2017/09/21

西義之 「ライカンスロープ冒険保険」 2巻 ヤングジャンプコミックス 集英社

 魔物が跋扈するファンタジー世界で、様々な活躍をする冒険者達の為に保険屋を営み、「冒険保険」を生業とする、元魔法使いと”変わり身師(ライカンスロープ:要は変身する者)”の日常を描く、そんな一風変わったファンタジー作品です。

 保険と言っても単純な生命保険や対物保険とはひと味違い、いわゆるオーソドックスなファンタジー世界の中でのシチュエーションを踏まえた、冒険者をサポートする為の”オリジナル保険”です。クエストの途中で助けを求められる救出保険や、パーティーが仲違いした際の分裂保険やら、「ああ、確かに(ゲームで)こういう時に保険があったら・・・」を実現する、痒いところに手が届く様々な保険があります。

 保険の適用調査の為には、小さな映像記録用の使い魔が使われます。保険に入った人に常に張り付き、その映像記録によって保険の適用要件かの証明が可能となるという、単にファンタジー世界に保険があったら、、、というだけではない、なかなかよく練られた設定が施されています。

 1巻あたりでは、常にドタバタなコメディータッチで(笑)、何だかどう見ても儲かってない感が漂う保険屋稼業でしたが、2巻あたりから様相が変わってきました。

 突然さらわれた主人公の救出劇では、ある意味周囲を固めていた個性的な脇役達も、ダンジョンの魔物を倒すのに大活躍。そして冒険保険自体が、”魔物達”にとっても実は気になる存在となりつつあり、主人公がなぜ保険屋なるものを始めたのか、その真意も明らかになっていきます。。

 とは言いつつ、過去の冒険仲間が訪ねてきても、彼がなぜ”冒険者”をやめてしまったのか、その理由(恐らく何らかの事件がキッカケ)については、まだまだ語られぬままです。まあ、それはこの先辺りで明らかになっていくんでしょう。

 色々な伏線がしっかりと散りばめられ、”復活”によるゲームリセットの繰り返しだけではなく、時には”死”も存在し、そしてコメディー調の楽しさも忘れずに織り込まれる、結構奥が深い作品になってきたなあと思ったりしました。
 雑誌の掲載場所は変わるようですけど、3巻が結構楽しみです(・∀・)。
  

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2017/09/20

森尾正博/佐々木善章 「肉極道」 1巻 芳文社コミックス 芳文社

 祖父の急逝により肉料理の専門食堂「あさくら」を継ぐことになった、半ば料理素人のヒロインの店に、どう見ても自由業系にしか見えない強面の男が訪れたことから物語が始まります。

 肉に対する並々ならぬ情熱を持つその通称「肉極道」(ヒロインが勝手に命名)は、不味い肉料理にもめげずに通う常連を蹴散らしながら(爆)、強烈な駄目だしと共に、厨房に乗り込んで<肉料理の極意>をスパルタに叩き込む、そんな作品です。

 別に住み込みでもなく、フラッと訪れては肉料理を注文し(ちなみに鶏から豚、牛など肉なら何でもありというのが一応ウリの肉料理食堂)、その不味く調理された肉を噛みしめながら号泣し、そして強引に<技>を伝授していく、有り難いよりはかなり迷惑なお客ではあります。

 ある意味ではグルメ漫画ではありますけど、いわゆる普通のグルメ系とちょっと一線を画するのは、「至ってシンプルな肉の調理方法」、もっと具体的に言えば、家庭でも誰でも真似ができる、火の通し方とでもいいましょうか。。それに特化した作品だということです。

 シンプルにステーキを焼くところから、生姜焼き、とんかつ、唐揚げ、そしてベーコンに至るまで、普通にスーパーでも手に入れられる肉食材を、下ごしらえから焼き加減、油通しなど、面倒だけどちょっとした手間や細かな手順を踏むだけで、美味しく仕上げる方法を描いているんですね。

 ラム肉なんか、塩コショウだけで油すら加えません。それでも素材の旨味を引き出す調理方法と火加減だけで、十分過ぎるくらい美味しい肉料理ができる訳です。

 しかしまあ、ここまで基本の基本から教わっちゃうヒロインのお店、経営的に成り立つんか? という疑問も多々ありながら、まあその懸念通りの騒動が、1巻の終わりで発生します。いっかんのおわり・・・じゃなくて2巻ではどう切り抜けるんでしょうね?

 あくまで自由業風な御仁は「客」としての立ち位置を貫いていますが(・・・やってることはとうに客の範疇を超えてますけど)、それが2巻ではどう変化していくのか。そんな感じで実践的な肉知識も含めて楽しめる作品かなと。
  

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2017/09/19

おとうさん 「美味しい妖」 1巻 ガンガンコミックスONLINE スクウェア・エニックス

 気になっていた同級生をつけていったら、小料理店が実家だった訳ですが、その小料理屋で扱っている食材は、実は「妖怪」、、つまり「妖(あやかし)」であったという。。

 妖怪料理をこよなく愛する女子高生と、いつの間にやら色々な妖怪を”まかない”で食べまくる事になってしまった、そんな高校生の日々を描く、グルメというのか妖怪ものというのか、なんだかちょっと変なベクトルの作品です。

 妖怪を食べるといっても、妖怪同士で喰い合うような漫画はあまたありますが、この作品の場合には、妖怪は完全に「小動物」というか「ジビエ」に近いような食材であり、煮る、焼く、揚げると調理をして食べるとゆー主旨です。

 食材となる妖怪は、普通には眼に見えないものですが、実際にはそこら中に浮遊していたりします。まかないを食べ続ける主人公も、やがて”見える”ようにはなってきますが、設定は色々と細かいながら、破綻せずにいけるのかな?という老婆心もあったり。。

 まず「人型」の妖怪は食べない、ということになっています。倫理的に・・・という事になってますけど、この線引きってどこまで通用するのかな?
 これから先、そういう「人型」の妖怪との軋轢が生じる可能性がありますが、まあその辺りも折り込んでの作品設定というか構成になってるんでしょうかね。妖怪だって現在では絶滅危惧種みたいなものも居るでしょうし、食べる事に反対する団体だって出てくる・・・のかな?

