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2017年4月

2017/04/27

衿沢世衣子 「うちのクラスの女子がヤバい」 全3巻 マガジンエッジKC 講談社

 思春期だけ「なんの役にも立たない超能力=無用力」が発現する、そんな女子だけを集めた1年1組のドタバタ青春劇が、とりあえず終了です。1巻のコメントはこちら。

 よくまあ3巻分も続いたというか、凄い想像力と構成力だなあと思います。無用力といっても、一歩間違えれば「使い方によっては役に立つ”超能力”」な訳です。

 何というか”お題に縛りがある大喜利”のように、相当絞り出さないと、これだけの女子生徒の「無用力」は思いつかないと思いますし、さらにそれを青春物語(青春コメディーとも言う)に昇華してしまうんですから、並の努力ではこの作品は作れないと思うんです。。

 まあ、色々な意味で斜め上をいく発想で作品を作っている作者なので、そういうものを生み出すチャンネルがあって、思ったほど苦労してない可能性もありますが(死ぬほど苦労している可能性もありますが)、それでもドラマとしての構成、そして無用力をもったクラスメイトとの絡みなど、ちょっと凄いなあと思いました。

 「一歩間違えれば”超能力”」というのは、まさに逆手にとって3巻ではネタにしています。そして、ちゃんとオチまで用意して(笑)。逆にこれを逆手に取れるということは、各々の「無用力」のアイデアを絞り出すのは相当意識しているんだなあ、とも思います。

 実はちょっとまだ続きがあるものと思って読んでいたんですが(読み終えたときも終わった感が無かった)、読み終えていざ感想を書こうかなと思ってみたら、「全3巻」とか書いてあってちょっとビックリ。

 けどそう確認してから少し読み返してみると、無用力があってもそれを活用する術や青春ドラマのそれぞれの結末、そして彼女らの将来はどうなるのかという暗示も含めて、案外てんこ盛りになっているんですね。そして座敷童的な一人の少女を巡っての、そして様々な場所に巡らせていた伏線を畳むかのような最後のクラス総出の大騒動とオチなど、何かこの作品らしく「のほほん」とした締め方なんだな、と改めて思った次第です。。

 なんだかのほほんと楽しく読めるSF作品でした。

 P.S. 3巻の表紙の元ネタだけ、ちょっと判らんかった。。見た記憶はあるんだけど、誰の絵だったかなあ。。

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2017/04/25

風上旬/POP 「ウルトラ怪獣擬人化計画」 3巻 ヤングチャンピオンコミックス 秋田書店

 懐かしい、、、かどうかは世代によりますけど、ウルトラマンシリーズに出てきた個性的な凶悪怪獣を、怪獣墓場でなんでか知らんけど美少女(女子高生?)に変身させてしまうという、よく考えたら暴挙としか言いようがない設定を踏まえて、コミカライズされた作品です。怪獣墓場(なんだか学校になっている)から地球へまた遠征し、そこで繰り広げられるほのぼの地球侵略(ごっこ)物語、という感じになっています。

 当初、この企画はイラストとフィギュアだけでしたが、レッドキングやエレキングのビジュアルを見て、「いやあの・・・けどなんか可愛い」とか思ったのは内緒です(爆)。特にエレキングさんは狙いすぎ(笑)。

 色々とメディアミックスで展開されているようですが(コミカライズも幾つかあるようですが)、この作品ではメフィラス星人が主人公として、往年の名物怪獣が擬人化(美少女化)されて集い、地球侵略のためにまずアイドルグループを・・・という感じで、なんかこうおかしなベクトルに走りつつ、のほほんとしながらも、巨大化して戦ったりとかもすることになるとか、そもそも何で擬人化させてんだ?とかいう伏線も絡めて、案外真面目にドラマを作ってるんですね。

 正直、最初は怖いもの見たさで1巻を買ったんですが(こらこら)、(一部の擬人化怪獣の)可愛らしさをきっちり全面にも押し出しつつも、様々な怪獣達との出会いの中で、「お約束な元ネタ」のマニアックで密度の濃い挿入などで、なかなか面白いんですね。それぞれの怪獣の性格付けや癖、そしてやり過ぎ感もあるくらいの元ネタオンパレード(笑)で、結構楽しませてくれるのと(特にウルトラマンに殺られたときのシーンのネタ再現とか、様々な有名シーンからマニアックネタまで)、ドラマとしても結構よく練られているなあ、と感じたもので。

 私は多分、リアルではウルトラマンタロウとレオ世代辺りだと思うんですが(リアルで見た記憶がある)、再放送で初代とセブンをほぼ全て見ていて、そちらの方の印象の方がより強く残っています。

 この作品では、初代とセブンでの怪獣に偏っている形になるんですが(もちろん、その後のエースとかで出てくる怪獣も幾つか出てくるようです(あまりそこは詳しくない(汗))、まあその後の作品でも繰り返し出てくる怪獣もいますし、何というか初代、セブンの作品インパクトが一番大きかったとも言えますんで、ここはまあ仕方ないですよね。

 なんか読んでいると、元ネタを改めて確認したくなって、また旧やセブンが見たくなってきてしまうという妙な相乗効果も楽しめる、そんな感じの作品です。

 ※余談ですが、、、ある日、「平成セブン」なるものがあるのを知って、中年諸星ダンに感銘を受けながら、DVDを全部大人買いしてしまったのは私です(爆)。
  

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2017/04/24

小原ヨシツグ 「ガタガール」 全2巻 シリウスKC 講談社

 結構マニアックな水辺生物の採集漫画ですが、2巻にて終了とのことです。1巻の感想とコメントはこちら

 2巻の内容はかなりマニアックというか、水辺の生物の採集の難しさを丁寧に描いている、と言ってもいいです(1巻の感想で余談で私が色々書いたことが、ほぼ網羅されてると言ってもいいくらい)。

 半ば打ち切りとなってしまったようですが、改めて、こういう生物ネタの漫画の難しさってのも感じたりしました。。マニアックな正しい生物の知識に基づいて描ている、というのは、生物屋としては読んでいて安心感があるんで、とても嬉しいんですけど、その半面、じゃあ「漫画として(ドラマとして)面白いか?」という部分は、また別問題ではあるのかもなあと(上から目線で恐縮ですが、御容赦下さい。。)。


 生物を扱う(ペットも含む)漫画は色々とありますけど、やはり物語として面白いか、あるいは漫画として(キャラクターなどに)魅力があるか?という要素は、「漫画という市場」を考えると、無視できない要素かもなあと。

 最近の事例で言えば、「マドンナはガラスケースの中」であれば、マニアックな爬虫類飼育ネタの中に、異常性癖を持つ主人公と、本来はターゲットではない彼を翻弄する「小学生の少女」という、ドラマとしても面白い(どう転ぶかわからない)要素があって、それなりに面白いなあと思ったりします。

 爬虫類系のマンガで言えば、「秘密のレプタイルズ」は、個性的(?)なヒロインと、それに翻弄される主人公のラブコメ&微萌え要素などが、結構うまく使われているのと、マニアック要素はもう別ページ扱いでしっかり説明し、ドラマはドラマできちんと描いている、という辺り、バランスがうまく取れているなあと。

