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2015/07/16

清水茜 「はたらく細胞」 1巻 シリウスKC 講談社

 「真面目に学習漫画をドラマチックに描いたらこんな感じになっちゃいました。」

 この1行で全部説明が済んでしまいそうな、そんな凄い擬人化漫画です。

 まあ擬人化漫画というジャンルが出来ちゃった感じもしますけど(面白いものもありますが、若干食傷気味、、、なので、試し読み小冊子を見るまで、実は買う気はなかったのです(汗))、この作品は一線を画している点が結構あります。

 それは人間の体内の様々な細胞の働きを、しっかりと押さえている点。知識的には高校受験レベルか、大学の理学系か医学系レベルの知識で描かれている感じがします。小学生向けに判りやすく、ではないんですが、けどそういう基本的な部分をきっちり消化して描いているので、結構勉強になるなあと(勿論、物語の構成上、あえて無視されている設定もあると思いますが。細胞の寿命ってどのくらいだっけ?みたいなところとか。まあ、この辺りは野暮ですな(・∀・))。

 そしてキャラの作り込みも結構的確で、細菌などを駆逐する凶暴(?)な白血球のスプラッタな表現とか、なかなか誇張されてて面白い。血小板は小学校低学年みたいなキャラで出てきますし(小さいってだけかよっ!)、細菌はもう特撮の怪人よりも奇っ怪に描かれてますし。細胞は勿論沢山ありますから、モブシーンみたいな感じで各キャラが逃げ回ったり走り回ったり集団で戦ったり。破壊シーンがやたら多い気もしますが(笑)、とにかくそういう部分についても細かく描かれていて、それがまた面白いんですね。

 そして何より、物語としてしっかりドラマしていて面白い。普通の学習漫画であれば、なんだか解説してくれるキャラが出てきて、絵入りで説明してくれる、というのが基本的なパターンですが、この作品では指令を送ったり、外部からの侵入者への対応のタイムラグやそれぞれの働きなど、ドキュメントタッチな描写も含めて、完全にストーリーとして見せています。

 こういう描き方なので、スギ花粉によるアレルゲンで引き起こされる騒動では、もう”ミサイル”は飛ぶわ、ダムは決壊するわみたいな表現で、それぞれの細胞なりがパニックになりながらそれぞれ行動し、最後には薬物投与で焼け野原みたいな、ちょっと読みながらにやけてしまいそうな、そんな派手な描写になっています。

 いやあ、、大人向けというのでもないんでしょうけど、学習漫画をドラマとしてしっかり描いたら、こうなるのかあ、、と感慨深く思ってしまいました。

 漫画って本当に面白いもんですなあ。

  

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