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2015/12/16

市川春子 「宝石の国」 5巻 アフタヌーンKC 講談社

 様々な宝石の名前を冠して、その宝石の特性を引き継いだ、人とも何とも言えない微妙な存在である少女達と、それを指揮して彼女達が月人にさらわれるのを防ぐ為に戦う、僧侶のような「先生」。

 彼と彼女達しかいないその殺風景な未来の不思議な世界空間で、砕けたりした手足を修理しながら、ただただ仏教的なビジュアルの月人と戦い続け、そしてその不思議な世界の「なぜ?」を問い始める、そんなファンタジー作品です。

 あまりにも世界観が独特で、比較するものも何もないというのが正直なところ。けど、その独特な戦いの表現や、美しく独特なビジュアルの月人など、まず絵に引き込まれます。そして謎の多い世界設定とともに、主人公である少女を通じて、それを本当に紐解いていいのか? 知ることで世界が変わるのではないか? という微妙な罪悪感のような感覚を、読者は共有できるかと思います。

 なんかこの独特なビジュアルを見ていると、何となくですが「太陽の船 ソルビアンカ 」を思い出してしまうのは、、、私が年寄りということですね。ヨボヨボ。
 まあ、あちらは「アール・ヌーヴォー調」なので、全然違うんですけど(爆)。

 見たこともない世界で、謎の襲来者と美しくきらめき戦うスレンダーな少女達に、何となく引き込まれるんですよね。けど、そもそも何で未来には、体が宝石に置き換わってしまっているのか?そして少女だけという理由も謎ですし、1種類に1人しかいないというのも謎。そもそも砕けてしまっても生きている彼女達は、人間とはとても呼べない気もしますが、一体どういう経緯があるのか。。

 謎のワンダーランド状態ですな。えぇえぇ。けど、宝石の特性など、そういう部分の裏設定はしっかり固められている印象なので、「そういう世界なんだな」と変に納得しながら、没頭することもできます。

 謎解きの多い作品で、謎が謎を呼び核心に迫るのはまだまだ先という印象でありますが、まずは独特な世界観とビジュアルを堪能しながら、そんな物語の駆け引きを楽しんでいけばよい作品かなと思います。

   

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