 とまあ、料理にされる妖怪の設定は、結構練ってあって面白かったりもするので、設定負けしないような物語になっていくといいなあ、と思ったりしました。
  

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2017/09/15

ツナミノユウ 「ふたりモノローグ」 1巻 CygameComics 講談社

 偶然となりの席になった女子高生ふたり。ある日、大人しそうな彼女は、隣に座っているのが小学生の頃に友達になった、そして行き違いで別れ別れになった、そんな幼なじみだったことに気がつきます。そしてもう一人の金髪女子高生の方は、実はとうの昔にそれに気がついていたわけですが。。

 自分の想っていること、考えていることを素直に相手に伝えられない、タイプはまったく違うけど、そんな二人がすれ違いながらも必死にキャッチボールを繰り返し、それを各々のモノローグで綴っていくという、そんなコメディー作品です。

 やはりこの「心の中で思っていること」を、判り易く書き文字にするセンスは抜群かもしれません(笑)。この辺りは「つまさきおとしと私」で、そのセンスを発揮しまくっていましたが。そしていざ、心の中で思っていることを口に出したり態度に出そうとする時、人は本当に不器用で、相手に自分の意図を正しく伝えることは難しいと(笑)。

 ある意味、退いては押してという感じで、二人の距離感はすれ違いながらも伸びたり縮んだり忙しないんですが、いわゆる「あるある感」を醸し出し、笑わせてくれるんですけど、結構考えさせられるところも散りばめてあったりします。

 友達と喧嘩別れしたり、些細なことで言い合いになったり。そんな経験は誰にでもあるわけですが、相手の意図は実は違うところにあるけど、それが相手も下手だから伝わらない、、そして自分もそれを汲み取れず、または大きく誤解しながら受け取ったり。。

 本当に日常的に、こんな事を繰り返して学生時代を過ごしたかもなあ、と思ったりします。そう思いながら、彼女たちのギクシャクしたやり取りを読んでいると、誤解もしながら、そして意図も実は分かってないながらも(笑)、それぞれの考えで一生懸命、相手の考えていそうなことを想像し、まあ結果的にかなりすれ違っちゃうんですが(笑)、その努力は諦めない。そういう辺り、ちょっと健気でいいなあ、と思ったりもしました。

 まあ、吉本新喜劇ではありませんが、妄想を膨らませながらお約束のようにすれ違い続ける二人を、生暖かく見守りながら笑わせて貰う、そんな作品じゃないかなあと思います。

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2017/09/14

佐々木順一郎 「オオカミの子」 1巻 ヤンマガKCスペシャル 講談社

人間と魔物が共存するとある世界で、ある日、魔王軍が蜂起して人間の町を攻めてきます。それは下っ端の魔物が半ば勝手に起こした反乱。人はそれを押し返しましたが、いつしか魔王が再び攻めてくるのではと気が気ではありません。その世界では、長いこと平和な日々を過ごしたお陰で、すでに「勇者」も居ないのです。

 けどまあ、それに負けじと魔王側も平和ボケしています。特に魔王は人間に楯突いたという知らせが青天の霹靂(へきれき)。

 いわゆる温厚派で目立たず、平和主義で通してきただけに、すわ人間が城に攻めてくるかもという状況になり、とりあえず身を隠すことにします。その身を隠した場所は、、、。

 そんな世界の中、一人の剣士がとある街に、職を探しに訪れます。

 そして、そんな街で一人の威勢のいい小さな少女と出会うわけです、、、
 子供なのに大人顔負けの毒舌な「口撃力」を駆使し、”剣士”をけちょんけちょんにしながら、「勇者」として”魔王討伐”のための旅に、無理矢理彼を雇って出発することに。。

 ちょっと世間知らずだけど、至って真面目な”剣士”と、大人達も一目置き、そして口撃力とともに”嘘”も平気で繰り出す、実はちょっと謎めいた少女のドタバタコンビの旅を描く、そんなファンタジー・コメディーです。

 弱冠ヘタレで人間界の常識はまだ十分判らない、けど常識的な判断ができて腕も立つ”剣士”と、半端ない毒舌とともに、たまにズバッと本質を言いのける、そんな大人びてるけど子供な少女の掛け合いが、どこかこういい感じの作品です。

 まあ、タイトル自体が少々謎なところはありますけど、少女が平気でつく”嘘”に掛かっているのか、あるいはまだ別に秘密があるのか、読み進む内にその謎は解かれていくんでしょう。

 始まりはちょっと殺伐としたエピソードですが、実際に戦うシーンは実はなく、旅の途中で出てくる魔物も、そんなに悪いという雰囲気もなく、どこかのほほんとした感じのノリだと思って読めばよろしいかなあと。
 

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2017/09/12

西餅 「僕はまだ野球を知らない」 1巻 モーニングKC 講談社

 実は野球をほとんどやったことがない(やろうと思ったけど自分は競技に向いていないから諦めた)、けど何故か野球への情熱は人一倍、そして論理や科学などを駆使して「頭脳野球」をやろうとする、、、けど、スポーツを実際しているからは相手にされない、ある高校教師。

 そんな中、希望してコーチをしていた(けど監督からは疎まれ、選手からも半ば無視?)高校野球部で、ひょんなことから監督になることに。。

 やり始めたことは、ただの理論野球ではなく、工業高校であることを活かして各種センサーや機器を他の先生に作って貰ったり、3Dスキャナでの解析等も駆使しながら、選手の欠点や癖を矯正していくという、ある意味ではプロのスポーツ選手も取り込んでいる<科学スポーツ>の世界。

