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2017/04/09

庭の池の生き物(トンボ編)

 池には、色々な生物が勝手に住み着いています。
 アズマヒキガエルの生態については、別途書きましたので、主な肉食生物であるトンボ類(ヤゴ)について書いておきます。

 トンボ類は、もともと不安定な環境(水田の周辺や、河川の氾濫で一時的にできた池沼など)を利用する昆虫なので、案外かなり遠い場所からも、ふらっとやって来て勝手に住み着いたりします。

 現状の水草が生い茂る池は、20年前とは全然違う環境になっているので、もう少し色々な種類も来てくれると嬉しいのですけど、トンボ類の供給源となる池沼が一体、東京都内だとどのくらいの距離にあるのか。。というのが問題なんですよね。

 一番近場のトンボ池と言われているところは、近所の広い緑地公園内にあるようです(世田谷区の砧公園)。直線距離にして3kmくらいでしょうかね。あとはその南の多摩川でしょうかね。他にも小さな公園や庭園の池など、緑地があれば、ぽつぽつと利用されているのだと思います。

 まあ恐らくですが、うちの庭で育って飛び去ったヤンマ類とかとも、数km以上の範囲で移動していて、各地域と交流があるのかなあと(一応、ギンヤンマなどの移動距離は1~2kmとは言われていますので、本当に交流があるかは確証はありませんが、昔は居なかったんですから(ヤゴの抜け殻を見たことがない)、飛んできたことだけは間違いありません。ちなみにアキアカネなどは、20kmから最大で100kmも移動すると言われています)。

 逆に言えば、公園あたりで出ているもの以上には珍しいものは来ないということでもありますが。

 山内唯志(2005) 多摩川流域の都市公園におけるトンボ相に関する調査
 
  ※この中だと、うちの池は②か③に近いタイプですね。面積は狭いけど深さは少しあり、一応抽水植物は植えてあるので。

 写真を撮っていないものが多いので、文字ばかりですが、写真が撮れたら適宜追加していこうかと思います。

 ※本当はわたし、虫屋さん(カミキリ屋)なので、昆虫だったらちゃんと調べておけよ!と思うのですけど、灯台もと暗しで、家の池のトンボ類はあまり真剣に調べたことなかったのです。。

P7250237

※ちなみに上の写真は、いわゆる「アカトンボ」ではありません。

【ヤブヤンマ】
 水草を入れるようになってから、5cm越えの巨大なヤゴが自然発生し、大量に池で羽化しているのを、抜け殻だらけで知ってたんですが、その種類が実はよく判らなかったんですね。
 捕まえれば図鑑で調べられるんですが、羽化した個体はすぐどこかに飛び去ってしまうので、たまーにチラッと見る程度。チラッと見たときに青かったので、まあ普通に都内に多いギンヤンマだと思っていたんですが、先日見かけたメスらしい個体は、どうやら黄色と黒のトラジマなので、似てるけど違う気はしていました。
 その謎が先日やっと解けました。池にそのトラジマのメスが卵を産みに来たのですが、池の畔の石の上に産み付けて廻っているんですね。ギンヤンマは水生植物に産卵するので、もうその時点で違います。それはヤブヤンマだったのでした。もしかしたらギンヤンマも居るのかもしれませんが、とりあえず家の池ではヤブヤンマ”も”繁栄している、ということは判明いたしました(まあ、これも都内の湖沼ではそんなに珍しいものではないと思います。上記の目録にも名前が出てきますし)。


【ギンヤンマ】
 ヤブヤンマを見かけてから、「うちの池にいるでっかいヤゴは、全部ヤブヤンマだったのかも」との思い込みが発生していましたが、・・・実はギンヤンマもちゃんと居ました(爆)。

P4230711

 ある朝、池を見に行ったら、丁度羽化を始めた個体を発見! ヤブヤンマかもと思って写真を撮り始めました。
 で、全身が出てきて体を伸ばし始めたら・・・・。ギンヤンマでした。
 いやまあ、ギンヤンマでも有り難いしいいんですよ。うんうん。都内には普通にいる大型トンボですし。

2


【オオシオカラトンボ】
 昔から家の池では一番ポピュラーで、毎年必ず見られるトンボです。つい先日まで、普通のシオカラトンボだと思い込んでいました。改めてじっくりとオスを見る機会があったので観察していたのですが、なんか尾の先の黒い部分が少ないような気がして気になりまして。。よく調べてみたら、オオシオカラトンボでした(汗)。
 まあ、都内ではどちらも大きな池では見られるようなので、やっぱり特別珍しいこともありませんが、思い込みって困ったものです。。
 ヤゴは最近は見ないですが、昔は池の掃除をしているとよく見かけました。ただ、親は必ず一番い(オスメス1匹ずつ)しか見かけません。一応、縄張りは一つしか持てない広さなんでしょうね。

Photo


【アジアイトトンボ】
 イトトンボは恐らく2~3種類いる気がしていますが、一番ポピュラーな大きなのを先日捕まえ、じっくり図鑑と照らし合わせて、やっとアジアイトトンボと確証が得られました(まあ、そんな珍しいものがいるわけがないので、想像はしていましたが)。青色のイトトンボは、もしかしたらもう1種類くらい居たかもしれませんが、最近はこの1種だけです。
 庭の植え込みの林内で、沢山の蚊が飛び回っているところに、悠々と飛び回っています。まあ、蚊の数の方が圧倒的で、2~3匹程度で食い尽くせるような匹数ではないのですけど、幾らかでも駆逐してくれればまあいいか。
 確実にもう1種類、小型の黄色いイトトンボが居たことがあるのですが、これは数も少なくて、捕まえる機会もないため、未だに謎のままです。まあ、そんなに珍しいものがいるわけがないので、キイトトンボじゃないかなと推定しています。

P7250228


【ショウジョウトンボ】
 昔は秋口に電線に数珠なりにアカトンボの仲間が沢山来ていましたが(数十匹単位)、今は滅多に目にしません。先日、1匹だけ実に鮮やかな赤いトンボが飛来していましたが、6月に極彩色といっても過言ではない鮮やかな赤のトンボといえば、かなり種類は絞られてきます。
 ショウジョウトンボだろうと推定し、昨日写真を撮れました。間違いなさそうですね。
 けど、メスが居ないと卵は産んでくれないよなあ。。果たして定着するのか、今年も様子見です。

P7250219


【その他のトンボ類】
 昔話をすれば、コシアキトンボが飛んでいたり、オニヤンマが飛んでいたりしたことはあるのですが(2~30年前になるかもしれない。。)、いまは見ることが出来ません。


 ヤブヤンマとギンヤンマは居ることが確認できましたが、過去にそれ以外にもスジグロギンヤンマ、マルタンヤンマのどれからしきものは見かけたことがあるので、もしかしたら池に入っているかもしれません。

 けどとにかく、ヤンマ類は羽化したらさっさと消えてしまうし、メスが産卵に来るとき以外、あんまり成虫を見られないので、何ともかんとも(ヤゴは捕まえられますけど、同定する自信ない。。けど、図鑑は買ったので今年はチャレンジしてみようかと)。

 

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