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2015/04/07

三原順 「ビリーの森ジョディの樹」 全2巻 白泉社文庫 白泉社


 ことの流れは、先日の4月4日、「三原順復活祭」の関連イベントとして開催された講演会「アンジーは私の理想の男性だった! ~ヤマザキマリ「はみだしっ子」を語る~」 の内容に触発されてっということで。

 「はみだしっ子」をまだ読んでいなかった私ですが(爆)、それでもなんか楽しくお話を聞けましたですよ。不思議、不思議。お風呂の話題なんて殆どなかったのに、です。
 ある意味、いつの間にかかなり学問的な世界にまで突入していることに、視聴者も一寸気が付きにくいくらい、実に濃い話をされていました。。
 4人という別々の個性の視点で、一つの事象を観察していく。。ある意味では、これは「世捨て人」の世界観だなあと思って聞いていました。勿論愛を求めている彼らですが、立ち位置は完全に世間というものの”外側”にある、外側から世知辛い”世間”を観察している視点、、それが許されるのが、10歳前後という年齢層の子供である、ということなんだろうなあと。まあ、そういう位置に立たされる”彼ら”も相当大変ではありますが、と読んでもないのにそんなことを講演を聞きながら考えていました。。

 というか、この4ヶ月連続の展覧会ですけど、気合いの入り方は半端ではなく、そしてファンが半ば中心となって盛り上げているという構図も、一種異様にも見える・・・かもしれません。
 私の知っている限りでも、没後にこれほどのファンの方が情報交換をしながら集まり、そして一致団結して再販も含めて企画を作っていくという作家さんは、他には見たことはありません。

 で、そんな企画展の協力者の上から2つ目に名前が載っちゃってるしっ

 けど、正直に言いまして、実は三原作品は「ビリーの森・ジョディーの樹」しか読んでいなかったのです。。

 そんな私がなんで名前連ねてるねんっ、という話になりますが、、長くなるけど説明しておきませう(本の紹介じゃないから読み飛ばしてOK)。

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 話は10年以上前になりますが、当時は古本探しというのをやっていました。一応対価も戴いていたからボランティアじゃないんですが、全国各地に出張することが多かったことを生かして、金曜日までの出張の後、土日にその出張先周辺の古本屋さんを十数件廻って「宝探しをする」というのが、なかなか楽しかったんです。
 北は東北から南は九州まで。ほんと、全国津々浦に行きました。。

 その流れで、ホームページで「探求本」を募って、私が本を探すという感じ。暫くやってると、だいたい皆さんが探している本の目星が付いてくきたので、「あ、これ探してる人多いよな」という感じで、頼まれていないものも見つけて買っといて。。
 って、まあ殆ど「セドリ」の世界に突入しちゃいましたけど、そんな感じで自分の本以外のストックが山ほど出来ちゃったりしましたが(自分でも欲しいものを残して、概ねまんだらけに売ったりして処分してしまいましたが。一部の貴重本はまだストックを若干隠してありますが(爆))。

 んで、そういう古本屋巡りの中で、三原本探しの依頼が来ていました。探して欲しいといわれたのが、「ビリーの森・ジョディーの樹」の2巻でした。
 ところが当初、これが見つからない。1巻はあるんですけど、2巻は本当に発売されたの?と疑問に思うくらい、数ヶ月は出会うことが出来ませんでした。プレミア本でもないのに、ここまで無い本はほんとに無かったです。
・・・なんか日本語変ですけど。

 そしてやっと見つけたのは、確か半年以上あとでした。

 こんだけ探すのに大変な本、一体どんな作品なんだろうと思って、1巻もあったので一緒に買って、譲る前に読んでみました。

 まるで欧米の少し古い映画のような描写と、必要最低限の台詞だけで物語が綴られ、印象的な絵にもほうほうと関心しつつ読み進んでいったんですが、2巻の中盤に差し掛かって、ネームのような下書きのページが並び始めて正直びっくりしたんですね。。

 遺作だとは一応聞いてはいたし、そういう途中の作品だとは、右から左で聞き流していたんですが、それがどういう意味なのか、読んで衝撃を受けました。まさに絶筆だったのだなと。。
 下書きなのに読めてしまうのは、これまた不思議でしたけど、この人の作品は、台詞が非常に重要なウエイトを占めていて、絵とコマの中にそれが配置されていれば、すでに作品として6~7割は完成しているようなものだったんだろうな、という感じがしました。

 しかし、この作品をこの状態で出版しようという出版社・・・というより編集者・関係者の凄みのほうが、正直ちょっと怖かったくらいです。これを出版するのに、上司の説得も必要だったでしょうし、そして出版社も勇気が必要だっただろうと(ほんとに小さな出版社だったと思いまので)。

 出版された冊数も少なかったと思いますが、それ以上にこれを買う人の多くは、余程のことがない限り手放さないわな。そりゃ古書店廻っても無いわけです。

 作品の印象よりも、そういう部分の印象も強かったことと、他にはSONSの7巻以外、その他の作品を探してという話が来なかったもので(あとは「はっしゃばい」かな?)、何となくですが、今回の講演の主題であった「はみだしっ子」を読む機会を完全に逸していたという。。。(誰も古本として探していなかったので(汗))。

 はい。言い訳です(・∀・)

 けど、正直ビリジョリを読んだ時のインパクトがある意味強すぎたために、その他の作品を読むのに、どこか心の中でちょっと敬遠していたところはあったのかもなあ、、と。

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 三原本の出会いと共に、今回活躍されている沢山のファンのボランティアさん達とも出会え、古本ツアーとかで宝探しで盛り上がり、、ある意味、別な意味で楽しい時間を過ごすきっかけを与えてくれたのが、三原さんの作品だったとも言えます。

 そんな付き合いも10年以上となっていますが、いつもほんと、「読んでない~、ごめんねー」と、気を揉ませてしまってゴメンナサイ! 名前も連ねてるのに、何も読んでなくてゴメンナサイ!

 けど、今回のヤマザキマリさんの講演を聞いて、なんか「はみだしっ子」を読んでみようって気になりました。その心の動きはまた別のところに書くとして。。。

 という、こんな話を「閑話休題」ということで、あとで書こうかなと思ったら、、、


 今日(4月6日)、偶然久々に覗いたブックオフに、下の2冊を見つけてしまったんですね。。
 再販ではない、主婦と生活社、初版の全2巻、帯付き。

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 そもそもブックオフで帯付きなんて、まず無いんですけど、なんか今日、あったんですよ。100円コーナーだったので救済してしまいました。。
 まあ、読み返すにしても文庫版って、やっぱり小さくて老眼に(ry

 一体、何なんでしょうねぇ。。

 ということで、なんかこれはやはり早めにコメント書いておいた方がいいのかなと。

 あまり作品の紹介にはなってないんですけど、どちらかというと「順番は間違えないように」ということを、ひとつの教訓に。

 この作品を読む前に、絶対、他の作品から読んだほうがいいです。えぇえぇ。そして一番最後に、この作品は読んだほうが良かったかもしれない。。多分。

 惜しむらくは、この作品、A5版の原本はもう滅多なことでは手にはいらないことです(今日みたいな偶然は、多分、宝くじに当たるくらいの確率でしか無いでしょう。経験的には)。

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