 単なるスポ根、身体が動かせればいい、けど思い通りに成績が伸ばせなかった選手達が、少しずつ「変わっていく」自分達の能力を実感し、そして対外試合に挑むことになるわけですが。。

 ある意味、スポーツに「科学”だけ”で」アプローチするという、ありそうですけどちょっと無かったジャンルの作品かなと。いわゆるスポーツ科学などに基づいた合理的な解析、そして修正点が判り易いという利点を、弱小な高校野球チームのレベルで行おうという訳ですから、おいそれと上手くいくかどうかは別です。

 しかし、相手のチームの選手や監督までを徹底的にリサーチ(という名のストーキング)をして、データに基づいた戦略を打ち出す、という辺りは、1巻のここまでは順当に当たっているといった感じですね。

 けど、スポーツというのもメンタルな部分もやはり大きいです。。また戦略と言っても勝負所では賭けに近い部分もある。勿論、そういうものをカンだけでやっているスポーツ選手や監督も多い訳ですけど、そこに「科学」という客観的な視点からの確認が加わることで、また少し変わっていくわけです。

 センスの問題もありますし、科学もカンもどちらも重要ですが、そこにどんな折り合いを今後付けていくのか(主人公は本当に野球を”知らない”んで、必ずまた挫折というのも津波のように押し寄せて来ると思います)、今後の展開がちょっと手に汗握る感がある、そんな作品です。

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2017/08/24

小林銅蟲 「寿司 虚空編」 全1巻 三才ブックス

 まずもってして、この本をどう紹介すればいいのか、という問題があります。

 寿司、、そう。寿司屋の場面から始まるこの作品ですが、もう1ページ目を開いて2ページ目から、全て崩壊しています。

 突如始まる<グラハム数>探求の旅、そして<フィッシュ数>への数学的怒濤の展開、、あらゆる数学記号が飛び交い、数の大きさ=強さという前提で探求される数式の積み重ね、、、

 要するに「巨大数」を追い求めるという数学的なプロセスを、漫画という枠を使いながら、ビジュアル的に魅せてくれるという、、、そういう漫画・・・なのかもしれない何かです。

 というか、そもそも寿司屋であることが何の関連性もなく、異次元と繋がるわ、ヒロインは○○だわ、今どき珍しいくらいの崩壊型<不条理漫画>と化しているんですね。落語的な不条理ではなく、まあ吾妻ひでお的なカオスな不条理というか・・・。

 けどまあ、実際読んでいても数学アレルギーな私には、内容はちんぷんかんぷんなんですが(こらこら)、関数を使いながら展開し続け、数式だけで4ページ以上ズラズラと並べることで<数学をビジュアル的に表現する>という事をしているところが、何というか凄いなあと思ったんですね。

 内容は理解できなくとも、そのプロセスの面白さ、展開を続けていくと、あるとき突然、左右で消せる数字や枠が出てきて、そしてかなり単純な数字と記号の関数が導き出されてきた時、解りもしないのに(爆)、なんだか「・・・美しい、格好いいかもしれない。。。」と思わされてしまったりします。

 正直、この作品はどういう人が読むべきなのか、勧める相手がよく判らないという感じがありますが、思い切って<数学アレルギー>なヒトが読んでみたら、なんか数学の見方が急に変わってくるような、そんな感じも受けるかもしれません。

 ・・・が、ちょっとこのカオスな不条理展開は、その部分でかなりヒトを選ぶかもしれない・・・。私はもうこの部分だけでごはんが食べられるんですけど、一般的には不条理漫画って「理解できない」ということで敬遠されてしまうんですよね。。

 まあ、嫌われている数学の世界と敬遠されている不条理の世界がここで融合し、新しい世界が開けていく・・・そんなことには・・・なってないかもしれませんけど、なんか頭の中がグネグネされる、そんな漫画です。

 けど、中身のメインテーマ(?)である「巨大数」については、査読まで付けて超本気モードな本です。これは御本人が好きでかなり拘ってやっていないと、ここまで踏み込み、そして噛み砕いて漫画として描くなど絶対できません。そういう意味では「巨大数とは何か」というとっかかりの入門漫画本としては、凄い本なのかもしれません。。

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2017/08/18

やまむらはじめ 「SEVEN EDGE」 2巻 ホーム社

 大震災により崩壊し、大阪に遷都したことによって、日本から見捨てられた首都圏。  そこから徐々に復興しつつある、混乱を引きずった無政府状態に近い状況下において、謎の組織からの指示で<暗殺>を行う組織に引き抜かれることになった青年の活動を描く、そんな<必殺>系のハードボイルド作品です。

 一応、秩序は戻りつつあるものの、銃が普通に使われるような無政府状態の首都圏は、少し前によくあった「近未来の世界」に近いものです。

 作品の世界観は、かなり昔の作品になりますが、「境界戦線」のその後、という位置付けになるかもしれません。

 日本が壊滅的に無くなってしまった訳でもなく、位置づけが中途半端な都市で生き残らざるを得ない人々がいる、というシチュエーションは、どこか80年代も彷彿とさせるような感覚もあります。まあ、近未来モノも色々なパターンがありますが、そんな中では結構私は好きな世界観です。

 内容的には”必殺”と書いてしまいましたが、不法地帯の復興といえば、色々な利権やしがらみ、そして金の流れなどもあり、処罰されない悪も当たり前のように闊歩しています。少しずつでも正常に戻りつつあるように見えて、そのような”悪”が暗躍する、そこに入り込む「暗殺集団」が「EDGE」という組織、という形です。

 ただし、その存在自体が絶対の正義という感触もありません。謎のスポンサーから悪事の証拠を踏まえた依頼が来ることで、ターゲットの暗殺が実行されるわけですが、スカウトされた主人公も、元々は銃を持った学生運動家のようなものに近い、組織的には何人も人を殺してきたガンマン。その腕を買われて(ついでに曲芸師のような暗殺少女との成り行きで)「EDGE」に加わることになったわけで、組織に対する不信感も抱えたまま、活動しているといったところ。

