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2016/04/20

オイカワマコ 「グレンデル」 1巻 ゼノンコミックス 徳間書店

 王女を見捨てて逃げた罪で投獄された女騎士。処刑を待つだけの彼女に与えられた最後のチャンスは、一人でとある国に「竜の子」を連れて行くという任務でした。

 王女を見捨てたというのも、何か事情があって、という裏設定があるかと思いきや、、、本人自身が、「怪我してて体力も持たないから、共倒れになるだけだから見捨てて逃げた(意訳)」と、ストレートに言っちゃうあたりで、ある意味ドン引きする人もいるかもしれません(汗)。

 生き物の怪我や死を見るとすぐ泣いてしまう性格から、涙を流しながら敵を切るというのは印象的&ちょっと変わったキャラ設定ではありますけど、そもそもなぜ彼女が、、、王女の護衛という騎士としての任務を放棄してまで「生き延びる」ことに固執するのか、それはまだ物語の中では伏線は示されつつも、謎のままです。
 そのあたりが、この作品のキーとなっていくんでしょうね。そして謎の多い<竜の子>自体との絡みも含めて。

 ある意味では<ファンタジー作品>として読もうとすると、かなり挫折感を味わう人も出てくるかもしれません。どちらかといえば、登場人物の心の機微、そしてそれぞれに抱えた目的や本心、そして思惑が錯綜する隣国との関係や、そもそもなぜ長期にわたって幽閉してきた<竜の子>を、遠い他国にたった一人の護衛だけを付けて送り出すのか、世間知らずで気高そうで居ながらどこか子供な雰囲気も醸し出す、そもそも「竜の子」の本性とは・・・?

 という感じで、ミステリー的な物語の裏を読み、その予想外の展開を楽しむ作品担っていますね。
 1巻は何というか、その伏線を散りばめているだけで、展開自体も遅いですし、心理描写にもページをかなり使っているため、アクション・ファンタジーを期待して手に取った人には、ちょっと残念な気持ちになるかもしれないなあと。。

 けど、この心理的な駆け引きや、物語の中で交錯する人々の思惑などの描写は力が入っているので、私はそれなりに楽しめるんですが、やはり豪快な敵役の登場なり派手なアクションなどは、味付けとしてはもう少しあってもいいのかもしれません(あくまで個人的にはこれでいいとは思うんですけど、一般受けも考えると、塩ひとつまみ、コショウ一振りはあってもいいかな的な)。

 まあ、最後のページでいきなり竜の本性が剥き出しになりましたんで、2巻では結構怒濤の展開になるのかな?というところは、ちょっと期待も持ちつつ、、、

  

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