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2015/10/15

峠比呂・岡崎琢磨 「珈琲店タレーランの事件簿」 全2巻 宝島社

 いわゆる推理もの小説のコミカライズですが、原作は読んでいないのですけど、よくまあこんな難しい作品のコミカライズ引き受けたなあというくらい、工夫と苦労が伺える作品になっているなと感じました。

 特に殺人事件が起きるとか、そういうことはなく(まー、ストーカーは登場しますが)、喫茶店に訪れた青年が見聞きした話を、喫茶店のバリスタである主人公(女性)が聞きながら、その裏側を深く読み解き、言葉の裏に隠された謎を推理していくという作品になります。

 これが小説であれば、読者は頭の中で色々な場面を空想し、そしてその読者の空想の中の思い込みを、バリスタである主人公が滅多斬りにして(違)どんでん返しするという、そんな流れになるんだと思います。
 小説としてなら、違和感のない流れで作品になるでしょうね。

 これを漫画でやろうとすると、、、、
 登場人物の言葉だけを描写すればいい小説とは違い、状況描写は劇中劇が必要になりますね。さらに劇中劇の中には、どんでん返しのヒントとなる伏線も”絵で”入れなくてはならない(劇中の語り部の思い込みも含めて)。露骨に判るようにいれ過ぎると、推理小説としての面白さをスポイルしてしまうし、まったく伏線を入れずに種明かしだけで説明されると、漫画としての面白さは半減してしまうんじゃないかな。。

 さらに言えば、劇中劇と現実の描写を、きちんと読んでいる人が迷わず判るように描き分けないと、読んでいる方が混乱してしまいます。
 少し演劇的な演出となり、登場人物達の会話はどうしても多い描写になりますが、そういう漫画にする上で非常に難しい部分を、上手に構成して描いているなあと、改めて感じた読後感でした。

 漫画から原作の内容が想像できるわけですが、こんなネーム作るだけでも面倒で難しい作品、よくチャレンジしたなあと思います。そして、小説としての技法を駆使した作品を、映像化するというのは難しいと思うんですが、それを漫画としてきちんと表現できているところが凄いなあと思ったり。

 なんか作品自体の話をしていないぞっ Σ( ̄□ ̄;)

 静かな雰囲気の主人公バリスタと、語り部としての青年(これも最後にはどんでん返しがありますね)の、言葉の駆け引きと謎解きは、想像の斜め上をいく結末で、どんでん返しの連続になっていて、それなりに楽しめる作品でした。

 原作の小説のファンの方がどのように捉えるかは判りませんが、漫画として構成するとこういう感じになるのかあ、という感じで、同じ料理でもお店ごとに少しずつアレンジが違うんだよ、という風に思って読んでみれば、案外面白いんじゃないかなあと。

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