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2015/10/16

谷口ジロー・久住昌之 「孤独のグルメ」 2巻 扶桑社

 「夜食テロ」との異名と共に、すでにシーズン5に突入した深夜テレビドラマの原作が、なんと2巻目が出たということで。

 同時発売の「孤独のグルメ巡礼ガイド」も2巻だったので、表紙が似ているので発売当日は見落としてしまい、やっと先日手に入れたんですが、なんと2週間しか経ってないのにもう第3版とか。。
 最初の原作は1997年発売ですから、18年ぶりの2巻目ですね。

 作品自体の起源は、泉昌之(泉晴紀+久住昌之)「かっこいいスキヤキ」に掲載された短編「夜行」(これがデビュー作らしい)における、トレンチコートに帽子の男(「食の軍師」のあの男です)が、”駅弁を食べるだけ”という描写でしょう(Wikiを見ると、この作品を見た編集者が、この短編に感化されたことが掲載されていますんで、間違いないんでしょうね)。
 この短編も当時、結構衝撃的でした。弁当のおかずをどの順番で食べるか、そしてその一つ一つを評価しつつ味のバランスを考えて食べていたのに、最後に予測を裏切られて段取りが全て崩壊し、泣き崩れながら電車の中で弁当を頬張るというシュールな漫画でして、、、。弁当だけでここまで描写しちゃうのかという事と共に、自分が何かを食べているとき、無意識にとっている行動を説明したらこうなるかもなあ、という「あるある」な共感が持てるところが面白かったのを覚えています

 その原作者である久住昌之と、ハードボイルド劇画の大御所である谷口ジローがコラボした作品ということで、単行本が出たときにはビックリたまげました。そして内容は、日常の中で出会う食事処でのエピソード。まさに「夜行」で垣間見た作風そのまま。あの作品を劇画調にしたら、こんな雰囲気のなるのかと。
 それまでのと言うとアレですが、グルメ漫画とか料理漫画は、やはり美味しそうな奇抜な料理を出してなんぼ、という風潮は当時からありました。けど、その料理を美味しそうに見せることは、うんちくを並べ、そこまでの努力を描写しまくっても、そしていかに美味しそうに描いたとしても、どこかに限界はあったと思います(今でもそうですけどね)。
 そこに、特別に美味しい訳でもなんでもなく、日常的にぶらっと入った食事処で、今日はアタリだハズレだという、そんな描写で構成された漫画は、当時は勿論ありませんでした。そして何といっても普通の何の変哲もない定食でも、「美味しそうに食べていたら、その料理は美味しそうに見える」ということに気付かされた作品でもあるんですよね。。
 ある意味では、その後のグルメ・料理漫画に、こういう点で影響を与えていたんじゃないかな、と思ったりしました(個人的な感想です)。

 今更紹介するまでもありませんが、テレビドラマ版の大フィーバーで影が薄くなりがちですが(毎週私も楽しみに鑑賞していますが>Season.5)、漫画版を読むと、やはり独特の味があるなあ、、と思います。結局、頼んだ料理で失敗したり、頼んだものを食べずに店を出ることになるエピソードなども味があります(実在の店でやるTV版では、やりにくいエピソードですが。あ、けど絡んでくるおっちゃんをねじ伏せる回は、1回ありましたかね)。

 テレビドラマ版に填まっている人は、もうすでに読んでいるとは思いますけど、もし読んでいない人がいるならば、文庫版からでもよいので読んでみるといいでしょう。

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