 昆虫ものでいえば「巨蟲列島」などは、マニアックな昆虫の性質に加えて「if」要素の解釈の追加、そしてサバイバルものとしてのドラマ作り、+なんだか繰り広げられるエロ仕様と(これは漫画としてはあった方がいいんでしょう(笑))、ドラマの中に上手に昆虫の性質が活かされているというところですね。昆虫ものでは「ベクター・ケースファイル」のような推理ものもあります。こちらも推理ドラマとしての要素の方が、ある意味ではメインですね。

 それに対して「漫画として面白いかな?」というところに微妙なのが、「鷹師匠!狩りの御時間です」とかかも、、、。私はこのマニアックさと知識の奥深さに感銘を受けたんですけど、じゃあ漫画として面白いから一般の人に読めるか、と問われたら、「・・・うーん。。。」と悩んでしまうかもしれません。「野鳥が好きな人」には、確実に面白いと思うんです。けど別にそれに興味がない人や、ペットとして鳥を飼っている人とかには、面白いと思えるかどうか、冷静に考えてみると微妙なんですよね。。

 そしてそれに近いものを、「ガタガール」にも少し感じたんですね。水辺の動物を採取したり研究したりしている人には、「あるあるネタ」は本当に面白いし、しっかり調べてよく知ってるなあ、と感心することしきりなんです。けどじゃあ、漫画としてどう?と言われると、いわゆる中学生のクラブ活動を通じたラブコメ、な訳ですが。。

 「食べる」に執着したり、「生き物ころしたら可哀想」な性格の仲間を揃えたところまではいいんですが(色々な考え方の代弁として、こういうキャラとのやり取りって案外大事ですから)、ラブコメ要素が妙にしっくり来ないというか、、真面目なマニアック設定の方に引っ張られて、あまり頭に残らないというか。。そんな気もするんですね(※個人の感想です)。

 それとヒロインの設定も、大好きなんだけどまだ勉強中のアマチュア、という設定は知らない人にも入り込み易いかもなあ、と最初は思ったんですが、これを補助する「専門家」に相当するキャラが居ないと、どこかこう空回りしちゃうのかなあ、、という気もしたり(どちらかというと、放っておけない感なのかもですが(笑))。

 恐らく専門家的なキャラとして、主人公の姉(大学生)が設定されているんですけど、優しく見守る姉さん的な要素の方が強くて、解説をバリバリしてくれるタイプではなく、どうしても何か物足りなかったりとか(※これもあくまで個人の感想ですよっ)。。

 ネタ的にも、生物屋さんに対しては内輪受けしそうな内容(=一般向けには微妙?)が、2巻はちょっと多かったですね。

 パワーポイントで学会発表原稿作るとか、大学生、研究者、アマチュアさんであれば、「ああ、あれ大変なんだよなあ、、」と、あるあるネタとして共感できて楽しめますが(私も含めて!)、予備知識も何もない人が、アレを見てどう感じるんでしょうね?

 「なんか知らない、触れてはいけない世界、、、」って感じちゃうかもなあ、と(まあ、そういう世界だということは間違いないんですが(笑))。

 あと一番このネタは、、と思ったのは、踏んじゃったネタでのカニの研究ですね。あれはあれで、結構力を入れてドラマとしての構成も考え、描かれたことが伝わってくるんですが、ネタばらしとしての「ノートに付けたカニの研究内容」とその言葉の解説が、一般向けに考えると、予備知識がない人には、突然ハシゴを外された感が強かったんじゃないかなあと。。

 どう描けばいいのかとか、そういうことを指南するのもアレなんですが(好き勝手書いてすみません、、、)、もっと「ビジュアル」で判るように描いたら良かったのになあ、と思ったんです。
 
 ・カニは結構水辺から離れる事がある、という話なら、そんな絵を入れるとか?

 ・種類によっての違いがあるか調べる、という話であれば、地図上にプロットした
  絵を入れて、分布を調べてるんだよ、って判るようにした方がよかったかも?

 これ、ある意味では学会のポスター発表とか、それに近い話だと思うんです。。

 こういうネタが描ける知識があるなら、発表した経験の有無はわかりませんけど、身近で見たことは必ずあるはず。「自分の狭い専門分野以外興味がない多くの”研究者”」に、自分の研究内容について興味を持って貰うには、そういう「プレゼン能力」がとても重要で、必須の要素なんです。
 それは、漫画自体にも応用ができるんじゃないかなあ、と思ったりもするんです。。

 どちらかというとプレゼンとして捉えてしまってますんで、本来、漫画にああしろこうしろ、というのはおこがましいんですが(ホントご免なさい)、もしこれが専門委員会とか、学会とかへのプレゼン資料だというなら、こう直した方がいいじゃないかな?と、つい思っちゃうんですよ。。

 まあ、あとはドラマとしてのラブコメの面白さかなあと。

 ほぼ主人公以外に女性キャラしか出てこない、そして主人公を取り合う、<ハーレム系>構成のラブコメで、漫画としては普通によくある設定なんですけど、個人的に思うのは、何で主人公の強力なライバルである”生物の知識が豊富な男性キャラ”を出してないんだろうなあ?」、というのがありまして。。

 アマチュアなヒロインが惹かれる要素満載ですし、マニアックな解説もさせられるキャラとしても重要な立ち位置が取れますし、ラブコメ漫画としても面白くなるんじゃないかなあ、と思ったりとか。。

 ただ、もしかしたらこれは、当然の如く3巻以降で、そういうキャラの登場は計画されていたのかもしれませんので、時間だけが無かったのかもしれませんけどね(そういう意味では、本当に余計なお世話です(汗))。

 コアなファンも付いているようなので、この作品、私はまだまだ続けていったら面白いんじゃないかなあと思ったりします。

 水モノを扱った時点で、「特別採補許可」という超面倒くさい要素が加わるので、他の自然・生物ものに比べると、真面目に描こうとすればする程、ハードルが高くなってしまうんですけど(そこだけ、題材として扱うのは大変なのによく描くなあ、と最初思っていました)、この水辺の、調べれば調べるほど面白い、そういう世界の内容をどんどん紹介してくれる漫画として、どこかで続けて欲しい気がとてもいたします。。
  

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2017/04/22

【シュウ酸化合物】ヤブガラシの性質を科学的に見てみると・・・。【デンプン】

 ヤブガラシの性質について、多分そういう事なんだろうなあと想像で考えていたことが、科学的に確認された論文が出ていたので、引用しておきます。

 つる植物は接触化学識別(味覚)を使って同種を避けている

 要約すると、以下の通りです。

◎つる性植物(実験ではヤブガラシを使用)は、巻き付く相手を”接触”によって識別し、自分に対しては巻き付きを忌避している。

◎ヤブガラシの場合には、その忌避物質は葉中に高濃度に含まれるシュウ酸化合物であることが特定された。

◎シュウ酸化合物を多く含むホウレンソウやギシギシを用いた実験では、シュウ酸の量と巻き付きには負の相関がある(つまりシュウ酸濃度が高い程、巻き付きにくい)という結果が得られた。

