めていろんな意味で時を大切にして、そして楽しみ満足しているわけですけどね。

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