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2016/07/11

矢寺圭太 「おにでか!」 1巻 ヒーローズコミックス 小学館

 冒頭は、お姫様体質のヒロインに幼なじみの男子高生が振り回されるという、まあある意味ではラブコメ一直線な展開なのかもしれないですね。
 結構、この二人の関係を説明するためのシチュエーション描写に時間を割き、そして男子高生自身が一番、彼女を甘やかしているという現実に直面した辺りから、物語は急展開を始めます。

 ある意味では”決別”を告白した彼に対して、文字通り”カミナリ”を落とした(?)彼女は、徐々に巨大化していくわけですが。。

 と、わざと文字で思わせぶりに書くとアレですけど、まあ表紙を見ればこういうことですよ、と(笑)。

 まあ、最初から巨大化するというのは単行本の裏にも書かれていますけど、SFアニメ的な動機、行動原理などの設定は、実は案外としっかりしている感があります。どういう仕組みで服まで巨大化するのかとか、そういう些末なことは置いておいて(こらこら)、少なくとも何が原動力で巨大化するのか、そして巨大化した彼女が、他の巨大化した”何か”と戦わなければいけない、その理由付けがハッキリとしている、ということですね。

 逆に言えば、その動機付けを判り易くするが為に、冒頭での王道的なラブコメ展開が必要であった、というわけですね。

 さらに言えば、特撮的なリアリティーにも結構、拘りがあるなあと思いました。巨大化した後のもっさりとした動作、動きや周囲の建物の壊れ方などからスケール感を感じさせる描写、遠方からも巨大な少女を俯瞰するカメラワークを随所に盛り込み、日本中が注目するというパニック映画の、皆がテレビを見ているシチュエーションなども上手に活かしていますね。特撮結構好きなんだろうなあ。

 そしてくだらないことで感心したんですけど、神奈川から秋葉原まで、巨大な少女が歩いて移動するという際の、時間的な経過部分を、ある意味ではリアルに描いているなあと。
ヘリって何時間飛べるんだとか、高速道路の車ってどうやって退けたんだとか、そんな些細なことはどーでもいいんで(いいのかっw)、けどこういう時間的な部分って、人の中に半ばリアルなイメージを作らなければいけないだけに、大事だと思うんですね。
 ※余談ですが、某機動戦艦アニメでも、木星と地球や火星の間を往復する際、必ずくだらないコメディー回が登場していたんですが、これは宇宙を移動するのにそれだけ時間が掛かる、ということを表現するためだ、という解説を読んで、なる程なあと感心したことがあります。

 ただ単に女子高生が巨大化して怪獣と戦うという、悪く言えば今までもアリガチな(というかコメディー等でもよくある)シチュエーションではあるのに、巨大化イメージと時間スケールという、ストーリー重視であれば半ば無視しちゃったりすることが多いこの要素を、意外なほどしっかり折り込んで作ってあるというあたりに、ちょっと楽しさを覚えたりしました。

 絵柄含めてラブコメな内容から、どんでん返しなSF展開に面白さを感じた人も多いと思いますんで、私みたいに変なところに感心する人ってあまり多くはないとは思いますが(笑)、いやあ、マンガの表現って、拘って描くとまだまだ色々とできるんですねえ。。

  

 単に女子高生が巨大化して戦うというマンガって、色々あるよなあと思って、真っ先に浮かんだのが、『ミカるんX』とこの作品だったんですが、同じ作者でしたか(笑)。 絵柄が若干、変わったのかな?(気のせいかもしれませんが)

 けど、、、また巨大化させたのかっw

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