 それだけだとちょっと暗い話になってしまうわけですが、前出の曲芸少女や無表情なスナイパーなど、登場人物はどれも個性的で能力も半端なく、かなり際どいミッションをギリギリの判断力とその能力で切り抜けていきます。

 ある意味では正統派のハードボイルド作品、といったところだと思いますね。そういう意味で、こういう銃を本気で撃ち合う作品が最近少なくなったなあ、と思っていたので、ちょっと喜ばしい限りです。

 P.S 余談ですが。。やまむらさんはマニアックな鳥を描くのが好きで、私もとても嬉しいんですけど、たまに生態的な描写がアレな事になっていて、ジレンマに陥るのです。。この作品ではなく、先日完結した「碧き青のアトポス」(全7巻)で、そんな描写があったので、それについて書こうと思いつつ、ずっと躊躇して今日に至ります。。が、一言だけ書いておきます(今頃すみません)。
 「オオミズナギドリは、(カモメと違って)小さなボートの上に降りられません(体の構造的に)。」
 まあ、、、鳥を知っている人にしか判らない話なのですけどね(種名書いてないですから、言われないとどの鳥か判らないでしょうし)。

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2017/08/15

さがら梨々/岡本健太郎 「ソウナンですか?」 1巻 ヤンマガKCスペシャル 講談社

 女子高生だけの無人島で遭難サバイバル、というフラグが立ちすぎなシチュエーションなんですが、中身はかなりしっかりとした<本気サバイバル>をベースにした構成になっています。

 無人島生活ネタのテレビ番組も結構多いですけど(まあ、、、本人達には過酷でしょうけど、リタイヤは出来る環境ですからね)、まあそれの超リアル版といったところでしょうか。

 飛行機が落ちて海上で干されるところから、本気のサバイバルは始まります。そして何とか陸へと辿り着けるわけですが、水すらも得るのが困難な無人島で、生き延びることはできるのか。。

 女子高生4人を主人公にする、というところは、結構当たっているなあと思います。

 うち一人は、父親に鍛え上げられた、あらゆるサバイバル術を身につけた猛者であり、彼女達の命綱でもありますが、、、当然ですが、普通の女子高生には耐えられないような<モノ>を、飲んだり喰わせたりしようとするわけですね(笑)。

 それに対して抵抗を思いっきり感じつつも、本気で死を感じながら徐々に受け入れざるを得ない、そんな葛藤の日々を、女子高生達の肌感覚を通じて伝えてくれている訳です。ここで男性がいるとまた方向性が変わってしまうと思うんですが、とりあえず皆女子高生という構成は、作品的には正解じゃないかな、と思ったりしました。

 サバイバル術に長けたスーパー女子高生も、何でもできると言えばできるっぽいですが、ある意味ではコミュ症でもあります。そういう苦手意識や距離感も含めて、4人で克服していこうという、そんな物語になっていますので、サバイバル術も本気ですけど、物語としても結構練ってあるなあ、という感じがします。

 サバイバル部分は、「山賊ダイアリー」の岡本健太郎氏なので、特に狩猟部分がかなり拘っている感が強いです(笑)。が、あえて一言だけ言えば、、、、離島にウサギって居るんかなあ?といったところだけ、引っかかりました。。

 離島であれば、野鳥の方が可能性があるような気はするんですが(この島だと海鳥の繁殖地などは微妙な気もしますが、無いとも言えないですし。そういえば、鳥の描写が殆ど無いのがちょっと不自然というか気掛かり?)。

 まあ元々は無人島ではなく、人が住んでいた可能性もあるという設定なのかもしれませんね(まだ本体は見えていませんが、恐らくアナウサギのような気もしますし。実はノウサギだったらちょっとビックリしますが(汗)。結構広い島という想定であれば、アリなのか、、、)。

 という上げ足取りみたいなことは置いておいて、、、ある意味、本気のサバイバル術を楽しく、そして常人の感覚の代弁として葛藤してくれる女子高生を通じて描いた、なかなか面白い作品な気がします。
  

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2017/08/10

園田俊樹 「シンギュラリティは雲をつかむ」 1巻 アフタヌーンKC 講談社

 レシプロ機が飛び交うという世界観の中で、一寸どういう理由かは分からない、合理性がどこにあるかも判らない<人型>の全身翼航空機と出会うことで、戦いの世界に巻き込まれ、、、いや、飛び込んでいこうとする、ある天才工学少年の軌跡を描こうという作品です。

 設定的には「ラピュタ」の世界観を想像した方が判り易いかもしれませんけど、あれはオーバーテクノロジーの話。こちらは人型とはいえ、各方面の天才エンジニアが、その世界での最先端技術を駆使して作り上げた機械であり、足が地に着いているという部分が大きく異なります(まあ、いわゆるロボットではないので立てませんが)。

 ある意味では、レシプロ機などを超えたテクノロジーとも言えますが、大きな問題がありました。それは「操縦用ソフトウェア」が、30箇所もの可動部分があるメカのテクノロジーにまったく追いついていないというか、その機体が開発された当時、誰も開発ができなかったということです。そのため、その「凄いけど使えない」機体は、谷がちな田舎の小さな町工場の中に、ただ佇んでいるだけであったと。。

 そんな機体が、ある意味では天才肌で自己中、そしてある意味ではコミュ症(笑)の少年と出会い、そして予期せぬ外部からの攻撃により、出撃するというシチュエーションが生まれます。。そして、「レシプロ飛行機」の操縦系から開放されたその機体は、想像を超えた機動を始めることに、、、

