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2018/03/23

泉一聞 「テンジュの国」 1巻 KCデラックス 講談社

 チベット地方の小村で、主に薬草などを使った医者見習いの青年のところに、別の集落から親に背負われ、花嫁候補がやってくる。。

 アジアの山村の生活や、集落ごとに違う風習などをを紹介しつつ、親が決めた結婚とは言え、若い二人が少しずつ心の距離を縮めていく、そんな物語です。

 基本、主人公が薬草バカでのんびりした性格なところに、慎ましくおしとやかな少女がやってくる、ということで、住み込みとなった少女との間で、ギクシャクしながらも少しずつ親好を深めていく、そんな雰囲気ののんびりとしたアジアンチックなお話です。

 この系統の作品としては「乙嫁語り」がありますが、あちらは中央アジアからカスピ海までの範囲で、遊牧民的な部分が強いですね。チベットの方は放牧もしていますが、山岳地帯ということで、いわゆる山岳民族的な雰囲気があり、似ているところもありますけど、また少し違った味付けです。

 まあ、村の数だけ民族があるみたいな感じで、本当に小さな人々の集まりが独特の文化をそれぞれ育み、それでいて遠い地域の他民族との交流も盛んという、ネパールからチベットにかけては、国という単位とはまた違う世界観ですよね。

 南へ行けば印度という、これまた数百の民族がひしめき合うカオスな世界ですが(笑)、そちらは伊藤勢さんにお任せするとして(違)、とりあえずどこかのんびりとした(村の生活がのんびりというよりは、主人公がのんびりし過ぎ(笑))、そんなアジアンな雰囲気を楽しめます。

 次巻はちょっと”すれ違い”もあるような予告になっていますけど(知らない人を助けるかどうかというのは、単なる道徳的な問題だけではなく、集落への危機が及ぶかどうかという結構シビアな問題・・・?)、まあこの2人なら乗り越えられるでしょうかね。
 

  

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