« 恩田澄子 「ミガワリメーカー」 全3巻 シリウスKC 講談社 | トップページ | 君塚祥 「上海白蛇亭奇譚」 1巻 BUNCH COMICS 新潮社 »

2015/04/22

今井哲也 「アリスと蔵六」 5巻 RYU COMICS 徳間書店

 もう5巻になりますけど、1巻のインパクトは強烈でした。。

 半ば何でもできる(物理の法則を無視して何でも生み出せる)超能力者に、ある意味、ただの花屋の頑固じじいがゲンコツ喰らわせて黙らせ、「筋が通るように説明して貰おうか」と、説教してしまうという。。。

 超能力には超能力で!みたいなインフレではなく、そもそも暴走しやすい能力として描かれている特殊な能力。そして強力な能力を持ちながら生まれた子どもみたいな(いやまさにそうなんですけど)紗名が、本当に子どもらしく、じいさんに怒られて泣いて謝るわけですが、、、

 どこかで失われてしまった、「筋の通らないことをすれば怒る(どんな子どもに対しても)」という、数十年前までは当たり前のことが、改めてこう描かれると完全に失われつつあるなあ、、と思ったりする昨今ですね。

 この作品、そんな紗綾を含めた”能力者”の子ども達の悩みや、それを乗り越えて少しずつ成長していく様を描いている、そんな気がする作品です。

 5巻でも、まさに能力者以外も含めた3人が友達になっていく、そんな過程が綴られています。一応、このあたりで第2部完というところかな?

 SFとしても設定が秀逸だなあと。超能力なんて「能力」描けばある意味、何でもありなわけですけど、その能力自体にもちゃんと”何故”が用意されているようで、ちょっと普通の超能力ものとは一線を画しています。
 不可思議なワンダーランドな世界にも数々の伏線があり、なぜこんな世界が、こんな能力が存在するのか、秘密組織の目的は何なのか、、それらの裏設定が恐らくこれから語られていくことでしょう。
 そういう世界設定が部分がしっかりしているからこそ、子ども達の成長と、絶滅危惧種の頑固親父との掛け合いが活きてくるんだと思うんですね。

 別に凄い兵器が出てくるわけでもなく、どちらかというと「不思議な国のアリス」的な雰囲気もあり、恐らくSFなどに興味がない人でも楽しめる作品なんじゃないかなあと思います。

|

« 恩田澄子 「ミガワリメーカー」 全3巻 シリウスKC 講談社 | トップページ | 君塚祥 「上海白蛇亭奇譚」 1巻 BUNCH COMICS 新潮社 »

C_ファンタジー」カテゴリの記事

C_超能力」カテゴリの記事

C_SF」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21254/61440600

この記事へのトラックバック一覧です: 今井哲也 「アリスと蔵六」 5巻 RYU COMICS 徳間書店:

« 恩田澄子 「ミガワリメーカー」 全3巻 シリウスKC 講談社 | トップページ | 君塚祥 「上海白蛇亭奇譚」 1巻 BUNCH COMICS 新潮社 »