◎シュウ酸化合物を塗布したプラスチック棒への巻き付き実験でも、その他の化合物を塗布した棒に比べて巻き付きにくい、ということが確認された。


 ヤブガラシの先端部が、揮発性の物質であるシュウ酸化合物を識別するということらしく、「植物にも味覚があるんだ!」という方向で取り上げられています(上記のページでも、そちらに主眼を置いた発表をしてますね)。

 しかし、私がここで取り上げたのは、今までも何回か違和感&理屈が合わないなあと思っていた「巻いて置いておけばヤブガラシは枯れる」という情報に対して、私が仮説として考えていた内容が概ね当たっていたみたいだったなあ、と思ったもので、補足として書いてみることにしました。

 

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2017/04/20

小山愛子 「舞子さんちのまかないさん」 1巻 少年サンデーコミックススペシャル 小学館

 京都の舞妓さんたちが共同で生活する場を「屋形」というそうです。まあそのまま合宿所ですね。

 そんな合宿所のような場所には、当然、給仕専門のおばさんも居たわけですが、急に体調を崩してしまい、仕出し弁当の毎日に。どこか味気ない弁当に飽きて、モチベーションが徐々に落ちていく舞妓さん達を救ったのは、東北から舞子見習いとして来ていた弱冠16歳の少女でした。。

 ここに至る経緯は、物語の中で、各エピソードの合間や回想シーンに伏線として上手に組み込まれ、徐々に明らかにされていきます。結構、回想の使い方も含めて工夫がされていて読みやすいなあと思いましたが、それは読んでからのお楽しみということで。

 まあ、レシピも掲載されてはいるんですが、グルメというカテゴリーとは少し違うかもですね。おばあちゃんっ子だった少女の作る御飯は、ある意味ではありきたりの「普通の」家庭料理ばかり(レパートリーは多く、ありモノでササッと作るアレンジ力もハンパなく、こよなく糠床を愛してやみませんが(違))。
 作中でも女将さんが「地元の子ではないので味付けも違うし、特に美味というわけでもない」と感想は述べていますが、それがある意味、核心でもあります。

 どの順番で作品を組み立てているかは判りませんが、「こういうシチュエーションなら、この人はどんなものを食べたいんだろう?」という、相手の気持ちや状況、そういうものを瞬時に感じ取り、時間を掛けずに食べたそうなものを”作ってあげる”。このプロセスこそが、この作品の持ち味じゃないかなあと。

 舞妓さんは朝から出勤ですが、昼も戻ってくる人もいますし、夜はバラバラに近い感じになります。そういう意味では、四六時中、朝昼晩だけではなく、まかないを作っている感じになりますね。そしておむすびも紅が付かないよう小さく作るとか、慌ただしく忙しく、時間も読めない舞妓さん達に、日々満足してもらえる食事を作り続ける。ある意味では彼女に合った役割に、すっぽりと填まったというところでしょう。

 ただし、日々、舞妓さん達のためにまかないを作り、それはそれでとても楽しそうにこなしている彼女ですが、そもそも論で彼女は”舞妓見習い”として上京してきたわけです。彼女と一緒に出てきた同郷の幼なじみは、舞妓を目指して着々と修行を積んでいるわけです。

 ある意味、忙しいながらも充実している・・・ように見える、まったく気にしていない風な彼女ですが、ある意味では線路から外れてしまった彼女が、今後どのように心の折り合いを付けていくのかなあ、、、というのが気になります(2巻以降で、その部分は描かれていく感じのようですが)。

 ごく普通の「まかない飯」を通じて、舞妓さんの生態や規則など、そういうものもしっかり紹介されていて、どちらかといえばグルメよりは、そちらがメインと言ってもいいような気もするんですね。それを”まかない飯”という切り口から、しきたりや裏事情、苦悩などの業界的な知識も含めて、上手に伏線などをうまく使いながら、ドラマとして組み上げられている、そんな作品かなあと思います。
 

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2017/04/18

鴨鍋かもつ 「魔王の秘書」 1巻 アース・スターコミックス 奉文堂

 何百年という封印から醒めた魔王は人間狩りをしますが、その中に世界を征服するための活動に協力する、と名乗る女性が現れます。面白い言動(と結構美人という部分)を鑑みて、引き入れたはいいものの、、、、

 自ら「魔王の秘書」を名乗り、世界征服の為に、魔物顔負けな冷徹な危険な言動を連発し、魔王群を僅かな希望と暗雲に向かって「上げたり」「下げたり」と翻弄し始める、ごく普通の「自称秘書」の活躍(と、どんどん袖にされる魔王の悲哀)を描く、そんな作品です。

 まあ作品の全ては、この表紙で表現され切っている気もしますが(笑)。

 まずもってして、この「魔王の秘書」を自ら引き受ける彼女の性格が、合理性に満ち過ぎていると言わざるを得ないでしょうね。その前の職業も、実は某王国の王様付きの秘書。ある意味では、あまりに優秀すぎるが故に、当の王様が自由に好き勝手が出来ず、辟易としていたという。。(まあ優秀な秘書なり執事は、往々にして煙たがれるものですが、なんか違和感がこの辺りからしてきます(笑))。

 そこに、ある意味、魔物にさらわれる事になったわけですが、、割り切りすぎというか、なんというか、合理性を通り越して、どこかネジがずれたやり取りになってくという。。

 自分で何か望むことはなく、基本的に無表情で無感情。そして言動は目的を最小限の労力で合理的に片付けるため、感情やモラルそっちのけで危険なまでに過激と(笑)。けど「秘書としての努め」には、異様なまでの拘りと目標意識を持っていると。。

 いわゆる人間に対する情け容赦は、とにかくナシ(まあ、それにも理由があるということが、ちょっとずつ明らかにはなりますが)。そして清々するくらい「合理的」で、魔物軍団の組織編成や福利厚生など、会社組織を内側から改編していく経営コンサルタントのように、次々と改革していきます。魔王様そっちのけで(笑)。

 何のために生まれ、何のために行動してるのか、生態すらも実は(自分らでも)よく判ってない魔物に、合理性という言葉を説くという行為は、まあ滑稽といえば滑稽ではあります(笑)。けどまあ、反論出来ずに従うしかない状態で、どこか不安も抱えつつも、少しずつ何かが変わっていくと。

 まあ、そもそも彼女自身、魔物とは何なのかとか、そんなことは最初から何も気にしてないんですね。単に<組み込まれた社会>の中で、生き残る術として行動しているだけ。それが彼女の処世術というか、行動原理というだけなのです。。

 それが人間社会でも、魔物社会でも、彼女にとっては<意味>はあまりなく、行動はその社会に合わせて、そして合理的に決められていく、というわけです。。

 まああとは、半ばエロエロな設定もあるものの(魔物は人間の女性を孕ませられるんだぞ~、みたいな)、それを見事に真面目に回避していくあたり、何かこう「寸止め」のような焦らしな部分もいいなあと(笑)。

