史群アル仙 「臆病の穴」 1巻 少年チャンピオンコミックス タップ! 秋田書店
ネットで公表された1ページ漫画の集大成「今日の漫画」が話題となりましたが、その作者の連載作品になります。
1ページが12ページになりましたが、そのテイストはそのまんま引き継がれていますね。
この人の作品を紹介しようと言っても、部分ごとの部品として示すなら、以下のような感じでしょうか。
・手塚治虫など、昭和の巨匠の影響を受けた絵柄
・主人公の心の叫び、逆境に対する憤りを描きつつ、他人に対して非情にはなれない
・主人公達は自分の状況に絶望しつつも、何かに心を救われていく
と、こんな記号のような解説は意味があるのか。。。
ないです(断言)。
1ページ漫画でも思いましたが、とにかくこの人の作品の”個性”は強烈です。前作は、いわゆるガロ系などと呼ばれる個性的な作品と並べて置かれていることが多いようですが(まあハードカバーだし)、とにかく読んだ印象は「こんな漫画見たことない!」でした。
絵だけをパッと見れば、手塚系のオマージュ?にも見えますが(最初、絵柄から田中圭一みたいなパロディかな?と思ってしまったのは内緒(爆))、読めばまったく違うものだと誰でもわかると思います。
そして小難しい、理解しがたい難しい作品ではなく、日常誰もが心の中で叫んでいて、けど口には出せないような内容を絶叫しつつ、けどその憤りを外には出す勇気はなく、愛するものにすがることで心が救われる、、、
そんな内容が綴られています。
その内容が、この絵柄に思いのほかマッチしていて、非常に独特な雰囲気の作品に仕上がっているなあと。
そして、絶望して終わるのではなく、どこかで心が救われれば何とかなるのかもなあ、、という部分が、また他のガロ系(って言葉が適切か分かりませんけど)な作品と少し違うところでしょうかね。
あんまり小難しいことを書くより、「まあ読んでみなさい」な1冊ですかね。 好き嫌いは多少あるかもしれませんが、読者は選ばないんじゃないかなと思います。
恐らく初見の人なら、「こんな漫画見たことない!」と思う、、、んじゃないかなあ?
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