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2015/12/17

香深村れん 「トレンチフラワーズ」 1巻 BUNCH COMICS 新潮社

 メイドさんといえば、清楚なロングスカートの中に色んなものを隠し持ち、圧倒的な<火力>と<破壊力>で主人に立ちはだかる敵を次々と蹂躙していく、というのが世の常ですが(※個人的な感想です)、さてさて。。。

 帝国と王国が戦火を交える中、帝国側の皇女に使えるメイドが、「武装奉仕団」として前線に赴く、そんな世界観の描写から物語は始まります。
 モチーフは近世ヨーロッパ、銃は丁度、機関銃が普及し始めたといったところで、塹壕を張り巡らしつつ、砲撃と突撃を繰り返すといった、そんな戦場ですね。まだ戦車や飛行機といった兵器は出てきません(現段階では)。

 このあたりの銃の描写から塹壕関係の解説は、新入りが入ってきたということで前線見学のなかでうまく、、、そしてハンパなくマニアックに描写されています。とゆーか、勉強になるなあ。。かなりの銃器マニアとお見受けしました(さりげないので、押しつけがましくないところもさらにマル)。

 後方の描写から静かな前線(塹壕掘りの手伝い+見学)といった、ある意味ではヌルい描写が続くのですが、これはまあ、、、焦らしのテクニックだなっ!と、かなりドキドキしながら読むことになるでしょう。
 というか、中盤までがこのように本当に”のどか”すぎて、「・・・これどういう方向性なんだろう?」と、だんだん不安にもなってくるくらい、焦らされます。

 が、突如として<魔方陣>が出てきたりと、唐突で意外な展開とともに、物語は一気に最前線への配備となり、そして最後の最後で、、、、

 この最後の一ページを描くために、ここまで抑えた描写だったのだなと納得。2巻に大期待でございます。


 最初の方は、まあ大人しめの描写でもあったので、少し動きの描写にぎくしゃく感がある気がしたのですけど(初連載の初単行本のようなので、そこはこの先に期待)、やはり長いスカートを翻しながら戦場を駆けるメイドさん、いいですね。うんうん。

 ただ、ここまでのんびりと、焦らしな演出を1巻分も続けた訳ですけど、雑誌等の連載の方は大丈夫なのかなあ。。と、最近、展開の遅い作品を見ていると、少し不安になることも。

 作品の最初の1~数話目で掴みはOK、というのが、アニメでも漫画でも、結構基本的なセオリーではありますが、最近の作品、当初の展開をじっくり描かせ、盛り上がりの頂点が2巻目になるので、2巻同時発売なんてことをしている作品も散見されます。これはこれで作品としては面白い試みだし、作品としても楽しめるのですけど、焦らしすぎて雑誌読者の方が離れてしまい、そのために単行本の売上げも頭打ちで、結局早期に打ち切りなんて憂いを見る作品も幾つも見てきているだけに、不安にもなるのですよね。

 私は単行本派なので、作品としてみる分には一気に読めるからまったく気にならないのですけど、雑誌の読者がどうなのか、というところで作品の寿命が決まってしまうのが、なんだか悲しい話ではあります。

 が、WEBコミックスなどでは、そういうじっくり系もだんだん市民権を得るようになってきているので、とにかく雑誌連載が無事に続くことを祈るのみの今日この頃です。

    

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