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2015/11/25

松本渚 「盤上の詰みと罰」 全2巻 アクションコミックス 双葉者

 1ヶ月が経つと記憶がリセットされ、その間に経験したことは全て忘れてしまう、、、それがカレンダーのように毎回繰り返されたとしたら。

 17歳で棋界で有望視されていた女流棋士である少女は、そんな奇妙でもあり、そしてある意味では棋士として絶望的な環境に置かれたわけですが、そんな彼女が選択したのは、「1ヶ月間、全国を旅しながら将棋を指しまくる」という、ある意味では将棋まみれな生き方。

 その旅の本当の目的は、倒れる直前に将棋を指した、ある意味ではその症状の原因を作った誰かを捜し当てることでもありました。

 掲載誌がなくなるため、単行本で続きを描き、2巻でまとめた感じになるようですが、全国津々浦々を旅して、色々な出会いもあるでしょうから、話は幾らでも広げようもあったんでしょうけど、この<結末>が最初から予定されていたのであれば(多分そうですよね)、分量的には、このくらいの尺でまとめるのが丁度良かったのかもしれません。

 よく考えてしまうと、記憶がないとはいえ5年間もセーラー服着ながら全国を徘徊しているわけですよね。まあ、、、まだ大学生くらいの年齢ならいいのかしら(・・・いいのか?)。
 そして5年間も罪に苛ませられられながら、結局真実を伝えられない義兄も。。。まあ1ヶ月のうち殆ど主人公が(旅しているので)家にいないから、精神的に耐えられたのかもしれませんけどね、、

 将棋の棋譜と共に、出会う人々との間で複雑な心理描写がされ、どちらかというと将棋自体より、それがこの作品のメインディッシュな作品でした。それが義兄との間にもあったわけですが(どちらかといえば、義兄が押し殺していた的な)、ここの部分はどうしても描写するには短かったのかな。。
 上の方で尺は丁度いいと書いておいて矛盾してしまいますが(汗)、心理描写というのもある程度、ページや色々な回想ドラマを綴りつつ描かれた方が、インパクトも強くなります。もっと物語りの途中というか中頃で、色々なエピソードがあって色々と臭わせつつ、最後に種明かしみたいな流れが理想なんでしょうけど、伏線を絡めつつ一気に結論に持って行かざるを得なかった訳でしょうから、まあ仕方ないでしょうかね。

 ハッピー・エンドなのかどうかは若干微妙な感じもしますね。まあ人それぞれの幸せがあると思えば、これはこれでいいのかな。。この二人は。
 けどまあ、少なくとも<将棋まみれ人生まっしぐら>が貫ける主人公にとっては、幸せな結末なのかもしれませんね。

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