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2015/05/21

八木ゆかり・万乗大智 「無重力ガール」 1巻 ビッグコミックス 小学館

 事故が続き、宇宙を目指すこと自体がもはやタブーとなっている近未来、、、

 宇宙飛行士の候補生というだけで白い目で見られ、税金の無駄遣いと陰口をたたかれる、そんな中で火星を目指すために宇宙飛行士訓練学校に入学した少女の物語です。

 軌道エレベーターまで開発されているのに、その先には事故や不具合の連続で、70年近くも先に進めない、火星有人飛行すらまだ程遠い、そんな世知辛い近未来。。
 あり得ないとも言えないかもなあと思うのは、今の原子力への議論なんかも見ていると思ったりしますね。原子力の是非は置いておいて、空気感はまさにそれに近いような気もします。
 候補生の家族というだけで生活しにくくなる、そんな冷たい醒めた世界、、嫌だなあ。。

 とうとう候補生すら殆ど集まらなくなってきたため、自由応募という形での募集1期生がヒロイン達の世代。入学の基準が緩くなったことを反映し、教官は鬼のように厳しく接し、ちょっとしたことでも連帯責任で班ごと退学扱い。

 そんな逆境のような厳しい環境の中で、ヒロイン達のチームは宇宙を目指すわけですね。

 軌道エレベーターの試験など、非常に過酷な課題が次々に与えられます。そしてふるい落とされていくと。けどそれは、ある意味では不適格者を「死なせない」為の厳しさでもあると。そういう意味で、女性ばかりの候補生という位置づけとは裏腹に、非常にシビアで重い世界設定となっています。

 しかし、事故の連続で宇宙への夢が潰えるというのも、ちょっと悲しい世界設定ですね。。
 何となく裏設定としては、何かの組織の謀略であるとかそういうものが潜んでいる可能性がありそうですが、それはまだ語られていません。もしかしたらもっと別の設定かもしれませんけどね。そんな憶測をしてしまうくらい、ある意味では不可解な世界設定になっています。

 自分の目標を持っている人間が強い、そういうヒロイン達の強さも全面に出しつつ、これからどう難関を突破し、そして火星に辿り着くことができるのか。。

 宇宙を目指すというと、柳沼行の「ふたつのスピカ」を少し彷彿とさせますが、ある意味ではもっとハードなSF作品です。

 しかしまあ、宇宙開発をここまでネガティブに描写する作品も珍しい(笑)。そんな逆境に負けず、次々と押し寄せる困難を熱血で乗り切る(爆)、そんなパワフルな部分も楽しい作品になってます。

 実は次巻で終わりらしいので、ちょっと悲しいですが。。
 私はこのネガティブ設定が変わってて面白い気もしたんですが、ちょっとやり過ぎだったのかなあ。。勿体ない。

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