 ある意味では、設定だけからは先が読めないというか、意表を突かれる展開のオンパレードというか、、、優秀なのは間違いない気はするものの、どこか素直に「正しい行動」とは認めにくい(笑)、そんな「魔王の秘書」の活躍が楽しめる作品です(笑)。
 

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2017/04/17

ながべ 「とつくにの少女」 3巻 BLADE COMICS マックガーデン

 とある「外」の森の中で、ある異形の人物と暮らす一人の少女。その少女を巡って、人が住む「内」と、人外のモノが棲む「外」の世界の間で起きる”何か”を描いていく、そういう物語です。

 「外」の世界を「外(と)つ国」と言い、そこに住まう人々は化け物扱いされています。その「外」の住人がどのように作られるかと言えば、実はその異形の生物に触れることで、人だけではなく獣も含めて「感染」するかのように変化していきます。

 ある意味では、「感染者のなれの果て」が隔離されているのが「とつくに」と言えるのかもしれません。城壁に囲われた「内(うち)つ国」の方が、狭い感じがしますけどね。

 表紙にも登場する異形の人物は、勿論言葉も喋れます。そして少女が感染しないよう、一緒に住みながらも決して触れないよう、そしてとつくにの住人達にも触れさせないよう、ある意味では微妙な距離感で共同生活を営んでいます。

 あどけない少女は伯母を待っていますが、実際のところは捨てられたに近い状態で、主人公が引き取り、守ってきたわけですが、3巻ではその捨てたはずの伯母が現れ、兵士に守られながら少女を「内つ国」に連れ去ってしまいます。そして少女が到着した村では、、、

 1巻、2巻では半ば謎に満ちた不思議な森と、その中で何かを恐れながら、そして互いの素性も謎のままながら、少女の落ち着いたあどけなさに救われながら日々を小さな幸せを感じながら生活する、そんな2人を描いていました。

 2巻の終わり頃から、「とつくに」と「うちつくに」の、ある意味では非情な争い事が始まり、物語が3巻に向けて大きく動き、伏線や謎が徐々に明らかになりつつあります。本当の意味での少女の<秘密>は、4巻において明かされる事になりますが、不思議な世界観だけのファンタジー作品というだけではなく、複雑な人間模様が、一気に進んでいく感じですね。

 この作品、読み始めた当初から「絵本のようだな」という印象を受けていたんですが(そういう評価もチラ見しましたが)、改めて<絵>を眺めてみると、ちょっとびっくりしました。効果線など、動きを表現する線がほぼ無いんですね。いや、全くないと言ってもいいかもしれない。。

 ある意味では全て「静止画」として描かれているんですが、意識しないとそういう”効果”を使っていないことが認識できない。動作の途中の動きが、しっかりとしたデッサンで描かれているので、それで「動いている途中」と認識するんでしょうかね。。

 そして淡々とした必要最小限の会話や心理描写のト書きなどから、想像力を掻き立てられるような、そんな感じです。ある意味、絵本というメディアも、限られたページ数の中で、静止画と文字だけで情報を読者に与えるわけですが(動きのある絵もありますが、比較的静止画が多いですよね)、それに近い表現方法なので、「絵本のようだ」という印象を受けるのかもしれません。

 そういう意味では、イメージ的な作風を見て楽しむのがメインの作品かな、と思っていたんですが、2巻、3巻以降で一気に物語が動き出し、ああ、こういう表現方法でもドラマティックな展開が描けるんだなあ、、と、改めて面白い作品だなと認識した次第です。

 余談ですが、某作品でイメージ戦略に成功したからって、あんまし「人外」って単語を使わない方がいいんじゃないかなあ、と最近思う次第です。確かこの作品も、1巻の帯は「人外×少女」だった気がします。その後、なんか猫も杓子も使い始めてしまって、この単語は食傷気味かなあと。。この作品・作風は、某作品とはまた味付けが全然違う、非常に個性的な作品だと思うんですね。3巻以降は、もっと違う独特のセンスを表現するようなキャッチコピーを考えるべきだなあと思ったりもします。。
  

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2017/04/14

関口太郎 「東京のらぼう」 1巻 角川コミックス・エース 角川書店

 東京の秘境(違)、あきる野市に移住した漫画家一家(夫婦+姉+弟+妹)の田舎暮らしの日常を描いた、プチアウトドア作品です。

 東京の秘境と書きましたが、本気で秘境なのはその西隣の「檜原村」です。何が秘境って、電車(五日市線)は、あきる野市までしかありません。その先はバスのみ。そこは行けば判りますが、東京都と言われてもにわかに信じ難い、いきなり長野の山奥みたいな雰囲気の場所になっているんですね。

 あきる野市は、その檜原村の入口にあたります。北は青梅市、南は八王子市と、それなりには田舎ながら都会に挟まれた丘陵地に相当しますが、それなりには平地があるので住宅地もありながら、やはり交通の便が微妙に微妙、、、なので、東京のベッドタウンというには少し何かが足りない、そんな秘境と都会の中間点にある街だと思ったらいいんじゃないでしょうか。

 住んでるわけではないので、ちょっとうまく説明しにくいですが、、、まあ大雪が降った場合に2~3日は除雪が来なかった、と嘆いていた知人(あきる野市在住)が言っていましたので、まあそんなところです(ちなみに知人宅には、キツネやタヌキが出没するそうで、調査に使う自動撮影装置の動作テストが捗ると言っていたような)。

 脱線しましたが、そんなあきる野市の界隈であれば、ちょっと動けば動植物が豊富な小川や水田、そして林などが沢山あると思います(まあ、案外植林地も多いんですけどね。あの辺りの山は)。一応それなりに開けていながら、ちょっと脚を伸ばすだけでアウトドア&自然を満喫できる、そんな日常生活を描いているのがこの作品。

 ある意味、自然にちょっと憧れた、けど都会の生活も完全には捨てきれない(というか漫画描くのが職業ですが(笑))、そんな感じの立ち位置なので、若干自然の知識などは初心者感がありますが、そういうところから素直に自然遊びを楽しむ、というスタンスでいいんじゃないでしょうかね。

 まあ、小さい子供に自然を守らなきゃとか、そんな話をしたってつまらないと無視されるだけです。そういうのは抜きにして、いろいろ捕まえて、いろいろ見て、いろいろ遊ぶのがいいと思うんですね。そういう意味では、自然がどうこうというより、子供を育てる環境としては、とても理想的でいいなあと思ったりもします。

 ある意味では、現代の人には丁度いい距離感で、自然を楽しんでるなあと思ったりします。

 ただ一つだけ。。この作品では全然気にならなかった部分ですが、こういう作品は本の知識とかではなく、実体験を主体に描くことを念頭に入れて戴きたいなあという希望です。「とりぱん」もそういう「自分で見たこと」を主体に描いている作品なので、デフォルメされていようが知識が乏しかろうが(笑)、多少擬人化しようが、実際に見ている行動を描いているので、あまり違和感はないんですね。
 これを実際には見ていないで、図鑑の内容やちょっと検索したネットの内容、チラ見したテレビの内容を元にしていろいろと描くと、何かしら間違った描写をしてしまうことがあり、違和感を生んでしまいます。。

