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2015/03/25

三ツ沢大介 「すみっこプリマ U-15」 全2巻 リュウコミックス 徳間書店

 登校途中に後ろ姿の筋肉の付き方から「只者ではない」と見破られてしまった、元クラシックバレエをやっていた少女が、成り行きで見学に誘われた「フットサル部」で、さらに成り行きで紅白試合に出場することに。

 この作品、構成がまず面白いですね。
 最近も、4コマなのに4コマじゃないページがあったり、4コマでもストーリーものになっているものとか、ごく普通になってきていますが、この作品も
「ああ、4コマ漫画かあ。」と読み始めると、盛り上がってくるシーンになると、自然と4コマの枠がいい意味で壊され、どんどん普通の漫画のコマ割りのように変化していきます。
 勿論、魅せ場を過ぎれば元の枠に収まっていくわけですけどね。

 作者の意図的な演出なわけですが、いい意味で緩急が付いており、面白いなあと思ったりしました。

 そして、この物語には沢山の主人公がいます。勿論ヒロインが主人公ではありますけど、フットサル部の一人ひとりが、とても個性的で、それでいて中学生らしくそれぞれが悩み、。。そして互いに時にいがみ合いながら、いつしか互いを理解し、そして成長していく、、

 そんな物語が、たった2巻の単行本の中に凝縮されています。

 初めて行うフットサルで、確かに非凡な才能は見せつつも、当然の事ながら”素人”なわけでして、そこはきっちり切り分けて描かれています。突然鬼コーチが猛特訓で、スーパーフットサル選手になっちゃったりとか、そんなことはありません(笑)。
 実はバレエの方が余程非凡だったりするわけですが、それ以上に、中学生らしい「将来」への不安、「現実」への不安、一人で抱え込んでいた悩みを、それをどう克服、折り合いをつけていくのか。。。

 ものすごくいい意味で、青春している作品になっているなあと。

 2巻という尺がちょっと短いかなという気はしましたが、ラストの気持ちのいいシメは、ちょっと清々しい感じでいいなあと。主題が少女たちの抱える悩みと、それを友人たちと共に分かち合い、その前へ進んでいく、、という部分なので、個人的にはこれでとてもいい〆方じゃないかなと思いました。


 若干心配なのは、この作品をフットサル漫画として読もうとしてしまった方々が、ラスト辺りのくだりに、どういう感想を持たれるか、、、というところですかね。

 まあ、、中学生の部活動ですからね。これが高校や大学とかでインターハイがアレコレとか全日本がー、とかいう話になってきちゃうと、こんなに気軽に、そしてサラッと青春の悩みは描けないと思うんです。プレッシャーの方とか「であるべき論」が圧倒しちゃって。
 あくまで部活動として楽しむ、悔しがる、そして悩み喜び、分かち合う、というのであれば、逆にこの方が自然で現実味や共感が感じられていいんじゃないかなと思いますが、いかがでしょう?

 この作品も、第1話がお試しで読めるようです。雰囲気は十分つかめると思うので、そちらも眺めてみてくださいな。
 

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