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2018/05/16

泉ウラタ/吉田真侑子 「死神にだって、愛はある。」 1巻 ノース・スターズ・ピクチャーズ 徳間書店

 死者の魂を天国に導く”死神”が、権限を過剰に駆使して人々に時間を与える。その時間は「30分30秒」。  決められた死にはあがなえませんが、人々は突然与えられた「30分30秒」で、何をしようとするのか。。  オムニバス形式で、「30分30秒の使い方」とその与えられた時間で考え、得られた何かについてを綴った、そんな作品です。

 この「30分30秒」は、必ず誰にでも与えられるべきものではなく、「特別な場合」に限って与える事が出来るもの。それをとある死神が、全体に対してどのくらいの頻度かは判りませんが「連発」するわけですね。

 彼らは死に行く者の側に”産まれた時から”つきまとい、それぞれの人生を共に眺め、そして一緒に過ごして行きます(そういう意味で、時空は超越した存在ではありますが、そこはサラッといった感じ(笑))。

 それぞれの物語に登場する人々は、必ずしも未練が残るというニュアンスとはまた違うのかもしれません。けどやり残したこと、自分が付けたかった落とし前について、その「30分30秒」という非常に短い時間の中で、それぞれやり遂げていく事になります。

 物語のパターンは、ある意味で無限にあると思いますが、その「30分30秒」までに至るプロセスが、そしてそれを使ってやり遂げる何かが、一つずつ丁寧に綴られている、そんな感じのお話でしょうか。

 まあ、ちょっと過剰に権限行使しているだけに、すでに1巻目から「お目付」が付いちゃったりして目を付けられている死神くんが、あとはいかに上司も納得のいく「理屈」を作り出していくのか。。

 ネタもそうですが、物語の構成力や説得力、そして読者が納得できるようなシチュエーションが準備できるのか、、結構縛りのキツイ作品な気がとてもしますが(汗)、少なくとも1巻については、それぞれが上手に構成されているなあ、と思いました。

  

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