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2015/04/11

琴葉とこ 「透明のココロ」 1巻 少年チャンピオンコミックス・タップ! 秋田書店

 素朴系の絵柄です。素朴だからこそ、心の中の言葉が滲みてくるのかなと。

 オムニバス形式の短編で、大学生の一人一人が思っている、けど言葉にできないココロの中を描写していく、そういう作品ですね。

 頭の中は大人のようでいて、心の中は中学生や高校生の延長くらいなのが大学生、、かな?
 頭のなかで考えていることが、18歳を境にいきなり大きく変わるわけもなく、しかし周囲の視線も意識し、相手はどう思っているだろう、こうしたらどういう反応するんだろう、とグルグルと頭のなかで考えながら、何気ない大学生活の日常の出来事が綴られていきます。

 この作品を読んでいると、作者の方は実に真面目に描いているなあと思ったり。現役大学生とのことですが、よく観察していますよね。
 さり気なく過ごす日々でも、一人一人は周囲の気になる人のこと、そして自分のことをいつも考えて生きているわけです。そんな<いろいろ>を、色々な視点や立場を通じ、一つの物語は一人の主人公の視点からぶらさずに、心の中で考えていることを「全て」描いていく、というスタイル。
 これ、これだけの人格を描き分けも意識しながら作品として仕上げていくのは、相当大変なんじゃないかなあと思います。。

 完全に「一人の視点」から綴られるその物語は、どこか「あ、こんなこと考えたことあるよなあ」とか、少しずつですが読者の経験にも被ってくるような、そんなある意味「日頃こういうこと考えるかもな」を、色々な主人公たちが代弁して真剣に悩み考え、ある時は明日への活力になり、ある時は失意に沈んでいく。。

 特に奇異な人とか、突拍子もない考えの人を描くのではなく、地に足がついた「よくあること」を描いているだけですが、物語としてそれを成立させるのに、相当苦労もしてるだろうなあ、と思います。

 その甲斐あって、心理描写が秀逸で読みやすいいい作品に仕上がってるんじゃないでしょうか。ちょっとチクっとするエピソードもありますが、そこが真面目なところなんだろうなあと。 世の中、マンガみたいに何でも思い通りになんていきませんからね。。

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