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2016/08/16

手原和憲 「夕空のクライフイズム」 全10巻 ビッグコミックス 小学館

 究極にマニアックな「美しく敗れる」サッカー漫画がこれにて終了です。

 ある意味、究極の<美しい>サッカーをしたんじゃないでしょうかね。。何かこう、泥臭くて汗臭いんですけど、どこか清涼感があるような、そんなスポーツ漫画でした。

 しかしまあ、、私はサッカーの知識は全くありませんし(試合をテレビで見る程度で、ルールはまあ判る程度)、登場する実在の海外選手やエピソードが本当にあったのかどうかも全く判りませんでしたが、なんでか面白かったんですね。

 これはそう、、「タモリ倶楽部」的な面白さというか何というか(笑)。超マニアが究極の内輪受けで、他の人の興味の範疇を超えて熱く語る、という手法はまさにそれでしょう。ある意味では、マニアック過ぎて視聴者おいてけぼりにもなりかねない究極の技ではあるんですが、けど素人が見ていても何で楽しめるかといえば、「語り合っている人達がとても楽しそう」という、極当たり前の景色を楽しむことが出来るから、じゃないかなあと。。(しかしまあ、どんなにマニアックな内容でも、きちんとノリを合わせてついていけるタモリさんの底力が勿論あるからこそ成立する番組、でもあるわけですが)。

 とにかくこの作品も、クライフに限らず読者おいてけぼりにマニアックな解説と、一般的な常識からはかけ離れた戦略や練習を通じて、いわゆる<サッカーの常識>を破壊しに掛かっているんですけど、飄々として掴み所のないカントクやコーチの雨ちゃんに翻弄され、今までの価値観をぶち壊されて右往左往する生徒達が、ある意味では何かを感じ、掴み取り、そして必死だけど楽しくサッカーをしている姿を見て、「ああ、彼らは楽しんでいるんだな」という妙な共感を感じたりするんですよね。

 まあ、世の中10mもジャンプしてボールを蹴ったり、ボールから炎が出たり電撃が出たりと何でもアリな競技の漫画・アニメもありますが(違)、そういうものも演出として楽しめるのであれば、この究極の<常識を壊しながら美しく敗れるサッカー>漫画も、楽しめるんじゃないかなあと。

 「美しく敗れる」のはいいんですが、じゃあ美しく敗れた先に何があるのか? 最後までそこは疑問符でしたが(逆にマニアな人は判っている結論だったんでしょうけど)、ちゃんと答えは用意されていました。

 ある意味、最初から最後まで徹底的にマニアックなサッカー談義に終始する漫画でしたけど、逆にスポーツ漫画をここまでマニアックに解説しつつ組み立てて、最後の最後までそのスタイルを貫き通している漫画も多くはないかなと(あるにはありますけどね)。

 何だか不思議なスポーツ漫画を楽しませていただきました。

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