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2016/05/11

松本豊 「スメラギドレッサーズ」 全4巻 少年チャンピオンコミックス 秋田書店

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 毎回わくわくしながら読んでいたのですが、4巻が最終巻ということで若干読む前にショックを受けていました。


 3巻から続く遊園地での死闘はクライマックスを迎え、絶対的なパワーを持った首領との戦いの末、学園生活が戻ってくる訳ですが。。。ネタバレになっちゃうので、あらすじはここまでとして(1行かよっ!)。

 秋田書店の場合、概ね4巻くらいのところで「オトナノジジョウ(仮)」が発動されることになるわけですが(出版社によって若干違いますが、4巻まで続けられれば上々の方です)、その時点で「どう終わらせるか」という難題が、作者には突きつけられます。
 この課題をクリアする方法は幾らでもあるわけですが、そこまでに積み上げてきた連載内容を、どう整理して調理するかで、その作品への読後感やその後に残る印象は、大きく変わります。
 ある人はぶち切れて中途半端な結末で尻すぼみになり、ある人は無理すぎる急展開を押し込んで駆け足のように話をまとめてしまい、、、、 けどまあ、最終巻がちゃんと出して貰えるだけマシ、という御意見もありますね(最終巻や連載分が収録されずに終わる、なんてことも実際、多々ありますので。。諸事情で)。

 この作品では、残された尺に対して、全力で<最高のクライマックスシーンを作り上げる>ことに投入してきました。そして何とか他の人に変身を代わってほしいと願い続けていた委員長の、心の成長と決意という、一番大事なものを引き出しました。

 ラストは「本当の戦いはこれからだ!」という形で締めくくられる訳ですが(勿論、賛否両論はあるでしょう)、続けようと思えば続編も作れそうですけど、この締めの潔いシーンは、「やり遂げた!」感も滲み出ているような気がします。謎も謎のまま、伏線もいろいろと畳んではいませんけど、個人的には<天晴れ>で、いい終わり方ではないかなあと。

 当初の”羞恥心”攻撃が話題となったこの作品ですが、コメディー系の絵柄で(コメディーな側面も十分盛り込まれているんですけど)、ど派手なアクションというギャップが面白かったと思いつつ、もっとセクシーさを求める方々には、微妙に絵柄的にも何かが足りなかったのかもしれません。
 まあ、男性は好奇な視線を向けるモブとしてしか描かれず、恋愛的な要素はほぼ皆無な、女の子だけの戦いの世界でしたんで(セーラー○○○的な)、まあ仕方ない部分もあり。。
 けど、この作品の根底には、様々な葛藤(羞恥心含む)や悩みを、生真面目な<助けたい>という心と<友情>で吹き飛ばす、そんな想いが込められていたと思います。なので、そういう恋愛要素を絡めなかったことによって、作品のメッセージがストレートに感じられましたんで、個人的にはこれは英断だったと思ったりします。

 この先、どういう作品を描いていくのかは判りませんが、結構めちゃくちゃな設定の割に破綻しない物語の構成力も目を引きますので、まだまだ面白い作品を描いてくれるんじゃないでしょうかね。

 いつの日か心の整理がついたら、続編への意欲もまた燃やしてほしいなあ、と思います。

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