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2017/04/20

小山愛子 「舞子さんちのまかないさん」 1巻 少年サンデーコミックススペシャル 小学館

 京都の舞妓さんたちが共同で生活する場を「屋形」というそうです。まあそのまま合宿所ですね。

 そんな合宿所のような場所には、当然、給仕専門のおばさんも居たわけですが、急に体調を崩してしまい、仕出し弁当の毎日に。どこか味気ない弁当に飽きて、モチベーションが徐々に落ちていく舞妓さん達を救ったのは、東北から舞子見習いとして来ていた弱冠16歳の少女でした。。

 ここに至る経緯は、物語の中で、各エピソードの合間や回想シーンに伏線として上手に組み込まれ、徐々に明らかにされていきます。結構、回想の使い方も含めて工夫がされていて読みやすいなあと思いましたが、それは読んでからのお楽しみということで。

 まあ、レシピも掲載されてはいるんですが、グルメというカテゴリーとは少し違うかもですね。おばあちゃんっ子だった少女の作る御飯は、ある意味ではありきたりの「普通の」家庭料理ばかり(レパートリーは多く、ありモノでササッと作るアレンジ力もハンパなく、こよなく糠床を愛してやみませんが(違))。
 作中でも女将さんが「地元の子ではないので味付けも違うし、特に美味というわけでもない」と感想は述べていますが、それがある意味、核心でもあります。

 どの順番で作品を組み立てているかは判りませんが、「こういうシチュエーションなら、この人はどんなものを食べたいんだろう?」という、相手の気持ちや状況、そういうものを瞬時に感じ取り、時間を掛けずに食べたそうなものを”作ってあげる”。このプロセスこそが、この作品の持ち味じゃないかなあと。

 舞妓さんは朝から出勤ですが、昼も戻ってくる人もいますし、夜はバラバラに近い感じになります。そういう意味では、四六時中、朝昼晩だけではなく、まかないを作っている感じになりますね。そしておむすびも紅が付かないよう小さく作るとか、慌ただしく忙しく、時間も読めない舞妓さん達に、日々満足してもらえる食事を作り続ける。ある意味では彼女に合った役割に、すっぽりと填まったというところでしょう。

 ただし、日々、舞妓さん達のためにまかないを作り、それはそれでとても楽しそうにこなしている彼女ですが、そもそも論で彼女は”舞妓見習い”として上京してきたわけです。彼女と一緒に出てきた同郷の幼なじみは、舞妓を目指して着々と修行を積んでいるわけです。

 ある意味、忙しいながらも充実している・・・ように見える、まったく気にしていない風な彼女ですが、ある意味では線路から外れてしまった彼女が、今後どのように心の折り合いを付けていくのかなあ、、、というのが気になります(2巻以降で、その部分は描かれていく感じのようですが)。

 ごく普通の「まかない飯」を通じて、舞妓さんの生態や規則など、そういうものもしっかり紹介されていて、どちらかといえばグルメよりは、そちらがメインと言ってもいいような気もするんですね。それを”まかない飯”という切り口から、しきたりや裏事情、苦悩などの業界的な知識も含めて、上手に伏線などをうまく使いながら、ドラマとして組み上げられている、そんな作品かなあと思います。
 

   

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