 と書くと、結構よくあるアニメーション作品の物語の組み立てなんですけど、この作品の場合、ひと味違う所があります。

 それは主人公である少年が、純粋に誰かを助けたいとかそういう衝動ではなく、「この機械を使いたい」「自分を認めてもらいたい」という欲望に対して、素直に行動することを求められていく、というところでしょうか。。
 親父も開発に何らかの形で関わっていたようですが、豪快ながらかなりの曲者です。
 そして少年は、自分の欲求を叶えるためにはどう行動すればいいのか、それを真剣に考え始め、そして実行し始めると、、、、

 戦闘という非常事態を利用し、そしてクラスメイトや市民達を巻き込みながら。。

 そういう精神面の駆け引きが、この作品のちょっと違った味となっている気がします。ちょっとまだ構成にぎこちない部分もあるんですが、先の物語がかなり気になる作品です。

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2017/07/25

岡田卓也 「ワニ男爵」 1巻 モーニングKC 講談社

 落ち着いた紳士風の出で立ちのもの書きである「ワニ男爵」と、グルメ情報をかぎつけては彼を誘いに来る(で、費用は男爵持ち)、ちょっと調子のいい「ラビットボーイ」のコンビが綴る、グルメ探訪コメディーです。

 ワニが男爵、という辺りもあれですけど、実に紳士風に、そして大人な対応に満ちあふれていながら、、、時々なんか無意識に”野生”に戻ってしまうという、お茶目(で済むのか?)な面もあり、憎めないキャラといったところです。

 対してラビット君は、若者というか小僧というか、ワニ男爵の財布をある意味では目当てにしている部分はあり、そしてつい愚痴を言ったり、他人を貶したりと決して性格がいいとは言えません。けど男爵はまったく意に介すことなく、子供じみた行為を静かに諭し、そしてラビット君もその心の広さに感銘を受ける、といった凸凹コンビを演じています。

 人間を動物に置き換えた世界観でありながら、「食い倒れ人形」はそのまんまかい!というツッコミ所もありつつーの、動物コメディーとしてもなかなか個性的な動物が次々と登場し、ワニ男爵と絡んでいきます。

 たまに野性に還ってしまうのは置いておいて(よくまあ、他の動物を食べなくて済んでいますが(笑))、ある意味では紳士に、そして人情味に溢れた男爵の対応は、ちょっといい感じです。

 全国のご当地グルメも色々と登場し、それを美味しそうに・・・・って、ワニに表情があるんかい!という部分がありながら、それなのにメッチャ美味しそうに食べさせているところが、・・・漫画の凄いところだなあ、、と改めて思ってしまいました(笑)。

 グルメ漫画として読むよりかは、人情動物コメディーと思って読む方が正解だと思いますけど、それでも色々な要素をバランスよく、そして非常にセンスよく並べた作品だなあと思います。
  

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2017/07/21

早良朋 「へんなものみっけ!」 1巻 ビッグコミックス 小学館

 博物館に務める学芸員さん達(結構変○)の日々のお仕事を詳細に紹介した、そんな作品です。

 主人公は博物館に派遣された事務局員ですが、そこで様々な<生態>の研究員さん達を”観察”することになっていきます。ある意味では純粋に「第三者の眼」として、(恐らく私以上に)生き物にのめり込み、日々を様々な生物の採集や研究、そして標本の管理などに費やす、そんな人々を描いています。

 ヒロインが鳥類専門で鳥類標識員というのが、なんだか妙に嬉しいですね。この中で、ぶり縄を使って木を昇るというシーンがあります(たった数ページですが)。

 「ぶり縄」というのは、見た目は2本の眺めの太鼓のバチを、長めのロープの端に1本ずつ縛っただけの、何の変哲もない、知らない人が見れば「何に使う道具?太鼓叩くの?」としか思えないものです。
 それを使って10m以上もある樹にガシガシと昇ったりというのは、私は出来ませんけど(体験させていただいて5mくらい昇ったことはありますが)、身近で使える人がいまして。。まあ、信じられないスピードでヒョイヒョイと昇っていくんですね。20m近くあるスギなんかに。そのスピードと不思議なぶり縄の使い方は、あっけにとられること請け合いです。馴れている人は、直径1m以上もあるモミなんかも平気で昇る人もいます(この場合、ロープの部分を少し長くする必要があるので、木の直径に応じて何種類か用意している人もいます)。

 林業なんかでは、最近はもっと誰でも使える簡易なアイゼンみたいなものなどで登る場合も多くて、あまり高くなければ簡易ハシゴで登る場合もあるようですけど、鳥類の調査の場合には、山中でそもそもハシゴなんか運べませんし、樹をあまり傷つけたくないというのもあり、「ぶり縄」を使う場合が結構あります。

 と、鳥のお話だけではなく、水生生物から花の破片の調査から、いろいろな動植物の意外性などや日々の博物館の目的や仕事などが、ちょっと変わった学芸員さん達を通じて描かれていきます。

 著者が博物館でアルバイトをしていた、という経験が、もの凄く役立っているようで、動植物の描写やその取り扱いについては文句なしといったところです。


 このように結構いろいろとトリビアな記載があって(私も知らなかった情報もあり)面白かったんですが、初っ端のカモシカのお話だけ、ちょっと気になったんですよね。。


 血だらけのニホンカモシカの死体を背負って運んでいる、そんなシーンから始まっているのですけど、何度か読み直したんですけど気になる事が。。。

 ニホンカモシカは特別天然記念物です。

 特別天然記念物の死体を発見した場合には、まず国に報告が必要で、当該市町村の教育委員会に連絡する必要があるんですが(その間、その死体は動かしてはいけない)、そういう手続とかがされてる気配がないんですよね。市町村の博物館の職員の場合には、県からこういう業務を委託されていたりもするかもですし(調査員として実際動いているのが博物館の職員ということもあるようなので)、この辺の手続きは必要ないのでしょうかね?