 そういう「漫画の中の違和感のある生物の描写」については、また改めて書こうかと思います。

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2017/04/13

あさのゆきこ 「はんなりギロリの頼子さん」 3巻 ゼノンコミックス

 京都の少し街外れの、1件のたばこ屋さんを引き継いだ、一人の目つきの悪いバツイチさんの日常を描く、そんな物語です。

 主人公は、常に口元をへの字に曲げ、声を掛けられるとギロリと凄い形相で相手を見返してしまう、なんだか人生いろいろと損をしているような”頼子さん”です。けど、その顔つきと、面倒くさくて関わり合いになりたくないような言動とは裏腹に、色々なことを通りがかった”旅人”に限らずアドバイスしてくれる、そんな(ファーストインプレッションとは違って(笑))優しいお節介さんなのです。

 初見の人は恐れおののきますが、その的確なアドバイスと心遣いに、いつしか気がつき、感謝していきます。まあ、トラブルに巻き込まれたりした頼子さんは、はた迷惑なだけな時も多々ありますが(笑)。

 ある意味、京都という土地や京都人という言葉は、ネガティブなイメージで語られる事も多いような気もします。この作品では、一時期、東京にも住んでいた(で、出戻りな)京都人の視点を通じて、京都人の嫌なところも、本音も、そしてその行動原理も、内側から描いているような、そんな感じがします。

 まあ、3巻で触れられている住んでいる場所でのヒエラルキーなんかは、ある意味では他の地域でもある「あるあるネタ」みたいな感じで、楽しく外側から拝見させていただけましたが(笑)。

 3巻では、1巻や2巻では(伏線はあるものの)あまり触れられなかった、なぜ彼女が、どういう経緯で小さな街角の昭和な香りのするたばこ屋の看板娘をしているのか、そしてバツイチとなった原因は何だったのか、など、京都という街や人を俯瞰するという1~2漢の立ち位置から、少し彼女の生い立ちに焦点を当てた謎解きが結構出てきます。

 あのぶっきらぼうに睨み付ける表情も、実は昔からというわけではなかったと。。

 京都って、、、、誰もが認める観光都市でありながら、住んでいる人達が周囲から妙に偏見で見られている、そういう場所な気がするんですが(・・・ちなみに私、京都観光ってしたことがなく、京都出身の知人も居ないのですが(爆))、京都人から見ても嫌な癖や風習にも突っ込みつつ、ちょっとした穴場の観光名所も紹介しつつ、「中」から京都を描いているなあと感じる、そんな作品です。 

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2017/04/11

小林銅蟲 「めしにしましょう」 2巻 イブニングKC 講談社

 今さら書くまでもないかもしれませんが、「メシテロ」とは、この作品の為にあるのではないかと思ってしまう程、破壊的なグルメ漫画です(笑)。

 舞台はとある漫画家さんの職場。そのアシスタント青梅川さんが、やる気がなくなるとおかしなスイッチが入って<まかない飯>を作り出すという、、、そんな漫画です。
 けど、ただ単にフライパン振って鍋で何か煮てとか、時短な簡単レシピを作るのではなく、下準備に数時間とか、、、〆切りに追われる戦場(漫画家の職場)において、それを無視して破壊することしか考えてないような面倒なレシピを作り始めるという、、まさに<メシテロ>な作品なわけです。

 まあ本来、テロとは政治的目的を達成するための破壊的活動な訳ですが(かなり端折った解説)、この〆切りを破壊する工作活動は、まさに漫画制作という経済活動に対しての”テロ”と言えるのではないでしょうかっっ (←信じないで下さい)

 作品の最後にレシピっぽいフロー図が掲載されますが(レシピっぽくないところが面白い(笑))、ある意味では「まかない君」的なアレンジがありつつも、無駄に変なベクトル方向に拘って、手間暇が掛かる手順をわざわざ選んだりと、<いかに無駄に時間を消費するか(=〆切りを破壊するか)>に、全精力が注がれているかのような。。。

 いやまあ、それでも漫画が〆切りに間に合っちゃったりもするし(誘惑に負けずに作業するその他の人々により)、カルチャーショック的に想像を超えた旨いメシが出来るときもあれば、稀に劇的にマズかったりもしたりと、もう終着点が見えない、暴走しまくりなグルメ漫画(・・・なのか?)と言っていいでしょう。

 ちなみに一つ感動的というか合理的だと思ったのは、、、作中では仕事場のお風呂が、無駄としか言い様がないくらいの調理器具として使われています(笑)。最近のお風呂って、保温状態の温度設定が60度まで出来るんですよね。要するに設定した温度で維持ができるわけです。この機能を使って、50度に設定したお風呂で”肉”を数時間かけて茹で上げるわけです。水とガス代の無駄以外の何者でもありませんが(笑)、いやしかし、これは凄い事に気がつかされたなあと。。

 世の中、油の温度を180~220度とかに維持したりする器具は沢山あります(ガスレンジに最近は温度センサーが内蔵されているものもありますし、IHであればもっと簡単ですね)。またオーブンでも設定した温度にして維持するのは簡単ですよね。

 ところが100度以下、50度や60度を維持できる調理器具って、、、実は存在しません。それを謳っているIH調理器具もあるにはあるんですが、どうもきちんと温度設定はできないらしい(口コミを見る限りにおいては)。

 「50度洗い」が一時期流行りましたが、あの温度設定だってやったことある人は苦労した筈(温度計で測って水足したりまた火に掛けたりetc.)。けど、「50度洗い」は数秒から数分漬ければいいだけですから、温度の維持なんて考える必要はなかったですよね。その温度を一定に維持するというのは、本当に大変です(探せば、そういう機器は存在しそうですが、調理器具ではない気がする、、、)。

 けど、温度設定が自動設定可能な風呂釜を使えば、それが簡単にできてしまうということです。まさに目からウロコでした(実際にやるかどうかは別ですが(笑))。

 某「マツコの知らない世界」で漫画メシを作るという回がありましたが、そこでは温度自動設定機能のない御自宅のお風呂を使って、温度計を眺めながらお湯を必死に足しつつ、非常に苦労しながらこの「めしにしましょう」のレシピを再現していました。が、温度設定機能のあるお風呂を使えば、もっと簡単に美味しくあの”お肉”は再現できたと思いますね(あれ、あまり美味しくないという感想でしたが、多分”失敗”しただけだと思いますね。。)。

 まあ、レシピの内容よりも、「いかに美味しいメシを作るのには時間が掛かるのか」を教えてくれる、そんな作品・・・なのかもしれません(←多分、色々な意味で間違ってます)。

 

