環望 「泪~泣きむしの殺し屋~」 1巻 アクションコミックス 双葉社
冒頭での”殺人”に至る事情は、1巻の中でストーリーが進むと共に、徐々に明らかになっていきます。そしてそれ以上に不気味なのが、スマホから指令を送ってくる”謎の組織”の存在、、、
殺害する相手は、ある意味では殺されても一向に構わない程度の悪人という設定なので、「必殺系」とも言えなくはないんですが、その刺客に向かわされるのが、その日まで何の訓練すらも受けたこともない、一介のOLであるということです。
しかし、その”組織”の謎については、徐々にジワジワと存在感を増していきます。
何でもない日常の中に潜む”協力者”達の存在が、ある意味では不気味です。出会い頭に「話は聞いている。」という一言で存在が明らかになりますが、どこをどう見ても普通に生活している”市民”でしかないと。
そんな普通の”市民”を、色々な弱みを握りながら組織化しているのかもしれない、、、そんな予感がよぎります。
凄腕の殺し屋ではなく、「そこらにいる普通の人」を協力者、もしくは暗殺者に仕立てるという辺りが、何というかリアリティーもあり、不思議な感覚なんですね。
様々な伏線から”彼女が何をしたのか”も明らかになっていきますが、そういう謎解き的な部分の周到さもなかなか深いなあと。
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