 まあ、博物館の指定は教育委員会がしているわけで、教育委員会の関連機関とも言えますし、手続きは簡略化されていてるのでしょうかね?

 鉄道の仕事をしている知り合いから、山中でニホンカモシカをはねてしまった場合の手続きが、本当に面倒くさくて大変(調査員が来て必ず立ち会わないといけないし、報告内容も面倒)、というお話を聞いたことがありましたんで、そういうのも気になったキッカケなんですけどね。。(まあ、道路で車やトラックではねてしまった場合は、放置する人の方が多そうですが、線路ではそうもいかないようです)。

 他の部分の描写が実にしっかりされているもので(鳥類の標識とかその他)、ここだけが何か手続き的に合ってるのかなあ?、、、ということが気になったのでした。。

 まあ、この辺りを真面目に書き始めたら、これだけで1話分になっちゃいそうなので、省略した方が正しいのかもですけどね(けど、その場合はコラムとかでも書いておいて欲しいなあ、とちょっと思ったりしました)。

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2017/07/12

中村朝 「僕達の魔王は普通」 1巻 ガンガンコミックスONLINE スクウェア・エニックス

 もう表紙で80%くらいネタバレしておりますが、魔王への道のりを弟に譲り(勝手に言っているだけですが)、人間の保育士の道を目指そうとしてしまう、何だかベクトルが変な方向に向いてしまった魔王候補の兄を巡るドタバタ・コメディーです。

 まあ、親の教育その他で覇道を学ばされ、皆の前では<指導者を演じる>ことにも真面目に取り組む、変な話、生真面目な魔王候補が、とあるキッカケで出会った保育園児との交流を通じて、なんだか変なスイッチが入ってしまったといったところです。

 ドタバタの原因は、このどこかネジがずれた主人公もそうですが、いわゆる次男という立場に甘えて、口では「次期魔王は俺だ!」とか言いつつ、本気で譲られたらそんな面倒なものイヤや、という弟もあり、まあその従者達もどこか抜けているというか、ベクトルがそれぞれおかしいという、パワーは半端ない筈ながら、何だかゆるゆるな魔物達。。

 とにかく何というか、生真面目で髪サラサラな兄上様の、何かというと悪に肩入れしてしまうという性格というか性質が、なかなか絶妙です。絵本の読み聞かせをするというのですけど、例えば桃太郎でここまで魔に肩入れしてアレンジしちゃうか!というくらい、それが嫌な監督役の保育士との掛け合い漫才の世界に突入してしまうというか。。

 全体的に<悪魔>といっても、怖さからは無縁でほのぼのとした展開。ある意味、何に対しても気を遣い(園児にも、そして魔物の立場にも)、無表情ながら明るく人間界に溶け込もうと努力する(もう殆ど違和感がないレベルに達してますが(笑))、そんな主人公のキャラが、この作品の雰囲気の全てを作っている感じです。

 どこか歪みつつも、こういう教育もありなんじゃない?と頷いてしまいそうな保育士修業を描く、そんなコメディー作品です。
 

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2017/07/10

井上智徳 「CANDY & CIGARETTES」 1巻 ヤンマガKCスペシャル 講談社

 難病の孫の治療費を稼ぐ為、リタイアした元刑事が再就職した清掃係の仕事は、実は謎に包まれた”暗殺組織”の一端だった。。

 絵柄が前作の「COPPELION」と変わらないので、ちょっとコメディータッチな雰囲気を最初は感じるものの、内容はハードです。何の躊躇もなく相手の頭を撃ち抜く”小学生の殺し屋”に面食らうものの、普通では稼ぎきれない多額の費用が必要な元刑事は、葛藤はいくらかありつつも、その”非合法組織”に脚を突っ込み、”清掃係”をすることを決断していきます。

 しかし、ヤクザ者など相手が相手だけに、何度も銃弾や追跡の中を走り回ることになるわけです。

 普段は何とも普通の女子小学生をしている”殺し屋さん”は、とにかく人を殺すことだけには感情を何も示さない、冷徹で迷いのない完璧な殺人マシーンなわけですが、そのようになった理由は、元刑事であった彼の直感なども踏まえて、徐々に明らかになっていきます。

 そしてその先にうごめくのは、裏で日本を牛耳っていると言われる”謎に人物”の存在であり、散りばめられた謎の点が、少しずつ線として繋がっていく、、、という作品です。

 絵柄の先入観を払拭すれば、なかなか楽しめるハードボイルド作品といったところでしょうかね。
  

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2017/07/04

吉田丸悠 「大上さん、だだ漏れです。」 1巻 アフタヌーンKC 講談社

 男子の「構造」が気になって気になってエロい事ばかり考えてしまうけど、他人になかなかそれが明かせずに孤独に悶々としている、思春期が暴走している女子高生と、なぜか人との接触を極端に避ける、見た目はイケメンだけど無表情で淡々とした男子高生。

 そんな二人がトイレを通じて(?)出会ったわけですが、彼が人を極端に避ける理由は、その体質にありました。。

 彼の特異体質の犠牲となって、次々と<本音>を口走ってしまう犠牲者が続出しますが、そんなシチュエーションを通じて、ある意味、互いにコミュ症であった二人の、ちょっとぎくしゃくした”青春”が綴られていく、そんな作品です。

 ある意味、設定がとてもシンプルなんですね。「本音を口走る」というのも、勿論本人の意図を超えているわけで、混乱も生じてしまいますが、いい方向に転ぶこともあるわけです。

 そしてヒロインの大上さんも、エロいと言っても、なんだか国語辞典でヒワイな単語を検索して、なんだかドキドキしてしまうような、お前は小学生かっっというくらい可愛いものです(・・・まあ、けど高校生ですからね。お互いに。うんうん)。 