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2017/04/10

浅井蓮次/沢田新 「バイオレンスアクション」 1巻 ビッグコミックススペシャル 小学館

 デリヘルを装い、電話するとか弱い女子高生が派遣されてきますが、実はそれが凄腕の殺し屋、、、というお話です。

 相手をひるませて暗殺系ではなく、華奢な普通の女子高生が、自由業の方々を主なターゲットとして、容赦なく銃と刃物で殲滅するといった、タイトルに偽り無しのバイオレンスアクション作品です。

 冷徹と言えば冷徹。感情がないのか?という程にほとんど普通の女子高生の表情や会話をしながら、何の躊躇もなく最小限の動きでターゲットを潰していく、そんな殺し屋少女達のお話です。 ある意味では、あまりにも「お仕事」としての割り切りが強く、命令された以上の行動は行わない、職人と言えば職人気質(?)な少女なんですが、どちらかと言えば「精神的にどこか壊れている」、、、という表現の方がピッタリかもしれません。

 感情も何もない訳ではなく、殺す事への感情移入や躊躇が微塵もない以外は、普通のどこにでもいる女子高生(演じているのではなく、素で)、という設定。ちょっと普通とは違うのは、<簿記検定2級>を目指して日々勉強している(こっちのお仕事中でも(笑))というところ。この辺が、ある意味ではキャラの個性でもあり、そして、、、何かしらの生きる上での目標を掲げることが、部分的に壊れた心を”見た目”正常に生活する上での重要な鍵になっている、、そんな気もします。

 日常生活の極普通な感受性(があるように見える姿)と、まったく感情移入なく「仕事」と割り切ってあっけらかんと殺戮を繰り返し、ターゲットの心を時に惑わせる、そんな奇妙な殺し屋の活動を、オムニバス形式(1話完結)で綴っていくわけですが。。

 題材としては、女子高生が実は凄腕の殺し屋、という設定は色々な漫画にもなっているわけですが、脇役的な位置づけが多く、また葛藤を抱えていたりもします。実生活では”演技”をして普通の女の子を演じていたりとか。この作品の場合には、少し味付け方が違います。

 映画で言えば「レオン」で、殺し自体に何の躊躇も感情もない少女が描かれていますが(それ以外は極普通の少女でしかない)、恐らくはそれに近い、と言ったらいいんじゃないでしょうかね。普通の人間であれば、色々な感情や葛藤、嫌悪感などを感じる「殺人」という行為に対して、その部分だけがあまりに<日常化>し、精神的に罪悪感も含めてそういう感情から切り離されてしまっている、そういうある意味では「微妙なバランスの上に成り立っている殺し屋」とも言えます。

 作中でも、少女にボロクソに言われる中年の運び屋(運転手)がいるわけですが、バンを運転中の彼がいうセリフに「君たちはこわれやすいから・・・」というものがあります。まあどう考えたって”壊れて”いる訳ですが、殺し屋として成立し、日常生活も送れているのは、微妙なバランスの上に成り立った精神状態が維持されているからであって、運び屋の男の仕事は、ののしられようが何しようが、そういう”彼女達”のメンタルの部分のバランスを維持することも仕事として含まれているわけです。

 ある意味、現状では<完成>された殺し屋少女は、様々な困難やイレギュラーな状況を渡り歩き、それを直感と身体能力で強引に克服していくわけですが、果たしてどこまで走り続けられるのか、、、

 もしかして、簿記検定2級に合格するまでなのか!(違)

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2017/04/09

庭の池の生き物(トンボ編)

 池には、色々な生物が勝手に住み着いています。
 アズマヒキガエルの生態については、別途書きましたので、主な肉食生物であるトンボ類(ヤゴ)について書いておきます。

 トンボ類は、もともと不安定な環境(水田の周辺や、河川の氾濫で一時的にできた池沼など)を利用する昆虫なので、案外かなり遠い場所からも、ふらっとやって来て勝手に住み着いたりします。

 現状の水草が生い茂る池は、20年前とは全然違う環境になっているので、もう少し色々な種類も来てくれると嬉しいのですけど、トンボ類の供給源となる池沼が一体、東京都内だとどのくらいの距離にあるのか。。というのが問題なんですよね。

 一番近場のトンボ池と言われているところは、近所の広い緑地公園内にあるようです(世田谷区の砧公園)。直線距離にして3kmくらいでしょうかね。あとはその南の多摩川でしょうかね。他にも小さな公園や庭園の池など、緑地があれば、ぽつぽつと利用されているのだと思います。

 まあ恐らくですが、うちの庭で育って飛び去ったヤンマ類とかとも、数km以上の範囲で移動していて、各地域と交流があるのかなあと(一応、ギンヤンマなどの移動距離は1~2kmとは言われていますので、本当に交流があるかは確証はありませんが、昔は居なかったんですから(ヤゴの抜け殻を見たことがない)、飛んできたことだけは間違いありません。ちなみにアキアカネなどは、20kmから最大で100kmも移動すると言われています)。

 逆に言えば、公園あたりで出ているもの以上には珍しいものは来ないということでもありますが。

 山内唯志(2005) 多摩川流域の都市公園におけるトンボ相に関する調査
 
  ※この中だと、うちの池は②か③に近いタイプですね。面積は狭いけど深さは少しあり、一応抽水植物は植えてあるので。

 写真を撮っていないものが多いので、文字ばかりですが、写真が撮れたら適宜追加していこうかと思います。

 ※本当はわたし、虫屋さん(カミキリ屋)なので、昆虫だったらちゃんと調べておけよ!と思うのですけど、灯台もと暗しで、家の池のトンボ類はあまり真剣に調べたことなかったのです。。

P7250237

※ちなみに上の写真は、いわゆる「アカトンボ」ではありません。

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2017/04/08

庭の池の生き物(魚・甲殻類・貝類編)

 「池の浄化大作戦」で綺麗にした池には、色々な生き物が入っています。

 とはいえ、過去に何度も水抜きをしていますから、大昔からいる生き物なんて基本的には皆無(クロメダカとトンボ類以外は)。あとから人為的に入れられた動物ばかり、ということになります。

 いま人為的に入れて勝手に繁殖しているものは、以下の通りです(下の写真は植えてあるアサザ)。

P5140767


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2017/04/07

馬場民雄 「ベランダビオトープ」 全1巻 ヤングアニマルコミックス 白泉社

 仕事の合間にベランダに水辺を作り、ビオトープを楽しむというマンガエッセイです。

 ふとしたキッカケでベランダにたらいを置き、色々な水の生き物を入れて飼育を楽しむ、そういう作品ですが、読んでいたら私が池でやっていることと、殆ど同じ道のりを辿っているんだなあと(笑)。

 外来種はどうかとか色々と問題は勿論あるんですが、私はクローズドな環境で何を飼おうと、別にいいんじゃないかしら派です。水槽で熱帯魚を飼うのと、ある意味同じだろうと思っているので(但し、それを野外の野山や川に放すのは絶対駄目ですからっ!) 。

 ちなみに、うちの池も何だかんだ言いながら、外来種だらけです。自分で採取といっても、少なくとも県をまたいで探しに行かないと、水中生物は都区内にはもう残っていないと言っていいでしょう(自力で移動する昆虫類以外は)。

