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2016/07/14

宮永龍 「アインシュタインの怪物」 1巻 Gファンタジーコミックス スクウェア・エニックス

 漁村の外れに棲む「魔女」と呼ばれる少年アインシュタインと、その漁村の漁師の息子の交流と、その数奇な運命を綴った、少しシュールでメルヘンな物語です。

 怪物とは、魔女な少年が生み出すことになる「継ぎ接ぎの死体」のこと。その”怪物”が生み出される過程に漁師の息子は巻き込まれていくわけですが、、というか、まあ<本人が望んだ>ことが実現されただけ、でもありますね。ある意味では責任の重圧も相当なものですが、二人は「一蓮托生」な世界へと旅立つ事になります。

 物語のあらすじは本の裏にも書いてあるので、そちらを見つつ本編を楽しんでいただければいいとして、この作品の特筆すべきは、その絵柄と色使い、そして全体の雰囲気ですね。

 かなりデフォルメをきかせた人物描写、そしてヨーロッパ風な世界の雰囲気は、まさに<絵本>の世界です。カラー表紙のパステルカラーな色使いと絵柄だけでも、中身の雰囲気は伝わる・・・かな?
 恐らくですけど、美術系の学校などで基礎はしっかり学ばれているのだろうと推察されます。デッサンが多分しっかりしているから、ここまでデフォルメしても、人物の動きに違和感がないんじゃないかなと。。

 ある意味では、子供向けのアンデルセン物語のアニメに近い雰囲気があるかもしれません(あくまで近いモノに分類しただけですけど)。背景の描写も緻密で小さなコマ全体が絵本の1ページずつのような、そんな感じでしょうかね。

 内容的には、肉親の死や村人の偏見差別、そして怪物&魔女として追われる彼らの顛末など、若干重くシュールな場面もありますが、その中で育まれる二人の絆のような何かが、全体の雰囲気を小さく照らすように折り込まれていて、暗い話になりそうな材料を、ちょっと暖かく明るくしてくれています。

 まあ、何というか女装癖かよ!で、実は年増な魔女な少年の受け答えや仕草も可愛いんですよね(なんか事あるごとに<少年!>と言い聞かせないと、性別を誤解しそうなくらい・・・というか、本当に男の子の”まま”なんかな?)。そして若干頼りなさそうな雰囲気ながら、決断と行動力、そして割り切りの早さが魅力な漁師の息子も、結構いい奴なんですよね。まだまだ一人前でもないのに、色々背負って大変ですけどね。。

 ファンタジーでメルヘンな雰囲気ながら、1巻の終わりには船も手に入れて、何となく冒険活劇的な流れも出てきましたので、独特な雰囲気と相まって続きが結構楽しみな作品だなあと。

  

  

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