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2015/05/27

影待蛍太 「GROUNDLESS」 4巻 アクションコミックス 双葉社

 3巻までの紹介はこちら

 この作品、丁度1巻ごとに緩急があります。

 主人公目線出見ると、1巻目が導入である”動”、2巻目が目的を達して目標を見失う”静”、3巻は仲間を救うための巻き返しの”動”、そして4巻目は新たな場所での任務と周囲の動きを描写する”静”。

 前にも書きましたけど、これを雑誌連載でやってしまうと、雑誌の読者には飽きられてしまう可能性があり、結構微妙な構成な気がします。ここはもしかしたら、WEB連載の利点かもしれないなあと(勿論、制約等はそれでもあるとは思いますが)。
 しかし、じっくりと読む単行本派の私にとっては、この緩急(動と静)の流れは、とても判りやすく丁寧でいいと思うんですよね(あくまで個人的感想ですけどね)。

 この作品では”静”の部分では、それぞれの登場人物の思惑や立場、そして過去の経緯などを、非常に細かく描写しています。それぞれが持つ事情や考え、そして何がしたいのかという気持ちの部分が、しっかり描写されているわけです。

 それが”動”の部分では、戦いの中に一気に身を投じる登場人物達の、それぞれの”行動原理”としてしっかり動機付けになるんですね。

 そういう部分って、やはり連載の尺とかページ数の制限等もありますし、本筋から逸れてしまいやすい部分でもあるので、省略されてしまったりすることも多いんですが、この作品ではその「登場人物を動かすための下地」として、ページ数もそれなりに割いて、それでいて冗長にならない構成でしっかり演出されています。

 殺し合いの中にもおどけた描写や笑いも、スナイパーに蹂躙される人々の恐怖をより強調するための隠し味として機能しているんじゃないかなと。。

 4巻では、とある街に軍の手伝いとして行くことになったヒロインが、街に逃げ込んだ反乱軍との、謀略と駆け引きの中に放り込まれ、様々な人々の思惑が交錯する中、時計台の上で静かに街を観察しつづける、そんな流れです。

 軍、反乱軍、そして民衆と、それぞれが困難な状況をどう乗り切ればいいか、ギリギリの施策を練り、、、民衆は盾にされながら、それぞれの暴走が始まると。。

 ある意味では、悪者なんていないのかもしれません。一部の指導者達以外には、、人々は翻弄されるだけの犠牲者なんでしょうね。。ヒロインも含めて。


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