 いろいろな生き物を狭い生態系(ビオトープ)に投入し、小さな循環サイクルを作りつつ、その中で異常に増える阻害要素(アオミドロやサカマキガイ、そして富栄養化の元凶キンギョ)と日々戦う、仕事の合間に作業しつつ、そんな小さな世界に癒やされる、そういう日々を綴った作品です。

 どちらかというと自然派というよりは、水槽飼育などに興味がある人の方が、「水モノ飼育あるある」を楽しめるかもしれないですね。

 「虹色ラーメン」と「麺屋台ロード ナルトヤ!」は全巻持っていますが、最近は仕事が少なかったんですね。。あまり見かけないと思ったら(爆)。なんか、仕事が減ったので仕事場を移動する、というくだりは、本の内容とは全く別の話として、なんだか寂しくもなったりしました。。

 中堅どころの漫画家さん、雑誌では見かけなくなってもマンガを描いている人はいます。けど、コミケ等に行かないと(直接会えるというメリットはあるものの)新作も読めない、というのは寂しい限りです。。

 この作品もネット連載だったようですが、そういう機会でもいいので連載が増え、そして単行本化までしてくれればいいなあと思ったりする昨今です。。
  

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2017/04/06

柳原望 「かりん歩」 1巻 MFコミックス フラッパー メディアファクトリー

 大学を出たはいいが就職氷河期の中、連戦連敗の心を癒やす祖父の喫茶店に出入りしていたわけですが、その祖父が突然倒れ、ひょんなことから祖父が経営していた喫茶店を引き継ぐことになった、おっとりのんびりなヒロインの苦難の道(?)を描く、そんな作品です。

 メインの話は、上記の喫茶店の経営を巡るドタバタではあります。祖父が他界したあと、突然現れた(離婚したと思われていた)祖母の介入で、喫茶店経営は右往左往のドタバタ状態。

 大型飲食チェーンを切り盛りするビジネスウーマンでもある、祖母の目的は何なのか、、、、

 妹や喫茶店の常連客などの協力を得ながら、ある意味ではマイペースで、そしてスイッチが入ると勢いで行動する、そんな彼女の行く末は如何に。

 物語のあらすじはこんな所なんですが、この作品にはもう一つのテーマがあります。それは前作「高杉さん家のおべんとう(全10巻)」のテーマと同じ、「地理学」です。地理学というのは「土地・水・気候などの自然と人間生活との関係を明らかにしていく」学問です。何だか地形とか地層とかをイメージしますけど、勿論それも一つの要素。どちらかというと「自然地理学」がその分野ですね(と、検索した内容を貼り付けてみる)。

 この作品で扱っているのは、「人文地理学」(人口・集落・経済・政治・民族など)と「地誌」(地域ごとの自然・文化・産業など)など、文系に近い、いや文系そのものの内容です。この(大学在学中はぼーっとして内容を理解していなかった(爆))「地理学」を(改めて)駆使して、問題の解決の糸口を見つけていく、というのがこの作品の醍醐味になっています。

 「地理学」は「高杉さん家のおべんとう」で、かなり深いところまで扱っていたものの、あくまで主人公の専門分野ということで、それを通じた現地調査や様々なイベントは物語中でもちろん重要な位置付けではありましたが、、、、変な話、あくまで地理学ネタは「主役」ではなく「脇役」という感じでした。

 実在の事象を踏まえた推理と考察などが面白いと思う人には、結構面白いネタが沢山ちりばめられていたと思いますが(私は結構楽しんでいました)、けど変な話、そっちを深くやり過ぎると”脱線”としか言い様がないというか、、、、「そのくだりは読まなくても物語の大筋は判るので、”余計な知識”」というか、「ト書き」に近いポジションだったような気もします。。

 それに対して、「かりん歩」では、地理学は<課題発見と問題解決のためのツール>として、実戦投入されてくるわけです。

 地理学、地理学というと判りにくいんですが、要はマーケティングに近いお話なんですね。

 スーパーを新規開店する場合、立地予定地の周辺数百mを歩き回り、住宅の状況(アパートが多い、マンションが多い、戸建てが多い、乗っている車はどんなクラス等々)や住んでいる人々を調査して、スーパーに並べるべき商品を絞り込むなど、要するに品揃えの方向性を決めていくわけです。

 私たちはその結果しか見てはいませんけど、同じ系列のスーパーでも、学生の多い街、年寄りが多い街、若い家族(子連れ)が多い街では、各店舗に並んでいる商品棚の面積配分や商品のグレード、総菜類の充実度、冷凍食品の取扱量などが結構違うんですね。都内だと、かなり露骨に店毎に商品を変えているのは、例えば「オオゼキ」なんかかな、と思います。

 作中でも、こういう出店調査に近い内容を、逆に辿っていくような作業をしていきます。こう書いていくと、なんか推理小説的な感じもあって、地理学なんて学問はちんぷんかんぷんな人でも、十分過ぎるくらい楽しめるんじゃないかなあと思ったりします。

 ちなみに時間軸としては「高杉さん家のおべんとう」の登場人物が、数年後という位置づけで”ほぼ”総出演します(喫茶店の常連客つながりで)。 そういう意味では、地理学というテイストを引き継ぎつつ、その切り口を変えた作品、とも言えるかもしれません。

 前作は主人公と姪っ子の微妙な距離感を少しずつ紡いでいくような、姪っ子オーラ全開な(違)お話でしたが、本作の方が、物語としては読者層が広くて親しみやすい、、かな?(※個人的な感想です。)
 

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2017/04/05

塩野干支郎次 「雑な学舎」 1巻 シリウスKC 講談社

 なんというか・・・。羨ましいくらい強烈に暴走する、学園不条理(?)ギャグ四コマ漫画といったらいいんですかねえ。

 簡単に説明してしまうと、女子高から急に共学になった学校にたった一人の男子生徒として転校してきた主人公が、謎の組織「雑部」に無理矢理入れられて、日々”女装”をさせられるという・・・。

 もとい、何というか普段は小声でしか喋らないその雑部の部長が、B級映画の”しらね~よ!”的な脇役俳優の名前を<絶叫連呼>しまくる、・・・・そんなマンガです(うん。多分これが正解!!)。

 とにかく超カルトで、誰が知ってるねん!的なB級映画ネタが、読者おいてけぼりで日常会話のように暴走する訳ですが(ちなみにカルトネタは映画だけではありません。。。)、作者の趣味がてんこ盛りという感じです。。

 けど、そのマニアックな話に<ついてけねー!>という人が多い筈ですが(断言)、何というか、、、、判らなくても一周回って面白くなってしまうという、なんだかタモリ倶楽部のような作品、といってもいいのかもしれません。

 まあ、とにかく雑にいろいろなB級ネタを散りばめながら、最後に全部ヒロイン(?)の<絶叫>で持っていってしまう(爆)、そんな作品だと思って気楽に・・・・。いやまあ、読む人は選ぶかもなあ。

