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2016/11/22

とり・みき 「メカ豆腐の復讐」 全1巻 CUE COMICS イースト・プレス

 ここ何年か単行本が出ていませんでしたけど(プリニウスの背景は描かれていますが)、様々な雑誌やジャンルに渡って描かれてきた短編、エッセイコミック、その他の小さな仕事の寄せ集め、幕の内弁当のような感じの短編集というか何というか・・・・、、、妙に懐かしさもあてんこ盛りの、懐古的な1冊です。

 知らない人は困るかな?とか思いつつ、冒頭はいきなり「シン・○○ラ」の総天然色パロディーで時事ネタをぶち込んで来ますし、「るんるんカンパニー&クルクルくりん」のコラボネタも、久々に30年前の不条理ギャグのノリを思い出しつつ楽しめたりしました。

 エッセイ漫画というか、オマケ的な2ページ漫画の集大成みたいなものなどは、色々なネタに飛び火していきますが、読んでいくと懐かしい人々や出来事などに出会え、思った以上に(こらこら)スラスラと楽しみながら読んでいけます。

 特に影響を受けた人達として、吾妻ひでおから小松左京、ゆうきまさみ、その他諸々の80~90年代を代表するSFな人達からアニメな人達のエピソードなどは、ある意味では内輪ネタなんですけど、その内輪ネタを第三者でも十分に楽しく読めるテクニックといいますか、、、それは何というか、長年培われてきた技術なんだろうなあと思ったりもします。

 エッセイ漫画とはいえ、1ページとか2ページで収めるのは至難の業なわけで、文字だけに走りがちになるところ、ちゃんと漫画として構成されているわけなんですよね。

 他のエッセイコミックとの違いをあえて少し書くのであれば、たった数コマのエピソードの裏に、膨大な量の資料が詰まっているということでしょうか。

 ある程度その分野の知識もあると判るんですが、比較的多くのエッセイ漫画などが、自分の見聞きしたものを自分の感覚で得た内容を描いている事が多いと思うんですね(いわゆる作者の視点からの定点観察です)。

 それに対して、当然作者からの視点ではあるんですけど、その視点の裏側には膨大なデータや知識に基づいた<何か>があるのが読み取れるわけです。

 例えば何か雑誌に載っていた、映像等で見たなどのエピソードにしても、何年何月発売のとか細かな事は書いていませんが、どう見てもその掲載された雑誌、映像をベースに見返して描いている(つまり資料が手元にある!)ことが、内容から読み取れるんですね。たった2ページの漫画なのに。。

 石上伝説のロケハン漫画でも、その膨大な資料の山が、画面の裏側からはみ出ているような、そんな錯覚すら憶えます。たった一コマの裏側は、数十ページ分の資料から出来ているのだろうと。。

 ちなみに、そのような膨大な一次データを踏まえながら、そこに作者の感性からの感想や印象が乗ってくるわけで(登場人物の性格のデフォルメも含めて)、何というか大船の上から俯瞰して、自分の言葉で咀嚼しながら説明してくれているような、そんな感覚を味わえる気がするんですよね。。

 まあ、この膨大な資料集め(ビデオ撮り)は、スタンスというより”性格”なんでしょうけど(笑)。

 多分、80~90年代の”オタク文化”を満喫した経験のある人達には、色々な想い出に触れ、新たな刺激を受けることができるだろうなあと。

 逆にその世代を知らない人が読んだとしても、「こんな人がいたんだ」という時代のノスタルジック感を、ちょっと感じられるんじゃないかなあ、などと思ってみたりします。。
 

  

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