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2015/07/27

芦田豊雄 「新撰組異聞 暴流愚」 全2巻 画楽コミックス ホーム社

 作者である芦田豊雄氏についてはこちらを読んでいただいた方が早いですね。

 70年代から活躍し、比較的最近の作品で有名なものではアニメ「北斗の拳」の監督も務めた方です。他にも「あ、見たことある」というものに沢山参画されていますが、とりあえずそれは割愛。

 この作品自体は、少年画報社から2001年に1巻が発売され、私もこれを購入していたんですが、2巻が出ないなあと思って随分と、、、って10年も経っちゃいましたが(汗)、2011年を過ぎた頃にお亡くなりになったことをきっかけに、改めてどうなったか調べたら、2004年に完全版としてぺんぎん書房という所から出版されていたのですね(汗)。

 まだそれを知った段階では、書店に並んでいたのですが、A5版で5cm近くの分厚い愛蔵版であったことと、完結しているのか?というのが少々心配にもなり、つい見逃してしまったため、手に入れることが出来なかったのですね。。
 置いていた本屋も漫画専門書店だけで、その1度きり見かけたのですが、それっきり出会えなかったという。
(勿論、いまは中古でネットで購入は簡単にできる時代ですけどね。隔世の感があります。。)

 それがここに来て、B6版 全2巻で再版されたということと、完結していると言うことが帯で分かったため、改めて購入してみることにした次第です。続きが気になる作品だったので。

 前置きが長くなりましたが、作品自体はタイトル通り、新撰組に関わる物語となっています。歴史の裏で暗躍していた別働隊があった、ということで、そこで不思議な武器で暗殺し、敵を倒す”暴流愚”という男が主人公です。

 が、本人が何を考えているかなどは、殆ど物語の中では語られません。何のために戦うのか、その目的も当初(当時の1巻。本作の上巻)では分かりませんでした。断片的に分かったのは、アイヌに関連していることと、彼自身、アイヌでも日本人でもないのでは、というその風体。
 そして武士との戦いには、鋭く尖った黒曜石の破片を投げつけ、隠し刀で殺すその様は、武士には程遠い、形式などには則らない、まさに「殺し合い」を生き抜いてきた戦い方です。
 けどまあ、侍の格好いいチャンバラを期待すると、なんかもう「卑怯」としか言いようのない殺陣なので、まあそこは賛否が分かれる部分かも。。ですね。

 新撰組が直接動いたことにしては不味い案件を、その別働隊に投げ、そして新撰組の中でも謀略や策略が飛び交う。。

 そしてそんな中で使い捨てにされる別働隊は、それぞれ時代の中で翻弄され、消えていく。。

 下巻では、話を折りたたむために多少急いだ所もありますが、全ての行動の意味、暴流愚らの出自、そして目的が描かれていき、その中で戦いに敗れ、消えていく<新撰組>のそれぞれ末路が描かれていきます。

 最後の最後、ちょっとしたどんでん返しもありますが、いい感じでまとまっているんじゃないでしょうかね。

 アニメーターが漫画絵を描く、なんてのはもうそんなに珍しくもないですが、この方は漫画は他に短編を数編描いているだけ。メインはアニメ畑の人です。

 いまこれを復刊するタイミングというのがよく判らない部分なのですが、元々はこの作品、アニメ化を前提としたシナリオだったとのことですんで、もしかしたら? ・・・と、あまり期待せずに読みませう。もしあるなら、沖田総司の”首チョンパ”は、アニメではどんな表現になるのか、かなり興味はありますが(笑)。

 仮想時代劇ものとして、なかなか楽しめる作品です。1巻1000円は少々お高いですけど、価値はあるんじゃないかなあと。

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