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2015/12/11

ドリヤス工場 「有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」 全1巻 リイド社

 もの凄い投げやり風なタイトルにまずやられてしまった上に、もろ「水木しげる風」な絵柄から、パロディーを想像してしまう人も多いでしょうけど、、、

 既にあなたは術中に填まっていますよ。。。

 読めば判る話ですが、ギャグやパロディーという要素はまったくありません。
 あくまで「水木しげる”風”」の絵柄で、それぞれの作品を、10ページ程度に要約しているわけですね。

 そしてその<要約>が見事すぎるんです。扱う作品は、短編から長編まで、海外の作品なども含めて実に様々ですが、それぞれを<漫画として読んで楽しめる構成>で、見事に10ページ程度の尺の中に収めています。あらすじを追いつつ、確かに読んだ気になれる、そんな憎い構成になっています。

 一体、この構成を考えるのにどんだけ時間をかけ、知恵を絞ったんだろう、、としか言いようがありません。

 勿論、たった10ページでも漫画として楽しめなければいけませんから、長編作品などは、かなり端折っている部分はあるようです。が、ちゃんと筋は通るように上手に端折っていますので、原作を読んだ人には多少違和感も感じるかもしれませんが、知らない人には本当に自然な流れで読むことができます。

 かくいう私も、文学作品なんてあまり読んでいませんで(汗)、芥川龍之介の「羅生門」くらいじゃないでしょうかね(汗)。きちんと読んだのは(って短編かよ!)。

 けど、特に冒頭の「人間失格」は、波瀾万丈な生き様が、たった10ページの中に凝縮され、「恩讐の彼方に」などは最後、ちょっと涙ぐみそうになります。「ラプンツェル」は絵本やアニメでは知っていたつもりが、グリムの原作はこんなお話だったんだなあ、と改めて思ったり、「イワンのばか」ってこういう寓話だったのかと感心したり、・・・まあ原作きちんと読んでいない私としては(汗)、それぞれの雰囲気をきちんと10ページの尺でそれぞれ堪能できたなあ、と思ったりしました。

 冒頭の「人間失格」など、一部についてはこちらでも読むことができます。

 そして見れば判りますが、続編もどんどんと掲載されている模様。

 そして水木風の絵柄には、実はあまり深い意味はありません(爆)。
 要は「現在のアイドルの曲を、五木ひろしが歌ったらこうなる」とか、「桑田さんがきゃりーぱみゅぱみゅを歌ったらこうなる」とか、要はそういうことなんですよ(どういうことだよ!)。
 要するに、水木しげるさんの絵で、とにかく何でも描いてみようという、そういうことであるだけと。その絵柄に<翻訳>すること自体が、ある意味では面白さであるので、実はこの人の作品、ギャグなどの要素ってほぼ皆無なんですね。

 オリジナル作品の「あやかし古書庫と少女の魅宝」(全2巻)も、本当に真面目に超能力対戦を、児童向け文学のような雰囲気で描いていて秀逸です。

 色々な漫画・アニメ作品のパロディーを同人誌で描いているそうなので、そういう作品もいつか単行本になって欲しいなあ、と思う今日この頃です。

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