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2016/05/17

海人井槙 「はじまりの竜とおわりの龍」 全1巻 ビッグコミックススペシャル 小学館

 竜が人と共存する世界における、4つのオムニバス形式の短編集となっています。

 この世界では、竜は独特な生活環を持ち、人の体を通じて再度生み出されることで、人と強い絆を持つに至ります(男性と女性ではまた少し異なるのですが)。半ば神を降ろす巫女のような形で”竜”と関わりを持つ人々の、その悲しい生き様が綴られていきます。

 世界観としては、どこか独特な雰囲気を醸し出しています。一般の世界は、中国の辺境のような雰囲気を醸しだし、龍を扱う人々は、どこか山岳民族的な出で立ちとして描かれていますが、水を自在に扱い、逆鱗に触れれば雷を放つ、<竜>という神とも生物とも言い難い存在が、何も語ることなく人々の運命に強く関わっていきます。

 物語はそれぞれ時系列が大きく異なりますが、この不思議な<竜>と、それに関わる<鳥>という不思議な存在により、根底で繋がっています。
 輪廻する生命体として竜を描くことにより、人と共に生き、そして人と共に消えていく、、、妙に不思議な悲哀にも似た”滅びの物語”という流れが、どこかにある気がします。

 細かな世界観の説明は基本的にはないので、最後までどこかモヤモヤした感じはありますが(笑)、それはそれ。人の体を通じて再誕し、そして上手に飼わなければ死んでしまう、そんな儚い謎の生命体としての<竜>と、その<龍>の生死に関わる<鳥>、それらを巡る人々の葛藤を淡々と描いた、そんな作品です。

  

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