佐藤洋寿 「スズキさんはただ静かに暮らしたい」 1巻 ZENON COMICS 徳間書店
世間から隠れるようにしつつ、苦労しつつもある意味ごく普通に生活する母子家庭のとなりに、スズキさんは住んでいます。安アパートの壁は薄いので、親子が夜中にゲームなどしていると五月蝿いわけですね。度々文句をいうスズキさんな訳ですが、、、
少年の生活は、誕生日の夜に突然崩壊します。そしてその場に居合わせたスズキさんと共に、逃避行が始まるわけです。。
あまりに何気ない仕草ばかりで普通の「隣のお姉さん」にしか見えませんが、スズキさんは<殺し屋>です。デザートイーグルのしかも50口径とか、ちょっと女性の細腕にはキツそうな銃ですけど、それを駆使し、クールに無表情に標的や襲いかかる敵を倒していきます(まあ銃ばかりではないですが)。
そして少年は、ある犯罪、、「5億円事件」のある場面を目撃したために、親子ともども追われる身になり、逃げ回っていました。その追手がついに居場所を突き止め、そして少年だけが生き延びたと。。
衝撃的な状況のため、小学生である少年自体にも混乱などが生じますし、ほぼ巻き込まれたスズキさんも、成り行きで逃避行をせざるを得ない状況になっていくわけですが。。
設定自体は、映画「レオン」の逆パターンに近いですが(殺し屋と子供の性別が逆?)、勿論中身はかなり違います。
まあ、少年も復讐したいという訳ではなく、とにかく逃げるしかない。精神的にもかなり不安定ですしね。
そして、スズキさんの方は、関わりを持たないように、持たないようにしつつ、どこかに家族のような雰囲気への憧れがあるのか、少年を連れて逃げることになります。
そして、僅かな痕跡を辿りながら、逃亡先にも現れる組織のしつこさ、、、
サスペンスものとしては、かなり良く出来ているなあ、という感じです。
デザートイーグルはちょっと強力すぎるイメージがあるんで、本当に女性で扱えるのかなあ?と疑問もあったんですが、きちんと取り扱えば撃てないことはないみたいなんで、まあいいっすね。
けど、安アパートの薄い壁は隣だけでなくもう1~2枚くらい撃ちぬいちゃいそうな気も(汗)。まあ、そういう気になるところは若干あるものの、これは実写映画やドラマにしても面白いかもしれないなあ、という感じがします。
警察を悪者にするというあたりが、ちょっと一般向けドラマとしては難しいかなあ?
2巻以降、逃げ延びた先で、どのようなドラマが展開していくのか。。
クールな表紙と分かり難いタイトルですけど、サスペンス&ハードボイルドものが好きな人には楽しめるかと。ネタバレしないように紹介するのは難しいですが(汗)。
| 固定リンク
「C_アクション」カテゴリの記事
- 赤瀬由里子 「サザンと彗星の少女」 上下巻 リイド社(2018.04.25)
- 山城良文 「反逆のオーバーズ」 1巻 BEAM COMIX エンター・ブレイン(2018.04.19)
- 岡野める 「殺し屋ドロシー」 1巻 マンガハック(2018.03.16)
- ジジ&ピンチ 「下獄上ものがたり」 1巻 ヒーローズコミックス ヒーローズ(2018.03.12)
- 伊藤勢/田中芳樹 「天竺熱風録」 3巻 ヤングアニマルコミックス 秋田書店(2018.03.02)
「C_サスペンス」カテゴリの記事
- 環望 「泪~泣きむしの殺し屋~」 1巻 アクションコミックス 双葉社(2018.02.08)
- イダタツヒコ/広江礼威 「築城院さんハシャギ過ぎ」 1巻 サンデーGXコミックス 小学館(2018.01.24)
- 佐藤洋寿 「スズキさんはただ静かに暮らしたい」 2巻 ゼノンコミックス 徳間書店(2015.10.22)
- 竹良実 「辺獄のシュヴェスタ」 1巻 ビッグコミックス 小学館(2015.06.25)
- 野田サトル「ゴールデンカムイ」 3巻 ヤングジャンプコミックス 集英社(2015.06.15)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント