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2016/08/29

藤田勇利亜 「ミドリノユーグレ」 1巻 少年チャンピオンコミックス 秋田書店

 健康食品として認知されている「ミドリムシ(=ユーグレナ)」。量産のために改良されたり色々していますが、その改良ミドリムシが原因で、猟奇的な殺人が発生するようになっていく。。やがてそれは人類自体、地球自体をも変えようとする流れになっていく。。

 いわゆるバイオハザードもの、というジャンルになると思いますが、タイトルにもあるようにこの物語の”主人公”は「ミドリムシ」です(いやまあ、それと戦うことになるヒロインが本当の主人公、なんですけどね)。その研究過程を通じて、謀略や暴走事故、そしてパンドラの箱は何だったのか、少し長いスパンの時間軸で綴られていきます。

 極普通に健康食品としても出回っているそれが、いかに人類破滅への引き金となっていくかは、まあ作品を見ていただくとして(ちなみに1巻では、まださわりの部分までの描写ですね)、生物的な見地から見ると、面白い発想かなあ、と思います。

 ミドリムシの個体をいくら改良したところで、小さな細胞の生物ですから限界はあります。それを群体として構成することができたらどうなるのか、というあたりが、この物語の発想です。こういう研究(=進化)の過程をきっちりと下敷きにして追っているという辺りが(それでいて物語として読ませられてしまうよう、上手く構成されている)、丁寧な作品作りだなあと、ちょっと思ったりしました。そして若干不安な雰囲気もあり。。

 2巻後半になると、人が襲われる様になってくるのですが(ミドリムシが群体で襲ってくるのではなく、人を介在して、ですが)、この辺りはゾンビ化(感染?)した人が人を襲う的な構図になっています。ただ、それがサプリを通じて世界規模で起こり始めている訳ですから、スケールは結構大きくなる可能性が高いですね。2巻はいわゆるアクションものか、サバイバルものの流れになりそうな雰囲気もありますね(ヒーローモノにも近い流れになるのかな?)。

 現状では、その先に研究の成果は移行している様子ですが、それは2巻以降の内容になります。ここまで丁寧に<進化>を描いてきているので、理路整然とした<群体化と凶暴化のその先>を見せて欲しいものですね。

 そういう意味での不安な要素としては、ここまで丁寧に<ミドリムシの進化>に拘って物語を構築していきながら、いきなり人類滅亡に直面して何だか救世主が現れて、、、みたいな安直な(?)バイオハザードものになって欲しくないなあ。。というところです。

 ここまで丁寧に引っ張ってきて、物語の核心を端折るみたいな流れになってしまったら、ちょっとガッカリしそうなので。。そういう意味では、1巻の後半の流れを見ると少し不安要素はあるんですけど、全体として読者の予想を裏切るようなストーリー構成できちんと物語が描かれているようなので、期待と不安を胸に、2巻以降の展開に注目したいと思います。

 なんせ、巻頭の地球の状態に、一体どういう流れでなっていくのか、この段階でも想像が付かないんですよね。そういう意味で、初連載ということで若干、荒削りな部分も少しありますけど、上手に作られている作品だなあと思ったりもします。

   

   

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