 あ、いや。。。けどコンビニの角のコーナーでアレな本をつい読んじゃったりしてるので、、、暴走してますね。やっぱり(笑)。

 もう一人の主人公の方は、あまりに淡々として感情がないのかよっ という能面キャラですが、基本は生真面目で、超が3つくらい不器用。

 そんな二人が、クラスメートとも徐々に交流を増やし、青春していくわけですね。

 なんだか妙に心配で見守りたくなる、そんな二人を描いた作品です。

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2017/06/27

井上知之 「はなまる魔法教室」 1巻 裏少年サンデーコミックス 小学館

 ある日、小学校に魔女の先生がやってきた。その先生の目的は、クラスの生徒の中から優秀な能力を持つ子をスカウトし、魔法使いにすること。そんな先生を巡って、空想好きの主人公や、色々な個性を持つクラスメイト達が、魔法先生の不思議に少しずつ触れていく、そんな物語です。

 魔法は契約すると共に、”種”が手の甲に印として現れ、数ヶ月もすれば孵化するということ。想像力のたくましい少年は、予想よりも早く効果が発揮されたわけですが、、、

 ある意味では、児童文学というか学校の課題図書に出てくるような内容という気もします。が、いわゆる「魔法使いの先生」は、かなりザックリとした性格で、魔女の国でも学生を教えていた(といっても2~3人程度の生徒)、生徒を教えた経験はある先生なわけですが、沢山の生徒のいる教室に憧れていて、授業することそのものが楽しくて仕方ない、そんな感じの明るい、、、、けれど何かしら秘密も秘めた人です。

 ジュブナイル系な作風と絵柄ですが、いがみ合いながらも冒険のようなものにも憧れる小学生らしい子供達と、小学生を教えるのは初めてながら、実に細かく生徒を観察している魔法先生。。

 魔法とはどういうものなのか、その実態はまだまだ謎だらけですが、それを少しずつ紐解きつつ、子供達と楽しく戯れ、普通の”先生”とは違う発想で考えて行動する、そんな個性的な”先生”を描いていく、そんな感じです。

 なんかこう、ちょっとしたワクワク感も感じられ、懐かしさもどこか感じる、そんな作品だなあと思います。

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2017/06/20

山田鐘人 「ぼっち博士とロボット少女の絶望的ユートピア」 1巻 サンデーうぇぶりSSC 小学館

 隕石の衝突がキッカケとなり、病気が蔓延して人が消えてしまった都内において、1台のロボット少女と生活を続ける、コミュ症気味な博士の日常を描く、ちょっとシュールなSF作品、、、。

 であると同時に、無表情で口が悪いロボット少女が、約1ページにつき1回、必ずツッコミを入れるというギャグコメディー作品です。

 日頃は研究所のようなところで、二人でビデオなどを見たりゲームをしたり、何かしらイベントをやってみたりしながら過ごしている、そういう日常系なノリではありますが、辺りには全く人はいません。

 生存者らの僅かな痕跡を辿り、都内を徘徊することもありますが、結局、彼らとは話をすることも出来ない・・・という前に、博士が他人と話を、コミュニケーションがとれるのかという問題が(ry

 渋谷や新宿あたりで、人のいなくなった店舗に律儀にお金を置きながら、必要物資を集めつつ徘徊します。この街に人が沢山いるという状況を見たことがないロボ子は、ある意味では無表情ながら無邪気な質問をしつつ、博士にツッコミを入れながら歩いて行く。。

 生存者は極稀にいるようではありますが、ひっそりと消えていきます。

 そして博士は、災害が起きる前の自分を追想し、現状の自分が幸せなのかを考えています。元々他人とのコミュニケーションが苦手で、ひとりぼっちで何でもやってきた、そして自分の未来に必ず幸せがあると信じて、ひたすら勉強をしてきた日々。。

 孤独に慣れているが故に、ある意味ではこの状況が、実は大して苦でも何でもない博士はいま、幸せになれたのでしょうか?

 素でお約束なボケをかますぼっちな博士と、どんどん口の悪くなるロボット少女が織りなす、近未来のサバイバル(?)漫画、、、という程、なんだか過酷な状況でもないところが、この作品の面白いところかもしれません。
 
 

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2017/06/15

福田泰宏 「まどからマドカちゃん」 モーニングKC 講談社

 雨宿りで軒先を借りた部屋の窓から、無言のまま様々な「お誘い」をしてくる美人と、ただの通りがかりのサラリーマンの、窓を挟んで展開するオムニバス・ショートコントといったところですかね。

 このコントの縛りは、「窓」という枠を通じたコミュニケーションと、互いの不可侵(サラリーマン君が部屋の中に入ったり、また彼女が部屋から出てくることもない)、そしてヒロインが「無口」で身振り手振りで全て伝えるのみで、一言も喋らない、ということ。

 この3点の縛りを踏まえて、ほぼコントというかは不条理ギャグのような、美女とサラリーマンのやり取りが展開していきます。

 部屋の中は異次元ポケットかよ!っというくらい、衣装や内装がガラッと変わるのはまだしも、突如”釣り●”が出来たりと、ほぼ何でもアリな状態。ある意味では、ドリフの大爆笑ショート・コントといった味わいでしょうかね。

 それにプラスして、美人ですからそれなりのサービス・・・は、まあ最低限ありますよ、ということで。

 落語的なノリというか、そういうほのぼのとしたコントや不条理ギャグが好きな人にとって、結構楽しめる作品じゃないかなあと思います。

  私はこういうノリの作品、かなり大好きです(笑)。
  

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2017/06/13

からあげたろう 「コーヒーカンタータ」 1巻 電撃コミックスNEXT 角川書店

 幻のコーヒーを巡って、とある街にやってきた少女のスタートを描く、「コーヒー漫画の皮を被ったガッツリSF」な作品です(笑)。 まあ、SFというかはファンタジーという設定の方が馴染み易いかもですね。

