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2015/05/13

玄鉄絢 「スモーキーゴッドエクスプレス」 1巻 MANGATIME KR COMICS 芳文社

 気の遠くなるような時間をかけて宇宙を航行する移民船。
 目的の星系まであと数十年という地点で、不遇の事故により貴重な資源(水)の多くを損失し、緊急事態に見舞われる。
 移民船指導部の決断は、多くの乗員(住民)の人口冬眠(凍結)による資源消耗の回避だったわけですが。。。

 真っ赤な表紙からは想像しにくいですが、かなり本格的なSF作品です。ほんと、何というかタイトルも想像しにくいですよね。

 作中でも説明はありますが、「地底世界への特急(片道切符)」という意味合いとのこと。存在するかしないか分からない、存在するとすれば、そこから逃げ延びてきた生き残りの談からすれば、外部の人間を受け入れる世界ではない、、と。

 これはそのまま、この移民自体を象徴した話でもあります。
実は移民予定の星系については資源の有無以外には情報はなく、そこには知的生命体がすでに生息しているかもしれません。

 つまりその星に住むことが出来るかどうかすら、何の確証もない片道切符なわけです。。

 そんな移民船の中で、凍結を逃れ、そして凍結解除を求めて破壊工作に走る少女、、様々な立場の人々の思惑と陰謀、謀略が入り乱れ、何十年という気の遠くなるタイムスパンと、生死を賭けたスピーディーな戦いのタイムスパンが、印象的に交錯していくという感じです。

 このタイムスケールの対比は、ある意味では宇宙の壮大さを表現し、そしてある意味では人間同士の争いの小ささ、醜さを表現しているとも言えます。
 ただ、SFが好きな人であればリアリティーを感じつつ楽しめそうな気がしますが、そうでないのであれば、少し間延びした印象の方を強く受ける可能性もあるのかなあ。。

 1巻ではまだ物語は「序章」に過ぎない、状況の説明が主という流れになっています。なぜ破壊活動に走るのか、というあたりも、凍結された親友を取り戻すという目的があるものの、行動との整合性がもう少し説明されてもいいかな、というところもありますが、まだまだ状況は変化していくでしょう。

 そしてまだまだ、星に到達するまで何十年もかかるわけですね。。
 そこまでにどのような物語が紡がれていくのか、宇宙スケールで見守るということで。

 この作者さんの作品、漢字だけ変わってますけど初期のものを1冊だけ持っていました。
 ここまでハードなSF描かれるのかあ。遡って読んでみたい気が。。

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