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2015/11/26

暮石ヤコ 「ソマリと森の神様」 1巻 ゼノンコミックス 徳間書店

 一人の「人間」の少女と森の番人である1体の「ゴーレム」が出会い、人外の種族が支配する世界で旅をしながら滅び行く種族「人間」を探し求める、そんなファンタジー作品です。

 人外とはいえ普通に街や村を作り生活している異世界の人々。元々は人間と異世界の人々が別々に暮らしていましたが、ある日を境に争いが起き、戦いに負けた人間は迫害され、そして「人間狩り」と称して捕食されてしまう、そんな世の中になっています。

 少女が人間であることを隠しながら「人間」を探して旅をする彼らのうち、「ゴーレム」の方は、先にも書いたように「森の番人」と呼ばれ、森の木々や生き物が健やかに生育できるよう管理をするのが本来の仕事。その仕事場である森を出て旅を始めたのは何故か、それは物語の中で語られていきます。

 ファンタジーという切り口で、雰囲気も中世ヨーロッパを模した街並みなどなので、王道的な内容ではあるんですけど、どこか雰囲気が違うのは、人間が迫害され、捕食対象とされているという設定のせいでしょうかね。。
 他のファンタジー系の種族が滅びに瀕している、という設定はままありますけど、よく考えると「人間」が滅びの対象となっている、というのは案外ないかもしれないですな(私が知らないだけでしょうけど(汗))。

 そういう意味では新鮮な設定なのかもなあ、と思いますし、どこか哀愁漂う滅びというより、晩秋の紅葉がどんどん散っていくような、そんな雰囲気が全体的にあります。

 ゴーレムであり「神」と呼ばれる森の番人の寿命は千年。彼がどのように生まれ、どのような世界が展開していたのか、そして寿命が尽きた後どうなるのか、それも物語の中でおいおい語られていくでしょう(1巻でも一人の”森の番人”の末路は出てきます。色々なパターンがありそうですな)。
 そして、そもそも森の中で彼に拾われた「人間」の少女の事情についても、今は謎のまま。それも物語の中で明らかになっていくんでしょう。

 少し物悲しい雰囲気の中で、静かに旅をする二人がとても印象的な、そんな作品です。

  

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