 上にも挙げたように、タモリ倶楽部が<内容がマニアック過ぎて全然知らない分野な内容でも>楽しめる人であれば、思いっきり填まれる作品じゃないかな、と思ったりします。
  

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2017/04/04

左藤真通 「アイアンバディ」 2巻 モーニングKC 講談社

 ロボットの開発を題材とした、ある天才と秀才の戦いを描く作品、、と私は解釈しました。

 主人公は、ある天才肌の科学者であり、ロボット技術に並々ならぬ情熱を傾ける男です。が、正直に言えばコミュ症とも言えるくらい、人付き合いは無頓着、お金にも無頓着、そして好意的に対応して貰っても無頓着、という、人間的にどうよ?というくらい「天才と●●は紙一重」と言っても過言ではないくらい、孤高の人という感じですね。
 多分、イメージして貰うなら「スティーブ・ジョブス」から攻撃性を省いたような、そういう人物です。そう考えていくと、彼の考え方は合理的で、まさにアメリカンな発想なのかもしれません。

 町工場の片隅に場所を借りながら開発をしつつも、何ら成果を上げられないまま資金不足に陥り、その工場の経営者である同僚(女性)から退去を命じられ、開発途中のロボット(脚だけ)の「ロビンソン」とパソコンだけを抱えて、ホームレス同然という状況に陥ります。

 起死回生の展示会での発表を通じて、彼の特異稀なる才能は、徐々に世界に”発見”されていくことになります。

 夢中になると周りが見えない、面倒な過程はすっ飛ばして「必要なことだけを順番にやっつけていく」というスタンス。同僚にしたら勘弁してよ、、な感じを受けますが(笑)、ある意味、実際に動き始めた”ロボット”の驚異的な性能を見せ付けられると、誰もが<放っておけない>と感じさせる、それも納得ができます。

 作中では、彼のライバルとして、研究を諦めて大企業へ就職していった同僚がいます。彼は一見、ロボット開発のような夢を追いかけるだけの研究は「現実を見ていない」「お金にならない」と一蹴するわけですが、実は彼の中には、大企業の人脈や開発資金を活用しながら、<ロボットを開発するための土壌作り>を虎視眈々と進めているわけです。自分の夢を実現するためには、どのようなアプローチが必要なのか、そういうベクトルで行動し、次々と課題をクリアしていく、そういう秀才肌な人物として、対照的に描かれています。

 彼から見れば、その才能はどこかで認めつつも、そんなお金の心配もせず、ビジネスも何も考えず、自分のやりたいように研究を進めながら廻りの人々を巻き込んで迷惑をかけ続ける主人公の存在は、疎ましいとしか思えません。

 資金の目処が何とか付いた天才肌の主人公と、ライバルである秀才肌の”もう一人の主人公”。目指すところは同じ場所なのかもしれません。どのような展開が待ち受けているのでしょうね。


 物語のあらすじと感想としてはこんな所ですが、この作品、1巻目では食指が動かなかったんですね。改めて表紙・裏のあらすじ、帯を見ても、パッと内容がイメージできなかったんです。2巻目の表紙やあらすじを見て、それから帯を見てから面白いかも?とやっと感じて1~2巻まとめて読んだんですが、それで「あ、結構面白いかも」とやっと”発見”した次第です。

 いわゆる今ある「ロボコン・ブーム」の先、行く末を見つめている作品だなあと思いました。

 ロボコンは私も好きですが、あそこで育まれたアイデアや情熱は、本当に日本でこれから<もの作り>に活かされていくのだろうか?という現実面を見た場合、少し不安があるんですね。物語の最前線は、ある意味では「中小の町工場」だと思うんです。最近は、その町工場の底力を題材にした番組も随分作られていますが、成功した事例というのは、そんなに多くありません。現実的には、開発などという世界は町工場にはほとんど無く、大企業の中でも<ビジネス>という名のもと、日の目を見るのはほんの一握りでしょう。

 そんな情熱や隠れた才能を、どのように今後日本で活かしていくのか。中小企業から大企業まで、色々なパターンを組み込みながら、シミュレーションしていく。。夢を夢で終わらせないためには、何をすればいいのか、そんな段取りや道順があるのかを、この作品は見せてくれてるんじゃないかなあ、と思うんです。

 ロボコンに参加している人達や、今でも趣味でもの作りをしている人にこそ、じっくり読んで貰いたいなあ、という気がします。現実の中なら”夢”を拾い上げ、それを”実現”していくまでの地道な足取り。これからどうなっていくのか、ちょっとワクワクする作品です。

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2017/04/03

白浜鴎 「とんがり帽子のアトリエ」 1巻 モーニングKC 講談社

 魔法使いの魔法はどのように編み出されるのか、、、その秘密は、「ペンとインク」に隠されていた。。

 幼少の頃から魔法使いの憧れていた少女は、本物の魔法使いに出会ってこっそりとその秘密を垣間見てしまい、その昔に見知らぬ人から渡された<ペンとインク>で、”事故”を起こしてしまう。。

 そんな事件をキッカケとして、突然、魔法使いの学校に行くことになってしまった主人公の少女は、右も左も判らない、魔法の基礎も知らない転入生。小さな頃から魔法の知識を学んできている少年少女達に混じっていがみ合いながら、少しずつ”魔法の基礎知識”に触れていくことになります。

 「魔法」の発現の仕組みについての設定が中々面白い、正当派ファンタジー作品ですね。

 前作品の「エニデヴィ」は、オシャレ好きな天使と生真面目な悪魔が、世界を巻き込み騒動を起こすドタバタ・ギャグコメディーでしたが、絵柄もそうですけど、セリフや展開も含めてセンスが良い作品だなあと思っていました(ちょっとドタバタ過ぎたかもしれませんけど(笑))。

 この絵とセンスは武器だなあと思いましたが、それを正当派ファンタジーということで存分に活かせているのがこの作品。”誰でもなろうと思えば魔法使いになれる(けど修行はしてね)”という設定の独創性も、なかなか面白いですね。

 ある意味、この絵でドタバタコメディだと何だかギャップがあって面白い反面、このギャグ作品にこの絵のクオリティは、オーバースペック過ぎて少し勿体ない気もしていたんですが(実写コメディと思えば、まあアリなんでしょうけど。ちなみに私はああいうコントは好きです(笑))、この作品では持ち味を存分に活かせているんじゃないかなあと思います。

 まだまだ世界観の説明だけで1巻が終わり、それもまだ描き切れていないスタート地点ですけど、センスの良い絵柄を活かして、どんどん面白くなっていくんじゃないかなあと思います。

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2017/04/01

街中のアズマヒキガエルとオタマジャクシのこと

 2月の終わりから3月の初め頃になると、夜の池の方から「クゥ、クゥ」という鳴き声が聞こえてきます。うちの庭では毎年の早春の風物詩ですが、アズマヒキガエルのオスがメスを誘う声です。

 うちの庭の池は、アズマヒキガエルが毎年繁殖に来ますが、いま、絶滅の危機に瀕しています。

 ※以下、カエルさんの写真もあったりしますので御了承下さい。
 

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