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2015/05/28

日本橋ヨヲコ 「少女ファイト」 12巻 イブニングKC 講談社

 もう10巻の大台を突破して12巻っすね。。

 この方の作品は、とにかくメンタルな部分に果敢に突入して玉砕して悩んで吹っ切れて、という感じで、とにかく精神的な部分の描写が丁寧な上に、挫折したときのもう死にそうってなくらいの絶望感の描写もリアルで、「青くさい青春もの」系といったところ(いい意味で)。
 そういう点で、読む方の好き嫌いも大きく分かれる部分もあったりした、、かもしれません(当然、私は大好きな作風だったんですが、人に薦めるには合う合わないを考えないと、という感じですかね)。

 けど、「スポーツもの」という枠に飛び込むことで、このメンタル面の描写の持ち味が存分に生かされているなあ、と思いました。

 スポーツも何だかんだ言いながら、体力・技術や才能などに加えて、メンタルな部分が非常に重要であることは、どの分野でも今は普通です。学園ものなど、学校という枠の中から飛び出て、思うにもう<水を得た魚>状態だなあと感じたりします。

 さらにスポーツというジャンルにして良かったところは、悩んでも悩んでも、どこかの区切りで<試合>というイベントが必ずあること。

 普通の学園ものだと、まあ体育祭や文化祭等々、イベントはありますけど数は少ない。精神的に追い詰められたキャラが、どのタイミングでという時に、きっかけが少ないために、描写が深くなればなるほど冗長になってくる危険があります(まあ、人間なんてウジウジし始めたら、数年くらい精神的にアレしちゃう場合もあるんですから、そういう意味ではリアルではあるんですが)。

 けど、スポーツものでは、まあ部活であるから毎日練習もあるし、そして定期的に練習試合や交流試合、そして春高などの全国大会もある。そういうイベントに間に合う、間に合わないを問わず、作品の緩急がとても付きやすい部分がある。
 さらにチームプレーとなる競技スポーツであれば、様々なキャラが登場し、それぞれの持ち味や個性、そしてそれぞれの抱える悩みなど、群像劇としても色んな”味”が楽しめる(笑)。さらに他校の選手たちも加えれば、もう安居酒屋のメニューくらいバラエティーに富んでいると。

 さらに加えて、ヒロイン達のチームに<ヒール>という役割をあてがったのも、良かったんじゃないかなと。
 まあ今までの日本橋作品だと、主人公達の立ち位置は、制度や社会に対する”反抗”という感じのスタンスの場合が多かったです。ある意味、それをスライドさせている部分もありますが、単に社会に対して反抗しているのとは違い、<ヒール>であれば社会から分離されているわけではない。役割を演じているという面で、世間との向き合い方が違ってきます。

 作品背景の構図や作風などは変な話、大きく変わっていないように見えるのに、「舞台装置」が違うと、こうも持ち味が活きてくるのかあ、、という感じで、読んでいても楽しく嬉しい限りだったり。

 12巻あたりまでくると、もうメンタルがぼろぼろだったヒロインの「練(ねり)」も、かなりタフになってきました。却って彼女を支えていた彼氏の方が、精神的にどんどん追い詰められつつある状況、、
 そしてそういう弱点を、平気で使ってくる謀略家の魔の手が、恐らく次巻以降に時限爆弾のように炸裂するんだろうなあと。。どきどき。

 というわけで毎度、続きが出るのが楽しみな作品でしね。

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