 とあるコーヒーの品種である”カンタータ”で街興しをしている地方都市に、ある”目的”の為にやってきた少女が、ある意味では偶然を重ねながら”一緒に学ぶ友人”を得ていく、というところが1巻目です(その目的地に辿り着くまでに紆余屈折がありまくりなので、まだ”入り口”のところまでしか進んでいませんが(笑))。

 基本的なコーヒーの淹れ方など、そういう”うんちく”も結構満載されています。そういう視点で見れば、グルメ漫画とも言えるかもしれません。が、そこに、「カンタータ」という、ある意味では圧倒的な味を以て君臨する”究極の珈琲豆”の存在があるわけですね。

 少女が辿り着いた喫茶店では、他の沢山の観光客向け喫茶店で出す、”カンタータ”は出さず、マスターが極普通の豆(勿論、厳選されています)を使って丁寧に淹れたコーヒーを出してくれます。ある意味では、それなりに美味しいコーヒーを入れる技術は持っていた少女ですが、同じ豆を使っている筈なのに、その味の違いに圧倒されます。。

 コーヒーって本当に難しいですよね。。

 私も一時、安物の挽いた豆で、ドリップで淹れてみた時期がありましたけど、何ヶ月かやっても、何というかマトモに同じ味で淹れることすら出来ませんでした。同じ豆なのに、毎回なんだか違う味がするんですよね(ただヘタなだけですが(爆))。

 布のネルを使うとか、それで味が変わるのはある意味当たり前としても、湯の温度や注ぎ方ひとつで、千差万別の味になってしまうのがコーヒー。。

 どちらかというと紅茶派(特にミルクティー派)な私ですが、ほんと紅茶って手順とか時間とか守れば、ある程度は誰でも同じ味に持って行けると思うんです。が、コーヒーは本当に淹れる人によって全く味が変わってしまうので、ある意味ではいつも同じ味を提供できるっていうのは、プロだなあ。。。って当たり前の話ですが(汗)、凄いなあと思う次第です。

 まだまだ1巻では入口だけなのですが、これから懇切丁寧に彼女達は、コーヒーを美味しく淹れる技術を学んでいくことになります。

 ただのコーヒーを巡るウンチクだけではなく、ヒロインを取り巻く少女達の性格の違いなど、物語としても中々楽しんで行けそうな、そんな作品です。
 

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2017/06/05

坂崎ふれでぃ 「サバゲっぱなし」 1巻 サンデーGXコミックス 小学館

 少し欲求不満ながらハイテンションなOLが、とあるバーに入り込んだことがキッカケで、「サバイバルゲーム沼」に堕ちていく、、、そんなサバゲー入門的な作品です。

 一般のOLをいかにサバゲ沼に引き入れるか、、、というような技もありながらも、自らズボズボと填まりまくって、廻りまでサバゲ熱に改めて感染させていくという、何か読んでいても楽しい。。。と思うのは、私も「サバゲ」に片足突っ込んでるからでしょうかね(爆)。

 基本的には、バーのマスターまで含めて女性社会人のサバゲチームというかグループによる、野外戦やインドア戦など、ざっと「サバイバルゲームとはどういうものか」という部分は、詳しく解説はしています。

 が、いわゆるチーム同士の戦いであるとかテクニックとか、そういうベクトルで昨今の”サバゲ漫画”は構成されがちですが、この作品の場合、<ガチでサバゲという”宴会”を楽しむ>ことに主眼を置かれています。なので、途中のテクニックとかそういう部分は勿論紹介はされていますが、必要最低限。戦いの描写も最低限。
 その<戦いの前後>の、それぞれテンションMAXな状態を描画しながら、いかに<やってみたら楽しいか!>ということを紹介することがメインなんだと思うんですね。

 お店の協力などもいただきながら、武器である銃を選ぶあたりにも重点が置かれています。

 というか、実際に趣味としてやってみると、私なんかは年間数回しか行けないながら(・・・それもここ2年ほど御無沙汰)、銃を改造したりカタログ見たり、新製品が発売されたらなんか色々と調べちゃったり、そういうことに費やしている時間の方が、数十倍~数百倍であり、またそれも本当に楽しいんですよね。「旅行は行く前が一番楽しい」「行ったあとの想い出も楽しい」というのに通じるところがあるかもしれません。

 恐らく、実際に楽しんでいるOLの方々などにも色々とインタビューしたりして、<リアルで楽しんでいる人達は、どういう気持ちで、楽しさを見いだしているのか>というところに、かなり重点を置いていると思うんです。

 それでいて、何かだたのハウツーもののような説明べたりな感じもなく、主人公のヒロインのハイテンションぶりを眺めているだけで、なんだかお腹いっぱい楽しめてしまうんですね。。

 本来は先輩として色々と教えてあげようと思っていた方々も、その豪快な買いっぷりや突っ走りぶりに呆れながらも、どんどん影響されて楽しくなって来ちゃうという(・・・買い物熱が感染するとも言う・・・)、いろんな意味で何だかこういう人がいたら、本当に楽しいだろうなあ、という集まりになっているわけです。

 しかし、、、カスタマイズされたM16派生銃って(←多分古い人間なので、こういう表現になる(汗))、本格的なロードサイクル並みの値段するのですね、、(大汗)。私はスナイパーなので、VSR-10をカスタマイズする程度で(この辺のスナイパー銃も本格的ショップカスタムだと10万円超えるのはザラでしたが)、サブにスコーピオンを極悪改造(謎)してただけですけど、やはり上には上があるんだなあ。。

 入門書というのとはまた違う部分もある気がしますが(それでも基本的な情報は満載されていますよ。勿論)、特に社会人になって填まる人達にとっての「サバイバルゲームの魅力ってどんなとこ?」という部分については、盛り沢山になっている上に、なんだか読んでて楽しくなる、そういう作品だなあと思います。

 ・・・なんかまたちょっとやりに行きたくなってきてしまった(汗)。
 2年も放置してると、マトモに動かない気がしますが(汗)。

 

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